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やるべきでないピロリ菌除菌

ピロリ菌は、強い胃酸の中で生息する菌で、尿素を分解してアンモニアを産生し、胃粘膜を傷つけ炎症を起こし、次第に胃粘膜を萎縮させていくとされています。そして、年月をかけて胃がんを発生しやすくすると言われています。

99%の胃がんが、ピロリ菌によるものだとも言われています。そのため、ピロリ菌の存在が確認できれば、除菌すれば胃がんを防げると過激な治療に走ることになっています。

なぜ、過激な治療かと言いますと、2種類の常用量以上の抗生物質と、胃酸を抑える薬、計3剤を1週間服用する標準治療に問題があるからです。

ピロリ菌の除菌に成功するのは、7~8割程度ですが、除菌治療をすると薬の副作用がいろいろと生じるからです。

特に問題なのが、抗生剤の使用で腸内の善玉菌が死滅させられてしまうために生じる「下痢症」です。高齢者では、菌交替現象によって「デフィシル菌」がはびこると、粘膜が傷つく「偽膜性腸炎」になり、頑固な下痢を引き起こして命を落とすことがあります。

また、胃酸を止めるために、胃液の殺菌効果が消失し、胃や小腸の中でいろいろな細菌が繁殖し、それが体の中を巡って肺炎を起こすこともあります。

長期的に問題になるのは「逆流性食道炎」(胸やけ)です。

さらに、がんサポートのカギであるミトコンドリアの機能低下も起こしてしまいます

このように、過激な除菌治療による副作用でいろいろな問題が出て来るわけですが、果たして「胃がん」の予防効果はどうでしょう。

各国で行われた比較試験がありますが、確かに胃がんの発生は減少しています。しかし、発生してきた胃がんは「早期胃がん」で、そのほとんどは欧米であれば「良性病変」とされるような病変でした。また、除菌群の方で食道がんが増加していました。副作用死とも言えるでしょう。

世界最高の医学雑誌である「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン」に掲載された論文では、胃がんの死亡数は減少しましたが、総死亡数は増加していました。

つまり「ピロリ菌除菌は死亡者を増加させるための過激な行為」になります。治療になっていないのです。

さらに、被害は続きます。とりあえず除菌に成功しても「ピロリ菌除菌をしても胃がんが生じることがあり、半年に1度内視鏡検査を受けて下さい」と言われてしまうのです。なんのことはない、ピロリ菌除菌をきっかけに、医者の定期収入源にされてしまうわけです。

日本人にはピロリ菌陽性者がとても多く、人口の過半数を占めていた時代から胃がん死亡数は一貫して減少して来ているので、ピロリ菌犯人説にも疑問はあります。

ピロリ菌がいるから100%胃がんになるわけではないのです。

むしろ、食事内容やメリハリつけた食事のとり方に気をつけることの方が、はるかに胃の健康に良いと思っています。まして、除菌と称して死亡数を増やし、過大な副作用をもたらす行為をする必要はありません。エビデンスに基づく医療を行っている人道的な医師なら、決してピロリ菌の検査や除菌をしようとはしないでしょう。

まずは、被害者にならないためにもピロリ菌の検査はやめましょう。

 

(参)やってはいけない健診事典