スタッフ公式ブログ

食欲の秋、メタボに気をつけましょう!

暑い夏がまだ続いていますが、朝の空気は秋らしくなって来ました。

暑いと、どうしても胃腸の働きも低下して、食欲も落ちてしまいます。ですが、少し暑さが和らぎ、秋になると胃腸も元気になります。

自然は本当にうまく出来ていて、食欲の戻るこの季節に秋の豊饒の実りが待っています。

さまざまな果物や穀物が食卓を飾ります。

フルモニをしている私の朝食は、八十八歳の父が作るシャインマスカットや時期のリンゴやナシなどです。

ところが、普段食にこれらを追加して食べ過ぎると問題が起こります。

地元の内科では、糖尿病の数値が軒並み上昇しています。

フルーツは、朝食の代わりか、普段食のカロリーを考えた上で追加する程度が理想です。

それは、果糖の問題があるからです。

果糖は、あらゆる臓器で代謝されるブドウ糖とは違い、ほぼ肝臓でしか代謝されず、しかも、糖化であるメイラード反応をブドウ糖より7倍速く発生させてしまいます。

つまり、果糖は体中の細胞をより速く老いらせ、老化現象、がん、認知機能の低下など、さまざまな退行変性プロセスを引き起こしかねません。

そして、果糖がメタボリック症候群の主要原因になっていることを示唆する研究がたくさんあります。

メタボリック症候群は、インスリン抵抗性を引き起こし、代謝機能を妨げます。中性脂肪を増加させたり、血圧を上げたり、心臓発作や脳卒中のリスクを高めます。さらに、不妊症、糖尿病、がん、認知症のリスクも高めるのです。

ちなみに、果糖以外ではトランス脂肪酸やアルコールがメタボのリスクを高めます。

そして、果糖は現在“異性化糖”が問題を大きくしています。

この異性化糖とは、主にトウモロコシから作られる高フルクトース・コーンシロップのことで、含まれる果糖が50%未満のものは「ブドウ糖果糖液糖」、50%以上90%未満のものは「果糖ブドウ糖液糖」、90%以上のものは「高果糖液糖」と呼ばれているものです。

清涼飲料水以外にも、さまざまな食品に使われていて、現代人は口にしない日はないくらい浸透しています。生活習慣病の元凶の一つだと認識しています。

ですから、食品を購入するときには、裏側の表示を見る癖をつけて下さい。

ただ、フルーツの果糖は自然のビタミンやミネラル、酵素が豊富で、代謝への負担をこれらがサポートするので、質的には良いものです。柿やリンゴは医者を遠ざけるとも言われています。摂るタイミングと量を考えて、フルーツはおいしく楽しみましょう。

 

(参)果糖中毒、女性のためのナチュラル・ハイジーン

 

[栄養/]2022.09.14

お腹のカビを増やさないで!

今回は、葉子クリニック院長の内山葉子先生の「おなかのカビが病気の原因だった」より、お腹のカビが知らずに様々なトラブルを引き起こしていて、そのヒントと対処法を簡単にご紹介します。

 

お腹、つまり、腸の中には腸内細菌が数百兆ほど共生していますが、その中には真菌、いわゆるカビも生息しています。

健康な成人では、そのカビの多くがカンジダ類で、腸内に常在する微生物の1%程度存在しています。健康な時には、それによって症状が起こることはありませんが、何らかの原因で細菌とのバランスがくずれて異常に増殖することがあります。

すると、腸内で炎症を起こして、さまざまな有害物質を発生させたり、免疫のトラブルを起こしたり、低血糖を起こしたりして体調に悪影響を及ぼします。腸の守りを弱くして、リーキーガッド(漏れる腸)症候群を招いて、病原体や毒物が血中、体内に入ることで、さまざまな不調や病気を引き起こしているのです。

