スタッフ公式ブログ

2023年10月

正しさよりも明るさ

世の中で起きている争いを見てみると、「お前が悪い」とお互いに譲らずに争いになっています。そこには、「自分が正しい」という思いがあるからです。

お互い「自分が正しい」「お前は良くない」と正しさを主張してぶつかり合っているのです。

これは、今も続いているウクライナとロシアの関係やパレスチナとイスラエルの関係にも言えるのかも知れません。

どちらの主張が正しいのだろうかと、深く考えてしまうと、明らかにこちらの方が真っ当だということもあります。

しかし、そこではお互い相手を憎しみ合うことしかありません。

先日、学びました。「正論」の反対は「正論」だと。

ついつい私も、コロナ禍はDSの企てだと知り「ワクチンは危険だ」と、正論を主張し続けてしまっていました。

しかし、すでに打ってしまった人やそれによる副反応に苦しむ多くの方にはどう思われるのでしょう。そこには、明るさはありません。

実は、「せい論」には大きく4つあります。

縦軸の上部に「明るさ」と下部に「暗さ」、横軸の左側に「意識」と右側に「無意識」の十字を書いて4区分すると、まず、「自分は正しい」という正論。これは、明るくはありません。右下の「暗さ」と「無意識」の領域の「せい論」です。自分が正しい事ばかりを主張するだけです。無意識に思っているので、相手を攻撃していることに気づきもしません。お互いぶつかり合うだけです。

次は、征服するの「征論」で、意識して相手に「征論」をぶつけて行きます。左下の「暗い」部位です。ただ、意識しているので、時に反省も出来ます。

次は、誠の「誠論」です。朗らかな明るさを伴う意見です。左上になります。相手を思いやる気持ちで意見をいうことになります。相手も攻撃されている気持ちが無くなり、明るくなります。人に意見を言うには、このような気持ちで伝えられれば良いですね。「何で理解してくれないんだ」と不快になることなく、むしろ、「まだまだ理解しにくいんだね。もっと、分かりやすく伝えてあげよう。気づいてくれれば嬉しいな」「笑顔になって欲しいな」というような感じでしょう。

そして、最後は聖人の「聖論」です。これは、もう笑うしかない。アホの境地だそうです。ここには達することが難しいので説明は出来ません。右上に位置し、本人も周りも笑顔で居るだけです。

このように分類してみると、自分の意見がどの部位に位置しているか分かって、反省も出来ますね。私も、このことを反省して、相手を明るくする伝え方を工夫していこうと思います。

言霊と言って、言葉には波動があり、発した本人と聞いている周りに影響を与えます。ですから、常に明るくする言葉を発して行きましょう。思いやりを持った言い方にしましょう。

「病は気から」とも言います。明るく笑顔で過ごすことは、病を遠ざけます。「笑う門には福来る」とも言いますが、常に明るく朗らかに過ごして行きましょう。

[ブログ]2023.10.29

アメリカのがん抑制効果のある食品「デザイナーフーズ」

デザイナーフーズ計画は、1990年代に米国国立がん研究所(NCI)で「果物、野菜などに含まれるがん予防に有効な天然の化学物質で強化された食品を作る」ことを目的として2000万ドルの予算規模で発足されたプロジェクトです。実はこの前、1970年代後半に、上院議員だったマクガバン氏が連邦政府及び議会に提出した一連のレポートを総称したもので、その中で「食習慣を変えない限り、肥満人口が増え、多くの国民ががんになる。その結果、国民医療費の増大により国家は破産する」と警告されていました。

その中に、果物や野菜を積極的に食べることが必要であると報告されていて、それを受けての計画になるのです。

計画では、過去10年間の疫学調査の中でがんの予防効果を示唆する研究報告がある約40種類の食品を集約したもので、より有効だと認められるものから順に上からピラミッド型に配置しました。

この上位の野菜は、ニンニク、キャベツ、大豆、ショウガ、セロリ、人参などで一般になじみの深い食品がほとんどです。

これらの食品には、がんを抑える驚くべき働きが次から次へと報告されました。

例としてニンニクを上げれば、この中に生じる抗がん成分は複数存在しています。特にジアリルトリスルフィド(DATS)は、すりつぶしたり短時間加熱処理により生じる成分で、次のような報告があります。

