日本人のソールフード「みそ汁」は”飲む点滴”であり、老化防止になります
まず、「みそ」の成分を見てみましょう。 主原料は大豆であり、アミノ酸が豊富です。その他、イソフラボン、セリルトリプトファン、メラノイジン、α-リノレン酸エチルエステル、サポニン、ビタミンE、レシチン、酵素などです。 イソフラボンは、ホルモン性のがん(乳がん、子宮がん、前立腺がん、肺がん、卵巣がん、膀胱がんなど)の予防に効果があります。 セリルトリプトファンには、血圧を下げる効果があります。 メラノイジンにもACE(アンジオテンシン変換酵素)阻害作用により血圧を下げる働きがあり、繊維物質として排便を促し、便量を増加させ有害金属を吸着して排泄する効果もあります。その他、腸で乳酸菌等の善玉菌を増やします。 α-リノレン酸はがん予防に、サポニンは高脂血症・動脈硬化・肝臓障害の改善効果があります。 ビタミンEは抗酸化力のエースであり、レシチンはコレステロールの正常化と痴呆防止効果があります。 一方、みその塩分量は、“塩っぽい”割には少ない量しか入っていません。 江戸時代のことわざに、「医者に金を払うより、みそ屋に払え」というものがあったそうですが、毎日みそ汁を飲んで、わずらわないようにとの養生訓です。 みそ汁は「冬は体を温め、夏は熱中症予防」として“飲む点滴”になるのです。 ゆえに、日本人のソールフード(民族食)である「みそ」の効果は絶大なのです。
みそは本来、「身礎」です。みそは、霊験あらたかで、ご利益があるのです。 みそは血管の掃除や腸の掃除をしてくれるうえ、造血能力を高め、血液を陽性にしてくれます。体内の参加を抑制する作用があり、老化防止に役立つのです。 できれば、みそは3年寝かしたものがベストです。3年かけて熟成・発酵させると、身体を冷やす陰性の大豆がアミノ酸に分解されて、身体を陽性に変化します。 ちなみに、短期間で作るみそには、大豆に混ぜる麹菌が残っているため、身体が陰性になります。(「菌」自体が陰性のためです) 3年寝かせると、大豆たんぱく質が全部アミノ酸に分解され、おいしいみそが出来上がります。 ちなみに、酵素栄養学の大家、鶴見隆史医師は、岡田発酵工房のみそを評価しています。 このみそは、安政2年(1855年)に作られた味噌蔵の菌を今も使っているものです。「重要無形文化財」に指定されているため、通常は年に1度行われる保健所の監察を免除されています。この鍛え抜かれた菌のみそは、最高のプロバイオティクスになり、発酵菌が胃で死なずに腸へ行き、善玉菌として大繁殖します。 この160年生き続けた菌を使って、2~3年しっかり発酵させているので、いつまで経ってもカビが発生しないとのことです。 このように素晴らしいみそから身近な伝統的なみそまで、いろいろ楽しんで下さいね。 みそ汁は、昆布や煮干しなどのだしをとって作る本格的なものから、残り物の野菜など入れて作る簡単なものがありますが、まずは手軽に楽しめるみそ汁で、ホッと過ごして見ましょうね。 (参)食物養生大全、長生きしたけりゃ肉は食べるな