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”マグネシウム”をしっかり摂りましょう!

金偏に美しいと書いて、マグネシウムと読みます。それは、美肌にも役立っているからです。

体内の約96%は、炭素、水素、酸素、窒素で構成される炭水化物(糖質)、タンパク質、脂質、ビタミン類などの有機物と水分からできていますが、残りの約4%を構成しているのがミネラル類(無機質)です。ミネラル類の中で体内量の多いものを多量ミネラルといい、99%以上占めています。細胞の機能を維持するナトリウムとカリウム、丈夫な骨や歯を作るカルシウム、マグネシウム、リンがこれに当たります。今回は、その中のマグネシウムのお話しです。

マグネシウム(以降Mgと表記)は、骨の強化で有名なカルシウムのブラザーミネラルとしての働き以上に多彩な働きをする別格のミネラルです。

Mgは体内の325種類以上の酵素を制御していて、そのうちで最も重要な酵素は、エネルギー(ATP)の産生や運搬、貯蔵、利用を行う働きをしています。

Mgは主に体内の組織細胞で機能し、ATPと結合して身体の活力を生むエネルギーの源を作り出しています。

ATPとMgは、遺伝子の活動作用にも参与しているほとんど全ての酵素系でも不可欠の共同因子として働いています。十分な量のMgがなければ、DNA合成が不活性化するといいます。そのほか、細胞の新陳代謝に関するものでは、細胞成長、細胞増殖が、Mgによって制御されています。肌の潤いに役立つヒアルロン酸の産生を促進することも確認されています。

Mgは体内の神経を活動させる電流を統合調整しています。Mgには多数の生理的な役割があって、神経作用の調整、心臓活性、神経伝達、筋肉収縮、血管緊張、血圧、末梢血流などに関与しています。カルシウムの細胞への出入りを制御、調整しているのもMgであり、これが筋肉活動を支配しています。そのため、Mgがなければ、筋肉や神経の機能が危険にさらされ、エネルギーが低下します。そして、筋肉衰弱、骨軟化、不安神経症、心臓発作、不整脈、さらには突然発作、けいれんに至ることもあります。あらゆる体内の動きは電気伝導によって生まれていますが、体内電流の伝導体がカルシウムであり、血液中のカルシウム・チャネルを通って細胞に入りますが、このチャネルはMgが制御しているのです。

カルシウムが過剰に細胞に入ったままになると、心疾患、喘息、頭痛、その他多くの症状が発生します。Mgはいわば、自然が作ったカルシウム・チャネルのブロッカーなのです。(人工的なものは降圧剤として利用されています)

血管を拡張したり、炎症を鎮めたりするのもMgです。Mgで満たされた体は、風邪やインフルエンザなどの感染症と楽に闘うことができる、より強力な免疫システムを持つことになります。

Mgは、天然のスタチンに例えられることがあります。コレステロールは、細胞の生体膜や、ステロイドホルモン、ビタミンD、CoQ10、胆汁の原料などとして、種々の生命活動に不可欠な存在であるため、スタチンによってコレステロールの合成が遮断されると、実に多様な健康問題を招くことにつながります。よく知られている横紋筋融解症の副作用のみならず、時にガンを引き起こすこともあります。スタチンがステロイド合成酵素を標的とし、その代謝プロセスを徹底的に破壊してしまうのとは対照的に、Mgは同じ酵素に作用するものの、より自然に、よりマイルドに働きかけます。体内にMgが十分に存在すれば、コレステロールの合成量は、生命活動に不可欠な機能を満たすためだけにとどまり、過剰になることはありません。

今医療費の上昇で国を挙げて医療費の削減に努力していますが、その中でスタチンは真っ先に中止を検討できる薬剤として挙げられています。安易に継続するのは害が多いので、主治医と相談してみると良いでしょう。

Mgは、最も重要なミネラルであるにも関わらず、最も枯渇しているミネラルでもあります。ストレスや発汗、アルコールの過剰摂取で簡単に排出されます。

我々の体は、未だに、カルシウムは維持できますが、Mgは体内で維持できません。ですから、積極的にMgを取っていきたいものです。

Mgを用いた治療は、細胞や免疫システムの機能を改善し、酸化的損傷から細胞を保護するように作用することによって、全身の栄養不足に対応します。

Mgは、どこに利用しても細胞に新しい生命やエネルギーをもたらし、局所的な薬にもなれば、全身の薬にもなります。Mgが食品、もしくは薬として広く補給、利用されれば、何兆円もの医療費を軽減し、何百万人もの命を救うことができるでしょう。

Mgは特に経皮吸収が良いことが分かっています。入浴剤として評判の「マグネシウムバスソルト」はお勧めです。一日の疲れをとるため、スポーツの疲労の軽減と回復のため、美容健康のために、ぜひご利用ください。塩化Mgを経皮的に使用した場合、自然な方法で徐々にDHEA(デヒドロエピアンドロステロン)が増えることも報告されています。「若返りの泉」とも言われているDHEAによるアンチエイジングとしても、ぜひお勧めです。

食品では、海藻類、穀物、大豆、ゴマなどから摂れます。「まごわやさしい」食事ですね。マグネシウムをこれから意識してみましょう。

 

[ブログ/栄養]2022.07.10