動物レベルで、移植した低分化型前立腺がんを濃度依存的に増殖を抑制した。皮膚がん細胞の細胞周期を停止させ、アポトーシスを誘導する。肝臓の代謝酵素の活性を調整して、発がんの抑制をサポートする、などです。

その他、キャベツ、大豆、ショウガ、セロリ、人参なども複数の作用機序によりがんの抑制が報告されています。

これだけ熱心に野菜のがん抑制効果の研究がなされるのは、がんの発病や死亡率の増加に歯止めをかけたいと真剣に考えていたからです。

同時に、1988年、数千ページにも及ぶ「がんの病因学」という報告書で「抗がん剤は増がん剤である」と発表されていました。また、1990年には「自然療法の方が通常の抗がん剤、放射線治療、手術よりも治癒効果が高い」と報告され、さらに「患者には代替療法を含めて効果的な医療を受ける権利があり、医師は効果的な治療法を提示する義務がある」(アクセル法)とされました。

これらにより、アメリカでは野菜の摂取量は増加して、がんの死亡率は低下し続けたのです。

一方、日本では真逆で、野菜の摂取量も低下していて、先進諸国の中では日本だけががんの死亡率が増加しているのです。

まず野菜をしっかり摂り、生活習慣の改善を優先にしましょう。

[がん/]2023.10.26

やるべきでないピロリ菌除菌

ピロリ菌は、強い胃酸の中で生息する菌で、尿素を分解してアンモニアを産生し、胃粘膜を傷つけ炎症を起こし、次第に胃粘膜を萎縮させていくとされています。そして、年月をかけて胃がんを発生しやすくすると言われています。

99%の胃がんが、ピロリ菌によるものだとも言われています。そのため、ピロリ菌の存在が確認できれば、除菌すれば胃がんを防げると過激な治療に走ることになっています。

なぜ、過激な治療かと言いますと、2種類の常用量以上の抗生物質と、胃酸を抑える薬、計3剤を1週間服用する標準治療に問題があるからです。

ピロリ菌の除菌に成功するのは、7~8割程度ですが、除菌治療をすると薬の副作用がいろいろと生じるからです。

特に問題なのが、抗生剤の使用で腸内の善玉菌が死滅させられてしまうために生じる「下痢症」です。高齢者では、菌交替現象によって「デフィシル菌」がはびこると、粘膜が傷つく「偽膜性腸炎」になり、頑固な下痢を引き起こして命を落とすことがあります。

また、胃酸を止めるために、胃液の殺菌効果が消失し、胃や小腸の中でいろいろな細菌が繁殖し、それが体の中を巡って肺炎を起こすこともあります。

長期的に問題になるのは「逆流性食道炎」(胸やけ)です。

さらに、がんサポートのカギであるミトコンドリアの機能低下も起こしてしまいます

このように、過激な除菌治療による副作用でいろいろな問題が出て来るわけですが、果たして「胃がん」の予防効果はどうでしょう。

各国で行われた比較試験がありますが、確かに胃がんの発生は減少しています。しかし、発生してきた胃がんは「早期胃がん」で、そのほとんどは欧米であれば「良性病変」とされるような病変でした。また、除菌群の方で食道がんが増加していました。副作用死とも言えるでしょう。

世界最高の医学雑誌である「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン」に掲載された論文では、胃がんの死亡数は減少しましたが、総死亡数は増加していました。

つまり「ピロリ菌除菌は死亡者を増加させるための過激な行為」になります。治療になっていないのです。

さらに、被害は続きます。とりあえず除菌に成功しても「ピロリ菌除菌をしても胃がんが生じることがあり、半年に1度内視鏡検査を受けて下さい」と言われてしまうのです。なんのことはない、ピロリ菌除菌をきっかけに、医者の定期収入源にされてしまうわけです。

