睡眠に悪い生活習慣
睡眠を削ることは命を削ることです。少なくとも6時間以上を確保して休みましょう。
さらに、睡眠時間だけではなく、睡眠の質を良くすることが大切です。そのためには、睡眠に悪い生活習慣を減らし、睡眠に良い生活習慣を増やすことです。今回は、睡眠に悪い生活習慣をご紹介します。
まず、睡眠に良くない生活習慣は、スマホに影響されている現在、ワースト1は「ブルーライト」です。
ブルーライトとは、スマホ、タブレット、パソコン、ゲーム機、蛍光灯などから発せられる青色の光で、波長が380~500nmの光のことです。この波長は青空の波長、昼の波長で、日没後に浴びると、脳は「今は昼だ」と誤認し、覚醒状態となります。そして、睡眠物質のメラトニンの分泌を抑制してしまいます。特に、寝る前に長時間スマホやタブレット、ゲーム機などを見続けることが問題で、長時間使うほどにメラトニンは抑制されるのです。
ちなみに、睡眠物質のメラトニンは疲労回復、免疫増強作用、抗酸化作用、新陳代謝アップ、抗腫瘍作用など多様な働きを持ち、「不老長寿の妙薬」ともいえる究極の健康ホルモンです。
ワースト2は「飲酒」です。
「寝酒は睡眠に良い」は誤りです。不眠症の人の80%がお酒を睡眠のために用いていたという調査もあります。飲酒は、睡眠に極めて悪影響を及ぼします。飲酒は寝付くまでの時間を若干短縮しますが、睡眠の後半部分とレム睡眠を抑制するので、中途覚醒が起こりやすく、早朝に目が覚めて、トータルの睡眠時間は短くなります。
どうしても飲酒するなら、寝る前に2時間は開けて悪影響を最小限にすること。そして、水分補給をきちんと行ってください。
ワースト3は「興奮系娯楽」です。
興奮系娯楽とは、ゲーム、映画、ドラマ、マンガなどです。ゲームをしていて深夜遅くになっても眠気がこない。それは興奮物質アドレナリンがじゃんじゃん分泌されているからです。アドレナリンは交感神経刺激物質で、心拍数や血圧を上げて興奮状態にします。また、これらはそのままブルーライトを浴びる行為にもなるので、睡眠物質メラトニンが抑制されます。若い人の突然死の原因にも挙げられています。
ワースト4は「寝る前2時間以内の食事」です。
寝る前の食事は、睡眠の質を低下させます。食事を摂って血糖値が高い状態では、成長モルモンの分泌が低下します。成長ホルモンは、小児期では体の成長・発育に働き、思春期では性的な熟成促進に働き、成人期では代謝調整・免疫機能・認知機能などに作用します。ですから、睡眠の質が悪いと代謝が悪くなり、疲労の回復が悪くなったり、肥満の原因にもなります。
寝る直前まで間食しながら飲酒は最悪になりますね。
最後、ワースト5は「喫煙」です。
本来は、ワースト1になりますが、喫煙しない人もいるので、あえてワースト5にしているだけです。それほど喫煙は最も悪い習慣になるのです。
喫煙者は非喫煙者に比べて不眠症の率が4~5倍に跳ね上がります。入眠時間も非喫煙者と比べて、平均15分遅くなります。タバコに含まれるニコチンは、興奮物質アドレナリンを分泌させて、強烈な覚醒作用を発揮させてしまうのです。
睡眠の質が割る人、睡眠障害の人、メンタル疾患の人、睡眠の質向上でベストパフォーマンスを目指したい人なら、ぜひ禁煙をしましょう。
(参)ブレインメンタル強化大全