「食後、異常にお腹が張る、ガスがたまる」「食べて食べてもおなかがすく」「すぐ甘いものが欲しくなる」「食後異常な眠気が起こる」「頭がボーッとして集中できない」「酔ったようにフワフワする」など。さらに、便秘・下痢、腹痛、慢性的な皮膚のトラブル、頭痛、長引く咳、慢性的な鼻づまり、神経痛、しびれ、マヒ、関節痛、記憶力の低下、倦怠感、抑うつ、肛門や陰部のかゆみ、生理前の不調など、これらの原因は、あなたの「お腹のカビ」かもしれないのです。

そして、上記のような症状があり、次のような事がある場合には、お腹のカビの増殖度合いが大きいと考えられます。

□これまで抗生物質を何度も服用してきた

□発酵食品や砂糖を多く含む食品をたくさん食べてきた

□スイーツやパン、アルコール飲料が大好き、もしくは、とると体調が悪くなる

□低血糖症状(発汗、手足のふるえ、動悸、不安感、脱力感など)の起こることがある

□湿気の多い場所やカビの生えている場所に行くと、調子が悪くなる

□化学物質過敏症がある

 

カビは全身で多彩な症状を起こしているのですが、なかなかカビが原因とは気付きません。

そして、お腹のカビが増える原因は、抗生物質、ステロイド薬、ホルモン剤、遺伝子組み換え(GMO)食品、甘いもの、カビの生じやすい食品、住環境のカビ等になります。このように、現代の日本には、カビを増やす原因が蔓延しています。

ですから、上記のようなことでお腹のカビを疑ったら、次のようなことでお腹のカビを増やさない・減らすことをしてみましょう。

・甘いものをひかえる

・炭水化物を減らす

・小麦、乳製品をひかえる

・遺伝子組み換え(GMO)食品や添加物を避ける

・質の良いタンパク質や新鮮な無農薬の野菜をとる

・ローテーションを考えて食べる

・カビの生じやすい食品(穀物、コーヒー、ナッツ類、アルコール、チーズ、バナナなど)を避ける

 

最期に、積極的な対策として、食品やハーブのなかに、天然の抗真菌作用を示すものがあるので、以下のものを活用してみましょう。

・ニンニク ・梅肉エキス ・グレープシードオイル ・ココナッツオイル ・ローズマリー ・グローブ ・シナモン ・オリーブの葉 ・りんご酢 ・エキナセア

そして、アルカリ性のものをとり、ビタミンB6をとり、しっかり水分をとり、便秘をしないようにして行きましょう。

 

(参)おなかのカビが病気の原因だった

[健康法/]2022.08.26

がんはタンパク質の異常で起きて来ます! 

タンパク質は筋肉だけでなく、髪や肌、ホルモン、酵素など、私たちの身体を作っている材料です。現代人は、カロリーは摂れているけど、栄養が摂れていないと言われ、ビタミンやミネラルの他、このタンパク質も不足しているとされています。

そのため、タンパク質の不足は命を維持するための機能すべてに関わっています。脳内物質で心を落ち着かせるセロトニンや喜びを感じさせるドーパミン、やる気を湧かせるアドレナリンなどもタンパク質なので、感情や気持ち、記憶、睡眠にも影響があるのです。

「慢性疲労」「冷え症」「むくみ」など、原因のわかりにくい不調も、実はタンパク質の不足の可能性があるのです。

ですから、しっかりとタンパク質を摂っていくことが大切です。

一方、日本人の死亡原因のトップであるがんや、認知症の原因になるアルツハイマー、筋肉の異常からさまざまな合併症を引き起こす筋ジストロフィーなどの病気は“タンパク質の異常”が原因で起こると言われています。

一般的に、がんは細胞分裂を促す遺伝子、もしくは分裂を抑制する遺伝子に傷がつき、分裂が暴走して発症するといわれています。その中で、遺伝子の命令で実際に働いているのはタンパク質であり、細胞分裂を促すタンパク質、もしくは抑制するタンパク質の異常ががんの直接の原因なのです。日常的に遺伝子は傷ついていますが、遺伝子の修復ができないなど、がん関連遺伝子の異常でタンパク質に異常が起き、がんが発症するのです。