日本人にはピロリ菌陽性者がとても多く、人口の過半数を占めていた時代から胃がん死亡数は一貫して減少して来ているので、ピロリ菌犯人説にも疑問はあります。

ピロリ菌がいるから100%胃がんになるわけではないのです。

むしろ、食事内容やメリハリつけた食事のとり方に気をつけることの方が、はるかに胃の健康に良いと思っています。まして、除菌と称して死亡数を増やし、過大な副作用をもたらす行為をする必要はありません。エビデンスに基づく医療を行っている人道的な医師なら、決してピロリ菌の検査や除菌をしようとはしないでしょう。

まずは、被害者にならないためにもピロリ菌の検査はやめましょう。

 

(参)やってはいけない健診事典

スリランカの悪魔祓い

セイロン紅茶でも有名なインドの南端沖に位置するスリランカでは、悪魔祓いの儀式が行われています。

スリランカでは、病気は悪魔が入り込んだもの、ということになっているそうです。そして、悪魔が入り込むのは「孤独だから」と考えられています。

悪魔祓いの儀式とは、すなわち「孤独」の追放のための儀式ということです。

「儀式」では、村人総出で“病人”を囲み、数時間に渡って歌を歌ったり踊ったりするのです。

それが終わると、「さあ、そろそろ我々の仲間に戻ってらっしゃい」ということで、病人は仲間の輪に加わります。

すると、「これで君はもう孤独ではない。多くの仲間がいる。見守っている」ということになり、病気はなくなるのです。病人は「孤独」から救われ、ひいては「悪魔」からも救われるわけです。

病気は、陰で暗い、ネガティブであり、お祭りは陽で明るい、ポジティブなパワースポットのような場になります。

歌ったり踊ったりする明るく楽しい場で、人と関わることは、気を病む隙はありません。天岩戸(あまのいわと)神話にもあるように、嘆き悲しんで天岩戸に隠れたアマテラスを引き出すのに、八百万(やおよろず)の神々が楽しく踊って連れ戻した話もあります。

人は一人では生きていけません。友人や社会の人との関りで、生き生かされているのです。何でも良いので、人とのつながりを持ちましょう。私は、倫理法人会の朝のモーニングセミナーがパワースポットだと思っています。朝から多くの人と明るくあいさつを交わし、学びと同時にエネルギーを頂けます。何でも良いのです。散歩時でのすれ違う人へのあいさつでも、買い物の時のレジの方へ明るくあいさつやお礼をするのでも構いません。

孤独に陥り自殺や孤独死が増加している現代日本人に、社会や人とのつながりは益々重要性を増しています。生きることの本質や医療の原点がそこにはあります。

いつも、明るく元気に、喜んで過ごしましょう。

がんの原因になる食品添加物を避けましょう!

増え続けるがんの主な原因は“食”にあります。

その食も、食事そのものの影響もありますが、食品に添加されている食品添加物の害も知っておくことが大切です。現在、コンビニやスーパーで売られている商品のほとんどに添加物が使われていて、お弁当にも、20種類も30種類も添加物が使われています。今回は、がんの原因になる食品添加物をいくつかご紹介します。

 

  • 発色剤・亜硝酸ナトリウム

明太子やハムなどを色鮮やかに見せるために使われているもので、アミンと反応してニトロソアミンという強い発がん性物質に変化します。

  • カラメル色素(Ⅲ、Ⅳ)

ソース、清涼飲料水、炭酸飲料などの飲み物、菓子類、ラーメン、スープ、しょうゆなどの多くの食品に褐色をつけるために使われています。人間の遺伝子に入り込んで構造を変えるためです。

  • 人工甘味料(合成甘味料)

アスパルテームは、脳腫瘍との関係が取りざたされており、さらに白血病を引き起こす可能性があるとの指摘があります。スクラロースは、農薬のDDTやBHC、またPCB、ダイオキシンなどの有機塩素化合物の一種で、体内で代謝されません。アセスルファムKも体内で代謝されず、肝臓にダメージを与え、免疫を低下させる可能性があるとのことです。また、発がん性があるという理由で、いったん使用が禁止されたことがあるサッカリンナトリウムは、ショウガの漬物や歯磨き剤に使われていることがあるので注意です。

