せっかく体に良い玄米は、必ず毒抜きしてから食べましょう!
玄米食は、理想的な食事の基本になりますが、その炊飯の仕方によっては健康を害してしまいます。
現在、周りの家電量販店では、手軽に玄米を炊けるモードが容易してあります。
そのため、白米と同じような感覚で、軽く水ですすいでからすぐ炊いてしまいます。
命ある種子である玄米には、糠や胚芽にビタミンやミネラル、食物繊維等の栄養素が豊富に含まれています。しかし、炊飯の仕方をきちんと知らないと、玄米に含まれている“毒”も一緒に摂取することになり、健康を害してしまうのです。
その毒とは、酵素を阻害してしまう「アブシジン酸」とミネラルの吸収を妨げる「フィチン酸」です。
まず「アブシジン酸」は、発芽抑制物質とも言われていて、種子が勝手に発芽しないようにする役目を持っている物質の一種です。酵素の働きを阻害してしまうと、特にすい臓がんをはじめ多くのがん、あるいは難病に罹患してしまいます。鶴見隆史医師は「山梨ではブドウを種ごと食べる人が多いようで、すい臓がんが多い」とおっしゃっていました。
また「フィチン酸」は、亜鉛や銅、マンガン、鉄などの重要なミネラルを吸着して排泄させてしまいます。
しかし、これらの毒も実は有益な働きがあることがわかっています。「アブシジン酸」は体内でも作り出されていて、糖代謝や炎症緩和などの働きにより、心臓病や糖尿病に有益なようです。また「フィチン酸」は大腸がんや乳がん、皮膚がんなどへの抗がん作用が注目されています。
いずれにせよこの二つは「炊飯前に17時間以上しっかり水に漬けておく」ことで毒としての働きは心配ないとのことです。
玄米は、体内酵素がスムーズに働くための補酵素であるマグネシウム、亜鉛、ビタミンB群などが豊富ですし、腸内細菌群の生育に有益な食物繊維も豊富です。
ですから、安易な糖質制限よりは、緩やかな糖質制限にもなる玄米をしっかり水に漬けてから炊いて食べて行きましょう。
さらに、おにぎりにして冷ますと、腸内細菌のエサになるレジスタントスターチが増加して、腸の健康が増します。
たっぷりな野菜と玄米おにぎりは、先日参加した杏林予防医学研究所アカデミーのお昼でも頂きました。私たちの細胞環境に配慮して、食事にも気を配って見ましょうね。
(参)超人をつくるアスリート飯、食物養生大全