愛のホルモン”オキシトシン”の分泌を促すプチ瞑想を取り入れよう!
私たちの脳内ホルモンの一種に“オキシトシン”というホルモンがあります。このホルモンは、間脳の視床下部から分泌され、心を幸せに満たしてくれる働きがあり、「幸せホルモン」とか「愛のホルモン」とか呼ばれています。
オキシトシンは、体の健康にも効果を発揮して、ストレスの負担を軽減したり、高血圧や認知症の予防や体の痛みを抑えたりします。
このオキシトシンの分泌を促すポイントは、心地良いと感じる刺激を与えることと、人と交流することです。具体的には、美しい風景を心地よい音楽を視聴したり、美味しいものを食べたり、人とのスキンシップを楽しんだりすることです。
そして、一人でも気軽にできる五分間ほどのプチ瞑想もオキシトシンの分泌を促します。
この瞑想は、他人の幸せを祈り続ける「利他と感謝(慈悲)の瞑想」です。元々チベット仏教の瞑想法ですが、近年欧米の心理学者がLKM(Loving Kindness Meditation)という瞑想法を確立して、慢性の痛みや不安・怒りの軽減に役立てています。
ダライ・ラマ法王は、「他人を幸せにしたければ、他人を思いやりなさい。自分が幸せになりたければ、他人を思いやりなさい」と説いていますが、他人を思いやること(利他)でオキシトシンの分泌が増え、かえって自分が幸せになれるからです。
瞑想の方法は、以下になります。
・姿勢は、仰向けに寝たり、椅子に座っても座禅を組んでも良く、目を閉じて息を吐く時間を長めにとって、ゆっくりと腹式呼吸を行います。
・その時に、自分の大事な人(子供やパートナー、両親など)を思い浮かべ「その人が幸せになりますように」と、毎日五分間、1~2週間祈り続けます。
・次の段階では、もう少し離れた人(友人や昔の同級生など)を思い浮かべて、その人が幸せになりますようにと、五分間、同じく1~2週間祈り続けます。
・次に、日常で出逢う知らない人(お店ですれ違った人、いつも使う駅の駅員さんなど)を思い浮かべて、その人が幸せになりますようにと、五分間、同じく1~2週間祈り続けます。
・最後は、自分の嫌いな人や苦手な人を思い浮かべて、その人が幸せになりますようにと、五分間、同じく1~2週間祈り続けます。
ここまでが一連の流れです。
以上のようにしっかり祈るだけでも効果がありますが、利他の心で何かを行うことは、オキシトシンの分泌を高める上でやはり有効です。
公園や道端のごみ拾いやトイレ掃除、ボランティア活動です。このような活動をすると、人は元気になり、長生きしやすいと報告されています。
現在、コロナ禍で、リモートワークやソーシャルディスタンスなどの新生活様式により、人との距離が遠くなり、不安が増大しています。しかし、オキシトシンの分泌が増えれば、不安や恐れが軽減し、心が落ち着き、安心できるようになります。
さらには、他人の幸せと自分の幸せが矛盾しないことに気づけるようになり、朗らかに安らかに笑顔で毎日を過ごせるようになるでしょう。
ぜひ、オキシトシンを活かして幸せな日々を過ごしていきましょう。
(参)人のために祈ると超健康になる、月刊致知(R4.2月号)