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「薬に頼らず子どもの多動・学習障害をなくす方法」藤川徳美著

分子栄養学を実践する、ふじかわ心療内科クリニック院長の藤川徳美医師が、お子さん達の心の問題や多動・学習障害を栄養の面からアプローチすることで改善されている方法を、分かりやすくご紹介されているご著書です。
現代の西洋医学による精神疾患や多動・学習障害においては、薬の処方での対処が多いのですが、特に子供の場合においては、本来栄養の問題が根底にあることが多いのです。 ですから、まずはお子さんの食生活をお母さんから聞き出し、母子一緒に血液検査をすることで問題も把握していきます。 その中で、共通して不足している栄養が「タンパク質」と「鉄」にあるということでした。 タンパク質は、BUN(尿素窒素)の値で判断します。 BUN値の基準値は8~20mg/dlですが、体の構成成分であるタンパク質を体が必要とする十分な量を目指したいので、20mg/dlを目標値にしています。 それ以下であれば、低ければ低いほど、タンパク質が足りていないと判断します。 一方、鉄はヘモグロビン値だけで判断せず、本当に鉄が不足していないかどうかを知るために「フェリチン値」を測定します。 フェリチン値の日本女性の基準値は5~157ng/g(男性は21~282ng/g)としていますが、体が必要とする十分な量の状態を目指したいので100ng/gを目標値にしています。 ちなみに、鉄の重要性に気付いている欧米では、フェリチン値が100を下回った時点で鉄不足と見なされ、40に満たない場合は、医師から妊娠を控えるよう指導されます。 特に、現代の食生活では糖質過剰で、カロリーは取っていても、それを代謝するのに必要なタンパク質やビタミン、ミネラル等が不足している、いわゆる「質的栄養失調」です。 このように、血液検査を分子栄養学的に判断して実践する中で、多くの現代日本の子供たちに「十分量の鉄・タンパク質」と「糖質制限」により質的栄養失調は改善し、問題行動も解決されるのです。 本著では、後半マンガによる分かりやすい症例を豊富に載せてあります。 学習障害、軽度精神発達遅滞、ADHD(注意欠陥・多動性障害)、アスペルガー障害、起立性調節障害(OD)、アレルギー疾患などさまざまな問題を治す方法です。 栄養が満たされると、半年ほどで脳のインフラ(神経線維の構築等)が整い、神経伝達物質の情報交換がスムーズに行われるようになります。知能指数(IQ)も改善されます。 子ども達の心と体の問題は、発育し、行動するための栄養が足りていないだけです。 今日から、親御さんも一緒に、今すぐ足してあげて下さい。それが大切です、と述べています。 ●藤川徳美医師の他の著書 「薬に頼らずうつを治す方法」「うつ・パニックは「鉄」不足が原因だった」「うつ消しごはん」

[ライブラリー]2020.02.29