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がんは貧血が好きです。

がん細胞は正常細胞の6倍以上のブドウ糖を消費してエネルギーを作っています。身体の中では、大量にブドウ糖を利用してエネルギー産生が行われると、乳酸の産生が亢進します。つまりがんの腫瘍周辺では、大量の乳酸が産生され、周辺組織が酸性に傾くアシドーシスという状態になります。 アシドーシスは正常細胞にとっては危険な状態であり、正常細胞の活動性を維持することが出来ない環境になります。ところががんはアシドーシスが大好きなのです。がんは、自分で大量の乳酸を作り出し、自分の周辺を自分が存在するために心地よいアシドーシスへ作り変えてしまうのです。 乳酸が作り出されてアシドーシスになりやすいのは、酸素の供給が乏しいときです。酸素を運ぶために必要な鉄分が、十分にヘモグロビンに存在していない貧血のときには、大量に乳酸が作り出されます。 つまり、がんは貧血が大好きなのです。がんが進行すると、ほとんど全ての患者さんが貧血傾向になり、がんはさらに元気になっていきます。がんは本当に巧妙に、自らが活動しやすい環境に宿主である患者さんの身体を変えていくのです。体内で作り出された乳酸は、ビタミンB群の働きによって、速やかに処理されています。つまり貧血でビタミンB群不足の人は、がんに好都合の環境です。ですから、普段から甘いもの(糖質)の過食やお酒の飲み過ぎの方もビタミンB群が不足しがちになるので、注意したいですね。
しかし、がんの治療を専門にしている代替療法の医師の中には、鉄分の補給をひかえるよう指示する方が多くいらっしゃいます。それは鉄が身体の中でがんを刺激するフリーラジカル(活性酸素)を発生する可能性があるためです。しかし、鉄によりフリーラジカルの発生は、鉄剤の注射や大量の無機鉄の服用によって生じます。 鉄をいっぱい含んだレバー、赤みの肉、卵などの食品を食べたりする限りでは、フリーラジカルの発生はありません。ここからもがんの治療中に肉をひかえることは、かえってがんにとって好ましい環境にしてしまうことが理解されると思います。 また、やってはいけないことは、タンパク質に結合していない鉄が体内に増えることなので、鉄剤の注射はやってはいけない治療の代表です。 さてがんと闘うために糖質を減らし、タンパク質はしっかりとり、ビタミン、ミネラルをしっかりとっていくことになりますが、タンパク質源である肉をひかえてしまうと動物性脂肪の摂取が制限されることになります。するとコレステロールを減らすことになります。 コレステロールは大切な役割があり、細胞膜の構成や各種ホルモン、胆汁酸などの材料になります。また、がんに対して素晴らしい効果が確認されているビタミンDが身体で作られるための材料でもあります。薬剤などでもコレステロールを下げすぎないようにしたいものです。
さて、女性は月経が始まってから貧血傾向が進みます。これは、AYA世代のがんの増加を助けてしまうでしょう。また、抗がん剤や放射線治療の標準治療は骨髄に対する抑制作用をもたらし貧血の原因になります。一般的ながん専門医は、貧血がよりがん細胞を活性化することを十分理解していないからです。 普段から栄養に気をつけて貧血にならないようしていきましょう。また、がん治療においては貧血により注意していきましょう。   (参)がんになったら肉を食べなさい

[がん/]2021.01.24