食べるプラスチック「トランス脂肪酸」の危険性!
私たち日本人は、病気になる油を取り続けています。
この警鐘が伝えられてから20年ほど経ちますが、未だに日本は規制されることなく、病気を増加させています。体と心を蝕む非常に危険な油が、毎日の料理で使われたり、スイーツなどに利用されたりして常食されていることが大きく影響しています。
この油は、食べるプラスチックと呼ばれている“トランス脂肪酸”です。
液体の植物油に水素をくぐらせて固形化させた人工的な油です。この油は、自然界に存在しないもので、虫も寄り付かず、土の中に埋めても分解されず、故に“食べるプラスチック”と呼ばれているのです。
身近なものでは、マーガリンやショートニング、ファットスプレッドといった固形油脂に多く含まれています。2010年の調査では、30代から40代の女性で、トランス脂肪酸を過剰摂取している割合が3割を超えている結果が出ています。
そして、このトランス脂肪酸はがんを始めとした現代病を引き起こす大きな原因とされているのです。
トランス脂肪酸による弊害の中でよく知られているのは、体内のコレステロールのバランスを崩して“心臓病”を誘発することです。
トランス脂肪酸は、直接細胞膜に悪影響を及ぼすことで、細胞自体の働きを弱めてしまい、細胞に必要なものが流出してしまったり、逆に有害物質が侵入しやすくなってしまいます。
また、肝臓にダメージを与えて、本来必須のコレステロールの合成を調節する機能を崩してしまいます。それによって、HDLが減り、LDLが過剰生産されてしまいます。
このような結果、心臓病を引き起こすことになるのです。
同様に、細胞膜の働きが悪くなると、いくら体がインスリンを分泌しても、それをキャッチする細胞膜の受信機能が鈍くなり、結果、“糖尿病”となるのです。
さらに、日本人死因第1位の“がん”です。
細胞膜の構造や機能が不完全になり、糖鎖も正しく働かないと免疫力が低下します。トランス脂肪酸は体内で活性酸素を大量に作り出したり、有害物質が細胞内にどんどん入り込んで来たりして、体内環境が悪化することでがんになるのです。
実際、アメリカではがんによる死亡率の増加とトランス脂肪酸を含む植物油の消費量の増加がほぼ一致しているというデータが報告されています。
そして、脳に悪影響を及ぼすことで、高齢者では“認知症”、子どもでは“注意欠陥多動性障害(ADHD)”などを引き起こすことが分かっています。
脳は60%が脂質で構成されていて、発達途上にある胎児から子どもの脳の発育、人格形成に与えるダメージはとても大きいものと考えられます。いくら子どもに一流の生活環境を与えても、三流の食事を与えていてはどうしようもありません。「質の良い食事を摂ることは、一流の教育を受けることと同等である」ことをしっかりと認識してください。
頭の良い、心の優しい子どもに育てるためにも、トランス脂肪酸を極力排除し、オメガ3を含む良い油を積極的に摂ることが非常に有効になります。
(参)病気がイヤなら「油」を変えなさい、「安心な食品」の選び方