  • パン生地改良剤・臭素酸カリウム

WHOのIARC(国際がん研究機関)は、臭素酸カリウムを「人に対して発がん性を示す可能性がかなり高い」と発がん性物質に指定しています。

  • 合成着色料・タール色素

紅ショウガや福神漬け、菓子パン、清涼飲料など多くの食品に使われていて、化粧品などにも使われています。この色素は、いつまでたっても分解されず、色落ちせず、その化学構造から、発がん性や催奇形性の疑いがあります。

  • 防カビ剤のOPPとTBZ

輸入されたレモンやオレンジ、グレープフルーツなどの防カビ剤のOPP(オルトフェニルフェノール)やTBZ(チアベンダゾール)は発がん性や催奇形性が認められています。果肉からも検出されるので注意です。

  • 合成保存料・安息香酸ナトリウム

栄養ドリンクなどに使われていて、栄養成分が腐敗するのを防ぎます。安息香酸ナトリウムは、ビタミンCと反応して、人間に白血病を起こすことが明らかになっているベンゼンに変化します。

 

添加物を気にしていたら何も食べられないような社会になっていますが、不自然な食品からは遠ざかり、上記の食品添加物に気をつけて過ごしましょう。コンビニのアップルパイよりは、今旬のリンゴや柿など自然なものをしっかり摂りましょう。

 

(参)体を壊す10大食品添加物

[がん/]2023.10.14

野菜のある成分は、老化細胞を取り除いてがんに効果をもたらします!

野菜にはさまざまな抗酸化物質を豊富に含んでいて、多くの健康効果が確認されています。

その中で、今回玉ねぎやブロッコリー、サニーレタス、モロヘイヤ、緑茶、リンゴなどから摂取することのできるケルセチンの健康効果をご紹介します。

このケルセチンは、上記に様にさまざまな食品に含まれる主要なフラボノイドです。ポリフェノール類の中の大きなグループであるフラボノイドは、植物界に5,000種類以上も存在していて、抗酸化作用や抗炎症作用、そしてがんに対しても有用な生理機能を持つことが分かっています。

抗酸化作用に関しても、活性酸素による酸化ストレスが関与するがん、動脈硬化、糖尿病などの生活習慣病の予防に重要な役割を果たしています。

また、老化細胞の除去作用も認められていて、研究では、抗がん剤のダサチニブとの併用よりも単独で高い結果が出ました。このケルセチンが老化細胞を除去させる機序は、アポトーシスを邪魔する酵素を阻害することと、アポトーシスを促すことです。

また、肺腺がんの動物実験では、分子標的薬のブリガチニブと同等の効果を示し、アポトーシスを促進すると同時に、がんの増殖や腫瘍形成を抑制するというもので、高価で猛毒なブリガチニブを進める意味は無いことが逆に分かります。

さらに、ケルセチンはがん細胞の浸潤・転移を抑えることも分かっています。

よって、玉ねぎやブロッコリーなどを煮込んだ野菜スープは、がんに対してとんでもない働きをすることになります。

”抗がん剤を、専門家が“効く”といっているので、この野菜スープは、“がんに効く”スープとして専門家は自信を持って勧めるものになります。ですから、がんになった医師の多くは、自ら抗がん剤を使わずに、野菜スープをしっかりとっています。

ケルセチンのたっぷりな野菜スープは、安心・安全・無害・安価の本物です。がんの予防・治療にぜひ、しっかり飲んで行きましょう。

[がん/栄養/]2023.10.11

ピンクリボン運動は正しく運動しましょう!

