がんを消すサイモントン療法のイメージの力を利用して見ましょう。
さて、イメージ法に取り組むにはそれなりのエネルギーを必要とします。簡単に行える日もありますが、雑念が出てきたり、エネルギーが低下していてなかなか取り組めない時もあるでしょう。そのときには、いったんそこでイメージするのを止め、意識的に呼吸をして見ましょう。 気分が落ち込んでいる状態から気分を安定させるには、意識的な呼吸法が有効です。意識的呼吸を行うことで、今、この瞬間に意識を向けることが可能になります。マインド・フルネスの基本にもなりますが、息を吸うときに頭の中で「吸ってー」と唱え、吐くときに「吐いてー」と唱えるだけです。 意識的なイメージはエネルギーを必要とするのに対して、意識的呼吸はエネルギーを与えてくれます。意識的呼吸をしながら、今、自分の身の回りですでに起こっていることで、あなたが感謝できることや好ましいことに意識を向けてみます。例えば、今、座っている椅子や、横たわっているベッドの心地よさ、そこから見える風景の輝きなどを意識しながら、ゆったりと呼吸して見ましょう。 そして、エネルギーが高まり、気分が安定してきたら、もう一度、自分が望む結果をイメージして見ましょう。但し、どうしても出来ないときには、イメージすることをやめて、気分が良いときに行いましょう。
もう一つのエクササイズをご紹介します。それは、絵を描くことで、それによって、自分自身が病気、自己治癒力、治療、そして病気(がん)に対してどのようなイメージを持っているかを確認するのに有効です。 古代ギリシアの医師ガレノイスも、がんの治療にイメージ法が有効であると記しています。そして、イメージする際、次の3点が大切だと述べています。 1. 病気を治癒し得るものとイメージする 2. 自己治癒力がきちんと備わっていて働いていることをイメージする 3. 治療が効果的に働きかけていることをイメージする 前述のイメージの3つの大切な姿勢に共通しますが、さらに絵を描くことで、具体的にイメージを抱くのに役立つのです。 絵を描くときは、うまい、下手にこだわらないでください。他人に評価されるものではなく、自分が自分自身をどうとらえているかを知るためのツールなのです。 また、このエクササイズは、「より良いイメージを強化する」意図で行います。患者さんだけでなく、サポーターの方にも行ってもらいます。サポーターの方には、自分がサポートしている患者さんのイメージを描いてもらいます。それによって、自分がどのような思いで患者さんをサポートしていて、どの部分を改善し、強化したいかを観察してもらいます。 また、サポーターと患者さんとの間に病気や健康に対する認識の差があれば、絵を通して確認し、お互いの認識を健全なものに調整することが必要でしょう。 治癒への道を歩む過程で時折、このエクササイズに取り組み、自分自身を振り返ってみることをお勧めします。 (参)サイモントン療法