ですから、タンパク質を摂り過ぎると異常なタンパク質は増えてしまいます。遺伝子が作るタンパク質の不良品が溜まり小胞体ストレスが引き起こされ、がんが発症します。

特に、タンパク質を摂る時に何から摂るかということが大切です。

牛肉や豚肉などの肉を多食することによって、大腸がん、乳がん、前立腺がんなどの欧米型のがんの発生率が上昇します。動物性タンパク質が問題なのは、ヒトの細胞で作るタンパク質と類似のアミノ酸配列を持ったものが含まれていることです。それらが細胞外に増えると、小胞体は細胞外のタンパク質量をそれ以上増やさないためにも輸送を制限します。それが小胞体ストレスです。さらに、肉類に含まれている成長促進物質やホルモン類などが、この状況に拍車をかけてしまうのです。

ですから、がんの治療では肉類や乳製品はひかえて、魚や大豆、野菜などからタンパク質を摂るようにしましょう。

 

(参)新しいタンパク質の教科書、がんがみえる

[がん/]2022.08.23

体内環境をアルカリ性に変えることで「劇的寛解」に導く和田式食事術

今回は、元京都大学医学部附属病院呼吸器外科医として2000例を超える肺がん手術を手掛ける中でたどり着いた、和田洋巳医師の“和田式食事術”をご紹介します。

先生ご自身も退官前にスキルス性胃がんが見つかり、手術はしたものの、その後はアルカリ化食の実践で寛解をされています。がんと診断されてから再発も転移もなく、すでに13年に及んでいます。

ちなみに、がん治療においては完治という言葉はないので、寛解という言葉を使っています。がんが一時的に縮小または消失して安定し、かといって治癒ではない状態を呼んでいます。

和田医師の指導の方針は「がんを作り出す生活習慣の中心となっているのは食生活で、これを徹底的に見直し、がんを作り出した“土壌”である体の改良から始めていく」というものです。具体的には以下の五つの方針を掲げています。

 

  • がんを作り出した土壌を改良するための準備として体の浄化を行う(腸内環境の改善)
  • 血管や臓器の慢性炎症レベルを下げる
  • アルカリ化食などによって体内環境をアルカリ性に保つ
  • がん細胞を攻撃する「獲得免疫」を高める
  • その上で、QOL(生活の質)を保つことができる範囲内のゆるやかな抗がん剤治療などを行う

 

そして、和田医師の治療戦略は、がんの特性を徹底的に検証し、これを逆手に取ったものになります。がん細胞が好まない、がんが住みにくい体と細胞環境に改善することが“和田式食事術”のポイントになります。

その大原則は「植物性の食材を中心に、精製・加工されていないものを丸ごと食べる」です。

具体的に、以下の8つのポイントがあります。

 

  • 炭水化物は玄米や全粒粉パンなどから控えめに摂る
  • 治療を目的とした場合、塩分摂取量は無塩に近い量が望ましい
  • タンパク質は大豆などの植物性のタンパク質や青魚などから摂取する
  • 野菜は1日400g、合わせて果物やキノコ類を多く摂取する
  • サラダにはオメガ3系(亜麻仁油など)、加熱料理にはオメガ9系の油(オリーブ油など)を使用する
  • 乳製品の摂取と甘いケーキの摂取はひかえる
  • 肉と油、2つの発がん性物質とトランス脂肪酸の摂取をひかえる
  • トリテルペノイドとパルテノライドを積極的に摂取する(省説明)

 

以上の食事により体内環境をアルカリ性にすることで、ステージⅣの患者さんも「劇的寛解」を得ています。

当サロンでも、上記のような食事指導等を丁寧に行ってサポートをしています。がん治療には、食事の改善は必須なのです。

 

(参)アルカリ化で「劇的寛解」に導くがんを鎮める食事術

[がん/]2022.08.21

最強のクスリ「空腹時間」でがんの原因を除き、再発を防ぎましょう!