10月になり急に涼しくなりました。

さて、10月は乳がんの啓発ピンクリボン月間とのことですが、このピンクリボン運動は、1980年代、アメリカの乳がんで亡くなられた患者さん家族が「このような悲劇が繰り返されないように」との願いを込めて作ったリボンからスタートした乳がんの啓蒙運動です。

ところが、この切なる願いとは裏腹に、今行われている啓蒙運動は、早期発見・早期治療という表向きごもっともですが、本心は医療ビジネス化しています。

というのも、早期発見で行われる「マンモ検診」では、乳がん発見数は増えるのですが、乳がん死亡を減らすことは出来ないのです。つまり、しっかりしたエビデンスのもと「無効」なのです。

そして、早期治療で早くから乳房を摘出することにもなります。

また、乳がんのタイプの中には、数パーセントほど遺伝的に乳がんになりやすい体質を受けついている場合があります。乳がんと関連がある遺伝子は数多くありますが、主なBRCA遺伝子は二本鎖切断された大きなDNAの傷を修復して、細胞ががん化することを抑える働きがあります。この遺伝子に病的な変異があり、働きが失われていると正常な修復が妨げられ、乳がんや卵巣がんになりやすくなると考えられているわけです。

DNAに二本鎖切断を引き起こす主なものは、X線やγ線などの電離放射線です。

このような遺伝子の修復に関わる遺伝子が働きにくくなっている人に、早期発見と称して毎年のようにレントゲン検査やマンモ検診をするとどうなるでしょうか。これらの検査・検診こそX線被曝であり、放射線被曝です。

ただでさえ、BRCA遺伝子に変異を持たない場合であっても、検査時に浴びるX線によって、発がん率が何倍にも高まることが多く報告されています。

また、超音波検査でもがんを早く見つけて手術することのメリットを示すエビデンスは全くありません。

いずれにせよ、乳がんに対して早期発見・早期治療は有害無益です。エビデンスを無視して医療ビジネスにまい進しているだけの恐ろしい運動です。

ですから、ピンクリボン運動のきっかけになった、乳がんで亡くなられた患者さん家族が「このような悲劇が繰り返されないように」という純粋な願いに共感して祈ることや、栄養や食事のとり方の啓蒙が正しい運動のように思います。

 

(参)やってはいけない健診事典

エビデンスにより、米国ではPSA検診を推奨していません!

PSA検診は、前立腺の正常細胞で作られるタンパク質であるPSA(前立腺特異抗原)ががん化することで血中値が上昇することがあり、腫瘍マーカーとしてがん発見のためのツールとしているものです。

このPSA検診が普及し始めた2000年代頃から、前立腺がんがたくさん見つかるようになりました。1996年の罹患者数が14,077人から2019年には94,748人と7倍近く膨れ上がっています。

その一方で、前立腺がんによる死亡者数は、1995年の5399人から2020年に12759人と2倍程度です。

通常、がんになった人は一定の割合で亡くなります。前立腺がん検診が普及していなかった頃は、何らかの症状があって前立腺がんが見つかった人の半数ほどが死亡していました。

ところが現在、前立腺がんで死亡する人は、前立腺がんと診断された人の7分の1以下しかいません。いくら治療成績が向上したといっても、常識的には考えられないほどのギャップです。

つまり、このような異様な状況が生まれたのは、PSA検査が普及したからです。

これによって、これまで見つかっていなかった前立腺がんがたくさん見つかるようになったため、前立腺がんが増えたのです。

前立腺がんには、生きている間には見つからなかったけれど、死亡後に解剖してみて、初めて見つかるがん、つまり“ラテントがん(潜在的ながん)”が2割ほど見つかるといわれています。前立腺がんは、それがあったとしても生涯気づかずに、別の病気で亡くなる人が多い病気なのです。

それは、前立腺がんは進行がとてもゆっくりな、いわゆる「のんびりがん」が多いからです。こうしたがんは、見つける必要はないのですが、PSA検診はラテントがんをわざわざ見つけてしまう、いわば「寝た子を起こす」ようなことをしているのです。

事実、米国で行われた臨床試験では、非検診群に比べてPSA検診群で前立腺がんの死亡率が減少する効果は確認されませんでした。

ただ、EUでの臨床試験では、確かにPSA検診群での前立腺がんの死亡率が下がっていましたが、データをよく見ると、前立腺がんの死亡者を1人減らすのに、1410人がPSA検診を受ける必要があるという結果でした。一方で、「異常あり」と診断されて、針を刺される生検を受ける人が339人、そして前立腺がんの治療を受けた人が48人もいたのです。48人治療して、1人しか死亡を減らせず、残りの47人の中には、体を痛めつけられて命を縮めてしまった人もいたはずです。

