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むやみに胃酸抑制剤を使うとさまざまな不調を呼び込みます

胸やけなどの治療に良く使われている「胃酸を抑えるお薬」があります。プロトンポンプ阻害薬とH2ブロッカーです。 「胃がムカムカする」「胸やけがする」などと訴えると、すぐに医療機関で処方されるお薬ですが、循環器の病気予防のための低用量アスピリンが長期投与される際や、NSAIDs(消炎鎮痛剤)による胃潰瘍や胃腸出血予防のためでも長期的に使われるようになっています。
しかし、「薬はリスク」。まれな副作用として報告されているものも含まれますが、以下のように、実に多くの副作用があります。 【胃酸抑制剤によって起こりうる副作用】 ショック、アナフィラキシー、汎血球減少症、無顆粒球症、溶血性貧血、肝障害、皮膚粘膜眼症候群、視力障害、かすみ目、間質性腎炎、低ナトリウム血症、間質性肺炎、横紋筋融解症、錯乱状態、発疹、蕁麻疹、下痢、軟便、便秘、悪心、鼓腸放屁、腹痛、口内炎、頭痛、味覚異常、発熱、低マグネシウム血症、掻痒、口渇、女性化乳房、不眠、眠気、偽膜性大腸炎、QT延長(危険な不整脈の一種)、心房細動、徐脈、意識障害、めまい、顔面浮腫、食欲不振、幻覚、乳房痛、舌炎、胃底腺ポリープ増大など   さて、胃酸抑制剤が胸やけなどで処方される場合、「胃酸過多による逆流性食道炎」と診断されるケースがよくあります。ところが、これらの症状は、実は「胃酸が少ない」ために起こっていることが意外に多いのです。 そのメカニズムは、常日頃から食事でとったときと同じように胃の中の酸度が低いので、体が食事中と勘違いして胃の入り口を緩めてしまいます。その結果、胃酸が食道に上がりやすくなり、胸やけやゲップ、酸っぱいものがこみ上げてくるなど、胃酸過多のときと同様の症状が起こるということなのです。 胃酸は一般的に、40歳以上の人の多くは、胃が萎縮してきます。そして、胃酸の分泌が20代の約半分程度に減り、量が少なめになる傾向があります。60代になると、約半数の人が、さらにその半分程度に胃酸が減るといわれています。 また、ストレスや長期的な病気、過剰なアルコール摂取などでも、胃酸が減りやすくなります。 こうして、もともと胃酸が少ないのに、さらに「胃酸を減らす薬」を飲んでいる人が大勢いるのが現状で、それにより体にさまざまな悪影響が現れるのです。
胃酸は、体内で非常に大事な働きをしています。強い酸によって、食物を消化するだけでなく、口から入ってきたウイルスや細菌などの病原体をブロックしています。 また、タンパク質や脂質を分解する酵素は胃酸によって活性化するので、胃酸が少ないと、タンパク質や脂質がスムーズに分解できなくなって未消化物が増えます。 それだけでなく、未消化物が増えることでアレルギー症状も起こしやすくなります。 多くのミネラルは、タンパク質と結合して体に取り込まれるので、タンパク質が消化できないとミネラル不足を招いて悪循環に陥ります。 ですから、胃酸抑制剤によって胃酸が少なくなるとミネラルやビタミンが不足する結果、骨量の低下や発作性心疾患の増加、精子の質や運動能力の低下、鉄欠乏症等、さらには死亡率の増加をもたらすのです。 胃酸が少ない状態が続くと、栄養が障害されるだけでなく、未消化物が腸に届き、それらが腐敗してガスが発生したり、発ガン物質に変化したりします。当然、腸内細菌のバランスもくずれます。 最近は、胃酸抑制剤によってSIBO(小腸内細菌異常増殖)の発症が増えていることが懸念されています。SIBOは小腸に異常に細菌が増え、小腸の動きが悪く、消化や栄養素の吸収ができずに、栄養不良になることがあります。症状は、おなかが張る、便秘、下痢、お腹の痛みや不快感、逆流性食道炎のような胸やけやゲップ、おなら、食べてもすぐにお腹がいっぱいになる、などです。そして、カビの増殖も多く見られます。   このように安易に胃酸抑制剤の服用を続けると、上記のようにさまざまな不都合な症状を引き起こします。 脳梗塞のリスクが増えたり、胃がん、心筋梗塞やアルツハイマーのリスクも高めたりすることも報告されています。 不要な胃酸抑制剤を使わないように、食事などの生活習慣やストレスなどを見直して、専門家の指示のもと徐々に減らして行きましょう。 当サロンでも、生活指導や食事に関する指導により、胸やけなどの症状緩和や減薬のお手伝いをサポートさせて頂いております。 「薬はリスク」。安易に薬にたよらないよう、日ごろから心がけて行きましょう。   (参)「薬のやめ方」事典、この薬、飲み続けてはいけません!

[薬はリスク]2020.08.27