今回は、40歳の時に舌がんを経験したことを機に体質改善を決意し「空腹時間」を楽しみながら、10年以上がんの再発を防いでいる、あおき内科さいたま糖尿病クリニック院長の青木厚医師のポイントをご紹介します。

それは「何を食べるか」ではなく、「食べない時間を増やす」ことで、以前にもご紹介した私たちにもともと備わっている「オートファジー」の働きを活性化させるものです。

「オートファジー」とは、古くなった細胞を新しくするための体のメカニズムのことで、オートファジーのメカニズムを解明した大隅良典先生が2016年にノーベル生理学・医学賞を受賞しています。

人体には遺伝子・DNAを修復する働きをもともと持っていますが、DNAが修復不可能な場合には「オートファジー」という働きを使って、その細胞を除去してがん細胞の発生を防ぐのです。

もしオートファジーも働かない場合には、全身の血液を駆けめぐってパトロールをしている免疫細胞(NK細胞)が発生したがん細胞を除去するようになっています。

ところが、1日3食しっかり食べ過ぎていたり、質の悪いものを体内にがっつり取り込んでいると、上記のような人体に備わっているがんの防御システムが働きにくくなります。

また、内臓脂肪には血糖値を下げるホルモンである「インスリン」の効き目を低下させる働きがあり、体がさらにインスリンを補おうとして過剰分泌すると体内のインスリン濃度が高くなります。この状態が続くと「アポトーシス」が起きにくくなります。

さらに、内臓脂肪が増えすぎると、がん細胞の増殖を促進させる悪玉ホルモン「インターロイキン6(IL-6)」も分泌されます。

ちなみに、日本癌学会の発表では「22種類のうち17種類のがんは肥満するほど増える」とされ、特に大腸がん、肝臓がん、胆のうがん、すい臓がん、子宮がん、腎臓がんは肥満の影響を受けやすいと報告されています。

ですから、1日16時間ほど食べない時間を作る「8時間食事法」で、細胞をリフレッシュし、免疫力の低下と細胞の質の劣化を防ぐことができるのです。

しっかりオートファジーを働かせて病気の予防や老化を防いで行くのでしたら、1日ファスティングや3日から1週間のファスティングがお勧めです。

青木医師は、自身の舌癌の術後半年過ぎから「8時間食事法」を実勢し、朝食は摂らず昼食を13時半頃、夕食は20時頃摂り、日曜日は24時間の「空腹時間」を実践しています。

そして、筋肉量を維持するための自重運動(腕立て伏せ、腹筋、背筋)と、免疫力アップにつながる乾布摩擦、お風呂の最後に冷水を浴びることなども日課にしています。

細胞をリフレッシュさせ、がんの予防や再発防止のために、簡単な運動も取り入れて「8時間食事法」をやってみて下さい。ただし、がんの治療中の方は、空腹が逆効果になる場合もあるので、専門家の指示に従って下さいね。

 

(参)がんを克服した医師が教えるあきらめない生き方、食べない人は病気にならない

砂糖は心と体を蝕む”猛毒”です!

2015年3月、世界保健機構(WHO)は「砂糖の摂取量ガイドライン」を発表しました。

それによると、成人も子どもも、果物、野菜、牛乳由来の糖分を除いて、1日の糖分摂取を総摂取エネルギー量の10%未満に減らすように勧告しています。さらに、5%未満にしたり、1日当たり約25gに抑えると、さらに健康に良いと付け加えています。

このガイドラインで示された砂糖というのは、遊離糖類で、グルコースやフルクトース等の単糖類、スクロースや砂糖等の二糖類など食品や飲料の加工調理で加えられるものに加えて、ハチミツ、シロップ、果汁、濃縮果汁などに自然に存在する糖類も対象にしています。

ショ糖(ブドウ糖と果糖が結合したもの)の摂り過ぎが病気の因子になっているので減らそうということですが、これは正しい認識です。

そして、単純な糖(ブドウ糖、果糖、ショ糖)を多く摂り過ぎると、体は強く炎症し障害します。さらに、精製過程でビタミン類、ミネラル類、微量栄養などが取り去られていることの弊害もあります。これらの過食で起こる症状は次の通りです。