また、PSA検診が普及しなかった英国での前立腺がんの発見率はわずかしか上昇しませんが、PSA検診が盛んだった米国では、前立腺がんは多数発見されたにもかかわらず、前立腺がんによる死亡率やその推移は、英国のそれとぴったり重なりました。

これは、早期発見・早期治療の理論によればあり得ない事態です。

以上のような結果などを受けて、米国予防医学専門委員会は2012年に「年齢に関わらず、前立腺がん検診を実施しないことを推奨する」という勧告を出しています。デメリットが非常に大きいからこそ、PSA検診を推奨しないという結論を出したのです。

また、日本でも、国立がん研究センターを中心とする厚労省の研究班が作成したガイドラインで、前立腺がんのPSA検診については推奨しないとする「グレードⅠ」に格付けをしています。

つまり、PSA検診は死亡率を下げる効果が明確でなく、過剰診断の不利益があるので、お勧めは出来ないとの国の公式見解なのです。

ですから、エビデンスにより必要性を推奨されていないPSA検診はやらないようにしましょう。

 

(参)やってはいけない健診事典、がん検診を信じるな

ミトコンドリアが起こすアポトーシスはがん治療のカギです!

私たち人間を含む高等動物は、酸素を使わず糖質を分解していく解糖系と、もう一つ、大量にATPを作り出すクエン酸回路、電子伝達系を有するミトコンドリア系のシステムです。

しかし、現在の人間の活動量を担保し、素早い動作が出来るのはミトコンドリアのおかげです。

ミトコンドリアは、太古に共生関係が成り立った異種生物であり、人間の遺伝子とは別個の遺伝子を持っています。このミトコンドリアは、一つの細胞内に数百から数千個存在し、占める体積は細胞のおよそ20%、体重の約1割にもなります。

ほとんど全ての細胞内に存在し、エネルギーを多く必要とする心筋、肝臓、筋肉、神経の細胞内に多く存在しています。

ミトコンドリアの一番の大きな働きは、エネルギーを生み出すことで、酸素呼吸によって、エネルギー通貨であるATPを産生します。

また別の働きは、小胞体との連携によるオートファジーの実行です。オートファジーとは、細胞内の余計なものを細胞自体が取り除き、さらに処理したタンパク質の材料を回収、リサイクルするシステムです。

そして、3つ目の働きが、アポトーシスの制御です。アポトーシスとは、活性酸素などでDNAが傷つき、修理が追いつかないとき、自殺して悪影響を残さないようにするメカニズムです。

このアポトーシスの制御の可否が、がん治療のカギになっています。

体内環境の悪化などにより、ミトコンドリアの働きが悪くなると、細胞は自らプログラムを変更して遺伝子改変を模索して細胞を変化させていきます。それが、がん細胞です。

一方、ミトコンドリアが正常であれば、がん化を防ぎます。

実験では、核を抜き出した正常細胞とがん細胞を細胞融合させると、がん細胞は腫瘍組織を作る能力が無くなることが報告されています。

すなわち、がん細胞に移入された正常細胞のミトコンドリアが、がん細胞の悪性の性質(腫瘍組織を作る能力)を抑制することができるということです。また、細胞の核の遺伝子変異はがん化の原因でなく、結果ということです。

ちなみに、今から90年以上も前に、オットー・ワールブルグ博士はミトコンドリア発がん説を提唱しています。

このように、ミトコンドリアを増やし、元気にさせると(酸化的リン酸化の亢進)、がん細胞の増殖能や浸潤能は低下し、がんの進展が阻止されることが明らかになっています。

つまり、ミトコンドリアは私たちの命を握っているのです。

プラズマ療法では、抗がん剤や放射線を使ってがん細胞を叩くのと違って、直接、弱ったミトコンドリアを元気にして、がんのアポトーシスを促して行きます。ミトコンドリアを元気にして、シトクロムCの放出を促しアポトーシスを発動させます。

体内環境の改善、ミトコンドリアの若返りにぜひ、プラズマ療法をお試しください。