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人間のエネルギー産生は年齢とともに移行していきます。

私たちの体の細胞の中には進化の過程において融合した2つのエネルギー産生システムがあります。

それは、解糖系とミトコンドリア系です。


解糖系は、地球がまだ二酸化炭素でおおわれていたころに酸素の嫌いな微生物がエネルギーを産生していた方法です。食べ物から栄養素(糖質)を分解するだけの単純なエネルギー変換システムで、体表温度32度ですぐにエネルギーを産生します。瞬発力を産みだし、分解過程で乳酸などが作られるため量は少量で長続きは出来ません。ガンは、酸素が嫌いで解糖系で増殖分裂を繰り返しています。

一方、ミトコンドリア系は、酸素が発生するようになったころ出現したミトコンドリアが細胞内に寄生し、エネルギーを産生しているものです。酸素を取り入れて栄養素(糖質、脂質、タンパク質)から水素を取り出して酸素と結びつけ、水を作る過程で時間をかけて大量のエネルギーを産生します。持久力を産みだし、産生には37度の深部温度と酸素が必要です。

酸素を多く必要とする脳や心臓などの臓器には、ミトコンドリアがたくさん寄生しています。


さて、この二つのエネルギー産生システムは年齢とともに移行していきます。

胎児の頃から成長盛りの15歳ごろまでは解糖系優位の時期です。

赤ちゃんが生まれて肺呼吸を始めると同時に、細胞内でミトコンドリアは増え続けています。成長期を過ぎてからは解糖系は縮小し始めて、ミトコンドリアの多い細胞も分裂が抑制されて成長は止まります。

ミトコンドリアの少ない部位の皮膚、髪、骨髄、腸の上皮、精子だけは解糖系中心です。

20~50代は、解糖系とミトコンドリア系をともに活用でき、若干ミトコンドリア系が優位の調和の時期です。

ストレスを食べることで解消しているような生活は、解糖系優位になり乳酸の量を増やし、処理するミトコンドリア系の負担が増え、活性酸素による老化が進みます。

60代以降は、腹八分目の食事でミトコンドリア系を中心にすると、持続力のある落ち着いた気持ちを保った老いに入れます。

体の成長期では、しっかり食べることで体を作っていくことが大切ですが、成人した後は「ま・ご・わ・や・さ・し・い」などの食事を中心に、時にファスティングしたりして、ミトコンドリアに優しい食習慣にして行きましょう。

 

(参)食物養生大全、家族みんなが病気にならない食べ方事典、ガンと生きる4つの法則

[ブログ/]2021.05.24