  • 全身を炎症体質にする

ショ糖の入った食物は、胃腸内で悪玉菌、日和見菌、さらに真菌のエサとなり、これらの繁殖が増大します。このため、胃炎、腸炎、食道炎、歯周炎といった消化器系が強い炎症を起こし、胸やけ、胃部不快、下痢、便秘や消化器系の痛みを伴うようになり、便も臭くなり、腸内腐敗が進行し、全身に悪影響をもたらします。

  • 低血糖の危険性や糖尿病

単純な糖質は胃や腸から速やかに吸収され、血糖は上昇します。そこで反応として血糖を下げるホルモンのインスリンが分泌されますが、それにより血糖値は下がり過ぎになります。特に、脳は低血糖によりさまざまな精神的影響が起こります。うつやキレやすかったり、落ち着きがないなど、多くの問題行動にもつながります。さらに、糖質過多と継続的なインスリン分泌により、組織がブドウ糖を取り込みにくくなり糖尿病を引き起こします。

  • 骨粗鬆症

ショ糖は強い酸性食品です。その中和のためにカルシウムなどのアルカリ性ミネラルが消耗され、骨はカルシウム不足となり、骨粗鬆症になって行きます。

  • 便秘、憩室、ヘルニア、胃下垂、内臓下垂

甘いものは胃腸などの消化管を弛緩させます。腸の弛みはぜん動運動の不良につながり、便秘になりやすいし、憩室が起きたりします。さらに、組織の弛みによりヘルニア、子宮脱、眼瞼下垂、重症筋無力症なども引き起こします。

  • めまい(メニエール病)浮腫など

組織の弛緩は体液の露出を起こします。その結果、全身がむくみやすくなります。内耳がむくんで起こるのがメニエール病です。

ちなみに、不治の病、脊髄カリエスに侵され、痛みや苦しみで絶叫しながら35歳で亡くなった正岡子規は、次のような大食が日常でした。朝食三杯飯、昼三杯、夜四杯、菓子パン10個、ナシ1個、牛乳一合など。夏目漱石しかり、ハイカラ好みの明治の知識人や芸術家は先を争って、当時高価だった魅惑の白い粉に殺到していました。そして、その白砂糖の恐ろしい魔の手の犠牲になって行ったのでした。

現在は、医療は人任せにして、多くの人々が当たり前のようにスイーツに群がっています。その結果が、死亡原因第一位のがん、長期寝たきりの認知症の多さです。

「砂糖は心と体を蝕む猛毒」だということを強く認識して行きましょう。

 

(参)食物養生大全、まちがいだらけの老人介護

[ブログ/]2022.07.17

ガンを増殖させる乳製品や肉類をひかえよう!

がんになったら、乳製品や肉類をひかえることは知られてくるようになりました。

その関連物質の一つにインスリン様成長因子(IGF-1)があります。このインスリン様成長因子(IGF-1)は、胎児や成長期の子供には必要なホルモンの一つですが、成人が動物性タンパク質や乳脂製品(牛乳、チーズなど)を多く摂ると、体には過剰にIGF-1が出現します。

IGF-1は主に肝臓で作られ、GH(下垂体成長ホルモン)によって促されるもので、乳幼児には欠かせないものですが、もうすでに成長してしまった大人にとっては、この物質の過剰は体に極めて良くない現象を起こすことが知られています。

というのもIGF-1は、骨や骨格筋などの成長や分化に関わる一方で、細胞のガン化を誘導する働きがあります。

特に、乳がん、子宮頸がん、前立腺がん、肺腺がん、肝臓がん、卵巣がん、精巣がん、甲状腺がんなどの「ホルモン依存性がん」といわれるガンのほとんどが、このIGF-1の体内増加で起きるということです。

さらに、IGF-1はその他のガンの増殖にも関係しているばかりか、心臓病や脳血管疾患にも密接な関係があるとされています。

ですから、IGF-1を多く生成する食物を減らすことこそ、ガンの予防にとても大切になりますし、ガンになったとしたら、IGF-1を多く生成する食物を少なくともとらないことがとても大切になります。

