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栄養や心の持ち方が遺伝子発現を変える「エピジェネティクス理論」とは

著名なアメリカの細胞生物学者であるブルース・リプトン氏は、「遺伝子は単なる生物の設計図にすぎず、意識や環境が細胞をコントロールし、遺伝子の振る舞いを変える」と述べています。 この考え方を「エピジェネティクス」と呼び、今までの「人は親から受け継いだ遺伝子に支配される」「生命は遺伝子によって支配されている」という理論に反論を呈したのでした。 この環境が遺伝子の発現を左右するということは、様々な研究により認められましたが、遺伝子自体は生物の設計図として顔かたちから性格・癖までを表現しているのです。 しかし、自然物である人間は、ある意味完全なので、病気は環境が作っているわけです。 特に、生活習慣病の極みとも言える“ガン”については、遺伝子の設計図によって発病したのではありません。 あくまで、体内の環境悪化によりガン化したので、体内環境を整えれば、ガンになることもありませんし、ガンになってしまっても治るのです。 そのことを裏付ける理論が、このエピジェネティクスということなのです。 つまり、正しい食事や心の在り方は自然治癒力を高め、遺伝子の働きを正常化してくれるのです。 このことを裏付ける研究が数多く発表されています。
例えば、「栄養学のアインシュタイン」と称されるT・コリン・キャンベル博士の調査研究では、動物性高タンパク質の食生活が、ガンを増大させることを証明しています。 キャンベル博士は、栄養と遺伝子発現との関係を以下のように述べています。 ・遺伝子はそれ自体、病気を決定するようなことはない。遺伝子は、活性化されるかあるいは発現されることによってのみ働く。そして、良きにつけ悪しきにつけ、どの遺伝子が発現されるのかは「栄養」が決定権を握っている。 ・ある遺伝子を休止状態のままにさせ、他の遺伝子が発現されるように仕向けるものとは、いったい何だろうか。それは「環境」であり、「食習慣」なのだ。 ・適切な環境がなければ、どの遺伝子も発現されないだろう。人間の体内では、栄養は遺伝子の活動を決定する環境因子となる。 ・動物性タンパク質の摂取量を調整するだけで、悪い遺伝子の活動を「ON」にしたり、あるいは「OFF」にしたりできることを突き止めた。 ・私たちは皆、どんな遺伝子を持っているかにかかわらず、正しい遺伝子が発現されるよう、そのチャンスを最大限に高めることが可能なのだ。それには、私たちの体に「最良の環境」、すなわち「最良の栄養」を与えることである。

さらに、村上和雄先生の唱えている「遺伝子のオン・オフ論」では、私たちの設計図である遺伝子は常に100%発現しているのではなく、その時の条件によってオン・オフが切り替わっているとしています。 眠っている良い遺伝子をオンにし、起きている悪い遺伝子をオフにすることができれば、私たちの可能性は飛躍的に発展するのです。 村上先生は、良い食事以外に、笑いやプラス思考を挙げていて、それらの効果も証明しています。 実際、吉本興業の協力のもとにユニークな実験を行ったり、高齢や病気にもめげずエベレスト登山に挑む三浦雄一郎氏などの例を挙げたりしています。 これをガン治療に当てはめれば、患者さんが病気の進行に不安ばかりを感じているとき、スイッチオンになっているのは悪い遺伝子です。一方で、「治りたい」という願いや「必ず治る」という強い思いを抱いているときにスイッチオンになっているのは良い遺伝子です。悪い遺伝子をオフにし、眠っている良い遺伝子をオンにすれば、治療の可能性が高くなるのです。 このような理論は、ガンを治癒に導くイメージ療法で有名な「サイモントン療法」や精神神経免疫学(PNI)とも共通していて応用されているのです。 運命だから諦めるのではなく、希望・夢を持って生きて行こうではありませんか。

  (参)遺伝子群の働きを正常化すれば、がんは治せる、おしゃべりながんの図鑑

[栄養]2020.01.31