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腎臓さんが寿命を決めている⁉

人体のさまざまな臓器が互いに連携を取り合って、体内環境のバランスを維持しています。

その中で、腎臓は特に、体内の老廃物をおしっことして出すことで、体内環境をきれいにしていることは知られていますが、さらに、どうやら寿命までも決定していることが分かってきました。

おさらいですが、腎臓は飲食によってさまざまなミネラル成分が入ってきますが、いつも通りに命をキープしていくために、体内の塩分、カリウム、リンなどの成分の量を常に一定範囲内に保っています。不必要な余分なものは尿とともに体外に排泄し、必要なものは体に戻して、常に過不足ないようにコントロールをしているのです。

この働きは、腎臓のネフロンというところで血液をろ過して、1日にドラム缶1本分、およそ180ℓの原尿を作り、そこから必要なものとそうでないものを仕分けておよそ1.8ℓの尿として排泄しているのです。

さて、動物にはだいたい決まった寿命があります。ネズミはおよそ3年、ウサギはおよそ10年、ヒツジはおよそ20年、ゾウはおよそ70年・・・。いったいこうした寿命は何によって決まっているのでしょうか。この疑問に対してよく取り上げられているのが「体の小さな動物の寿命は短く、体の大きな動物の寿命は長い」という説です。ところが、よく調べてみるとこの説に当てはまらない動物が多くいます。体の小さなハダカデバネズミはおよそ28年、コウモリはおよそ30年など。そして、私たち人間は体のサイズの割にとんでもなく長生きする動物の代表です。日本人の平均寿命は、女性が87.5歳、男性が81歳で、ゾウより長生きです。どうしてでしょうか。

実は、生体内の「リン(P)」が動物の寿命の長さに関係していることが分かったのです。

「血液中のリン濃度」の高い順番に、寿命の短い順番通りに動物が並んだのです。先程の動物でしたら、血液中のリン濃度が高い動物から低い動物へと並べると「ネズミ3年→ウサギ10年→ヒツジ20年→ハダカデバネズミ28年→コウモリ30年→ゾウ70年→ヒト・・・」という順です。

つまり、血液中のリンが少ない動物ほど寿命が長いということなのです。

医学研究では、老化が加速したマウスを調べたところ、「クロトー遺伝子」と名づけられた遺伝子が欠損していることが分りました。名前の由来は、ギリシャ神話に出てくる「生命の糸」を紡ぐ女神の名前からです。このクロトー遺伝子は、体内の余分なリンを腎臓から尿中に排泄するのに必要な遺伝子です。そして「血液中のリンこそ老化加速物質」ということが解明されて来ています。

リンは骨やエネルギー通貨であるATPにあり、人体に必須の物質ですが、摂り過ぎると腎臓の機能を低下させたり血管のトラブルや慢性炎症を引き起こしたりして、老化を加速させる大きな原因となっていくのです。一方、普段からリンの摂り過ぎを抑えていけば、腎臓を健やかにして、老化や病気を未然に防いでいくことが出来ます。

血液中のリン濃度が正常範囲内の人およそ4,000人を対象とした疫学調査研究では「血中リン濃度が高い人は、低い人に比べて7割も死亡率が高くなる」という結果が報告されています。

添加物には多くのリンが含まれています。インスタント食品、ファーストフードなどのお手軽な食品ほどリンが多く含まれています。これらの食品をメインにすると、さまざまなトラブルを生じて健康を害していきます。ぜひ、自分の体を大切にして、今食べているものが体内環境を汚すものかどうかを考えて食材を選んでいきましょう。

また、3月末からグループファスティングを行います。ご興味があればご連絡下さいね。

 

(参)腎臓が寿命を決める

[ブログ/健康法]2022.03.20