そして、このIGF-1を多く生成する食物が牛乳、チーズ等の乳脂製品と肉である動物性タンパク質になります。

動物を殺傷するという倫理的なことは別に、肉類を食べ過ぎるのは、タバコを吸うのと同じくらい体に悪いと指摘されています。

ある研究では、肉類やチーズ、牛乳などの動物性食品を大量に食べると、ガンや糖尿病の発症が増加することが分かっています。

酵素栄養学を伝える鶴見先生は、ガンになったら動物性タンパク質と乳脂製品を最低でも1年間は一切とらない指導をしています。

ここで、大豆食品などの植物性タンパク質はどうかと言いますと、納豆や味噌、豆腐といった大豆食品も動物性タンパク質と同等にIGF-1を生成するのですが、IGF-1を結合させて排泄させる結合タンパク質も増加するので、IGF-1の悪い作用は打ち消されることになります。

事実、世界一の大規模研究のチャイナスタディ等においても、大豆の発酵食品を中心にタンパク源を摂っている人ほど、乳がん、その他のガンが少なくなっています。

ところが、今の日本は、どちらかというと牛乳は健康に良いという誤った情報を流し続け、テレビのグルメ番組では、おいしそうにチーズや肉料理を見せつけています。

ですから、巷では健康に良いと思い、毎日乳製品をせっせととり、またタンパク質を摂れと肉食え、肉食えの現状です。このままでは、ますますガンが増加していきます。

もう一度繰り返しますが、動物性タンパク質、乳脂製品の過剰摂取はIGF-1の生成を増やし、ガンの発症を増加させるものです。

ですから、ガンの予防としてIGF-1を増やすこれらの食品を嗜好品と位置づけて付き合って行きましょう。

 

(参)食物栄養大全、家族みんなが病気にならない食べ方事典

[がん/]2022.07.03

グルタミン酸ナトリウム(MSG)が味覚音痴に加担?

味覚を壊す黄金トリオというのがあります。「食塩」「うま味調味料」「タンパク加水分解物」の三つです。この黄金トリオに様々な風味をつけることで、私たちの日常にあふれる加工食品が作られています。例えば、各種のだしの素、ラーメンスープ、スナックなどです。これらの濃い味の中毒になり、本物の食材の味が分からなくなり、塩分に鈍感になってしまうのです。

今回は、この味覚破壊の黄金トリオの一つ、「うま味調味料」の主要な成分である“グルタミン酸ナトリウム”についてお伝えします。

このグルタミン酸ナトリウムは、そもそも自然のアミノ酸ではありません。「化学合成物質」の一種です。それらの化学物質を1980年代に、印象を良くする名称の「うま味調味料」に変えてあるのです。

このグルタミン酸ナトリウムは、天然の原料による発酵法を利用して、以下のようにして作られています。

サトウキビから砂糖をとるときに、これ以上砂糖はできない「廃糖密」、いわば、砂糖を搾り取った残りカス(残滓)というものが出来ます。この「廃糖密」をエサにして遺伝子を組み替えたバクテリアによって、大量のグルタミン酸を作り出しているのです。このグルタミン酸は天然成分ですが、これだけでは味がほとんどないため、炭酸ナトリウムや苛性ソーダでグルタミン酸ナトリウムという化合物に合成しているのです。

ここで、昆布などの天然のうま味成分である「グルタミン酸」と化学合成物質である「グルタミン酸ナトリウム」は似て非なるものです。この認識がとても重要です。

アメリカでは、このグルタミン酸ナトリウムを「MSG(Monosodium Glutamate)」と呼び、とても敬遠されています。というのも、1960年代に中華料理を食べた人が頭痛、体のしびれ、疲労感などの症状を訴えたことがきっかけです。これがマスコミにグルタミン酸ナトリウム(MSG)が原因の「中華料理症候群」として大きく取り上げられたのです。それから半世紀経った現在でも、アメリカの健康志向の根強さから「No MSG」が潮流となっています。

食品の安全について、かなり厳しい審査基準を設定している欧州食品安全機関(FFSA)は、2017年に1日における許容摂取量(ADI)を30㎎/㎏と定めています。60キロの大人で1.8グラムとなります。日本人の1日当たりのうま味調味料の摂取量は、1.9グラム(平成12年、厚生省)と既にオーバーしています。

2014年「子どもの味覚に異変が起きている」と報道がありました。東京医科歯科大学の研究グループが、小学1年生から中学3年生までの350人ほどを対象に、基本となる4つの味「甘味、塩味、酸味、苦味」を感じることができるかを調査しました。その結果、いずれかの味を正しく感じることができない子どもが30%あまりもいることがわかったのです。

そして、味覚を感じることができなかった子どもには共通の特徴がありました。加工食品などの味の濃いものや、人工甘味料を使った清涼飲料水を頻繁に口にしていたのです。

「安い」「簡単」「便利」「きれい」「おいしい」という添加物の5つのメリットも含め、食の意味を考えてみましょう。

小さなころから、このような食事をしていると、脳や心もダメになります。そして、大人になったとしても、がん、脳・心臓などの血管疾患、慢性炎症疾患、そして認知症が待っています。ですから、普段の食事をエサにするのではなく、心や体を養う大切なものとして選んでいきましょう。

 

(参)家族と自分を守る「安心な食品」の選び方

[ブログ/]2022.06.04

”見えない油”が体を蝕んでいます!

東京大学などのグループによる本格的な調査によって、30代女性で約33%、40代女性で約38%、トランス脂肪酸を過剰摂取していることが公表されました。

食べるプラスチックと呼ばれている「トランス脂肪酸」は世界では規制されています。世界保健機関(WHO)は、1日にとるトランス脂肪酸の摂取量を総エネルギー(カロリー)の1%未満に留めることを推奨しています。日本人ではおおむね2gです。

ところが、上記のように40代女性では約38%もWHOの推奨する目安を超えて摂取されていたのです。その女性たちは、主に都市部に住んでおり、ケーキ、クッキー、菓子パンなどの菓子類、スイーツ類の摂取が多い傾向にありました。

これらの食品には、植物油、マーガリン、ショートニングといった形でトランス脂肪酸が大量に含まれています。

インスタ映えするキレイで美味しそうなスイーツには、ある意味“毒”があるのです。

しっとりおいしい“高級パン”にもたくさん添加されています。フワフワを出すために、マーガリン、ショートニング、植物油脂の硬化油3点セットを入れ、モチモチ、しっとり感を出すためにファットスプレッドをパン生地に練り込んでいます。

また、ファストフード店のメニューにも要注意です。代表的なファストフード店の主なスイーツのトランス脂肪酸を調べたところ、アップルパイは4.5g、ホットケーキは4g、ドーナツは4~7gもありました。1個食べると、WHOの推奨する目安を日本人の場合は、軽々オーバーしてしまうのです。

世界各国の研究により、トランス脂肪酸による以下の健康リスクが明らかになっています。

・心筋梗塞のリスク約3割増

・前立腺がんのリスク約2倍

・不妊症のリスク約73%増

・認知症のリスク2.4倍以上

・乳がんのリスク約75%増

このように、トランス脂肪酸が有害物質と認めざるをえない結果により、カナダと台湾ではトランス脂肪酸を含む食品の製造、輸入販売が禁止されています。アメリカでは「一般に安全と認められる食品添加物」からトランス脂肪酸を含む油が除外され、実質上、加工食品での使用禁止措置がとられています。他にも、欧州や韓国など複数の国で、食品中のトランス脂肪酸の含有量の規制や表示義務があるのです。

一方、日本ではトランス脂肪酸の規制や表示義務はありません。「日本人の大多数がエネルギー比1%未満であり、また、健康への影響を評価できるレベルを下回っていることから、通常の食生活では健康への影響は小さいと考えられる」という理由からです。

しかし、安全でないことは事実であり、しかも何%以下だから安心ということではありません。先程のドーナツ1個のトランス脂肪酸の量を見てください。

そして、植物油脂は安価なパーム油、大豆油、コーン油などで、一般的に輸入された遺伝子組み換え原料から作られています。この植物油脂の硬化油は水素反応を調整し、添加物を駆使すれば、様々な硬さに調整できます。安上がりにチョコレートもどきを作るなら、カカオ豆からとれるココアバターの代わりに、体温で溶ける硬化油の植物油を使い、乳化剤でなめらかにし、チョコレート色になる着色料やココア香料を添加します。その一例がチョコレートポッキーです。コーヒーフレッシュも同様で、硬化油に水を加えて乳化剤で混ぜ合わせ、増粘多糖類でトロミをつけ、香料でクリーム風味を出し、着色料で本物らしい色合いにすれば、腐らずフレッシュ(?)のままです。

このように、日本ではスイーツや菓子類、麺、パン類、あらゆるところにトランス脂肪酸が隠れています。ぜひ、色鮮やかでおいしそうなスイーツは街中の「毒キノコ」と再認識して食べないこと。そして、食品の裏側をよく見る癖をつけて、その中に「植物油脂、マーガリン、ショートニング」などの文字を見たら危険を感じる習慣を身につけましょう。

 

(参)「安心な食品」の選び方

[ブログ/]2022.06.01

食べるプラスチック「トランス脂肪酸」の危険性!

私たち日本人は、病気になる油を取り続けています。

この警鐘が伝えられてから20年ほど経ちますが、未だに日本は規制されることなく、病気を増加させています。体と心を蝕む非常に危険な油が、毎日の料理で使われたり、スイーツなどに利用されたりして常食されていることが大きく影響しています。

この油は、食べるプラスチックと呼ばれている“トランス脂肪酸”です。

液体の植物油に水素をくぐらせて固形化させた人工的な油です。この油は、自然界に存在しないもので、虫も寄り付かず、土の中に埋めても分解されず、故に“食べるプラスチック”と呼ばれているのです。

身近なものでは、マーガリンやショートニング、ファットスプレッドといった固形油脂に多く含まれています。2010年の調査では、30代から40代の女性で、トランス脂肪酸を過剰摂取している割合が3割を超えている結果が出ています。

そして、このトランス脂肪酸はがんを始めとした現代病を引き起こす大きな原因とされているのです。

トランス脂肪酸による弊害の中でよく知られているのは、体内のコレステロールのバランスを崩して“心臓病”を誘発することです。

トランス脂肪酸は、直接細胞膜に悪影響を及ぼすことで、細胞自体の働きを弱めてしまい、細胞に必要なものが流出してしまったり、逆に有害物質が侵入しやすくなってしまいます。

また、肝臓にダメージを与えて、本来必須のコレステロールの合成を調節する機能を崩してしまいます。それによって、HDLが減り、LDLが過剰生産されてしまいます

このような結果、心臓病を引き起こすことになるのです。

同様に、細胞膜の働きが悪くなると、いくら体がインスリンを分泌しても、それをキャッチする細胞膜の受信機能が鈍くなり、結果、“糖尿病”となるのです。

さらに、日本人死因第1位の“がん”です。

細胞膜の構造や機能が不完全になり、糖鎖も正しく働かないと免疫力が低下します。トランス脂肪酸は体内で活性酸素を大量に作り出したり、有害物質が細胞内にどんどん入り込んで来たりして、体内環境が悪化することでがんになるのです。

実際、アメリカではがんによる死亡率の増加とトランス脂肪酸を含む植物油の消費量の増加がほぼ一致しているというデータが報告されています。

そして、脳に悪影響を及ぼすことで、高齢者では“認知症”、子どもでは“注意欠陥多動性障害(ADHD)”などを引き起こすことが分かっています。

脳は60%が脂質で構成されていて、発達途上にある胎児から子どもの脳の発育、人格形成に与えるダメージはとても大きいものと考えられます。いくら子どもに一流の生活環境を与えても、三流の食事を与えていてはどうしようもありません。「質の良い食事を摂ることは、一流の教育を受けることと同等である」ことをしっかりと認識してください。

頭の良い、心の優しい子どもに育てるためにも、トランス脂肪酸を極力排除し、オメガ3を含む良い油を積極的に摂ることが非常に有効になります。

 

(参)病気がイヤなら「油」を変えなさい、「安心な食品」の選び方

[がん/]2022.05.29