小さいとき、お腹が痛くなった時に、お母さんが痛くなったお腹に手を当ててくれたことがあるかもしれません。そうすると、なぜか痛みも和らぎ、安心するのです。
今回ご紹介する“タクティールケア”は、スウェーデンの医療現場発症のタッチケアです。
語源は、ラテン語のタクティリスで「触れる」という意味です。優しく触れることで相手が癒され、不安やストレス・痛みを緩和する効果があるのです。
使うのは施術者の手のみで、言葉を使わなくてもできるため、「非言語コミュニケーション」として医療・福祉などの現場で活用されています。
タクティールケアは1960年代、スウェーデンの未熟児医療の看護師によって始まりました。看護師が母親代わりに、乳児の体を毎日優しく触れることで、体温の安定・体重の増加といった変化が現れたことから生まれたメソッドです。
1996年になると、認知症緩和ケア教育専門機関が認知症ケアとして導入したことで、各地に広がっていきました。
タクティールケアとはタッチケアのひとつであり、いわゆるマッサージや指圧などとは異なります。その手技は一定の圧力・速度で行い、終始手を離さずに行いますが、ツボ・リンパ・筋肉などを意識する必要はありません。医学や解剖学といった特別な知識は必要なく、力の加減や速度などの手法を取得さえすれば手軽に行うことができます。
また、非言語コミュニケーションのひとつでもあり、会話がうまくできない、言葉で感情をうまく伝えることができない人にも有効に活用できるため、現在は医療現場だけではなく介護・障害児ケアなどさまざまな現場へ広がっています。
タクティールケアがもたらす効果は大きく分けて2つあります。
① オキシトシンの分泌
人とのふれ合いやペットとのふれ合いで分泌される「オキシトシン」という“幸せホルモン”です。脳の視床下部で作られており、癒し・ストレスや不安の緩和・意欲の向上といった作用があります。一般的には産後の女性が授乳すると分泌されますが、人とふれあうタクティールケアでも、このオキシトシンを分泌する効果があります。
② ゲートコントロール作用による痛みの緩和
ゲートコントロールとは痛みに関する学説のひとつです。脊髄内では神経伝達が行われており、痛覚は脳に痛みを伝える「ゲート」を通ることによって感じると考えられています。タクティールケアではこのゲートを閉じる作用があるといわれ、その作用により痛みが緩和する効果があります。
タクティールケアの研究によって、「心地よかった」「リラックスできた」「穏やかになった」「眠気を催した」「夜よく眠れた」「痛みが和らいだ」「便通が良くなった」「積極性が増した」など、さまざまな効果が確認されています。
これらの事例から、タクティールケアによりリラックスできたことで、副交感神経が優勢となり、眠気を催した、腸の働きが活性化した、穏やかになったなどの効果があったと思われます。
以上のように、タクティールケアのような手当ては多くの良い効果をもたらし、ケア対象者だけでなく、施術者にもその効果が働くことが分かっています。かわいいペットをなでると癒されますよね。気になる方へ、思いやりから自然に手を当ててみませんか。
私たちが生きて行く中で出会うもっとも大きな問題の一つは、「死の恐怖」と向き合うということでしょう。
がんが恐れられている理由も、昔から「がん=死」といった不健全な考え方があるからで、私たちはこの死に対する恐怖感に苛まされていると言えます。
しかし、昔から分かっていて、近年のさまざまな研究で死後の世界、つまり、あの世の存在が証明されています。それらを統合して、私の考えをお伝えしたいと思います。
まず、私たちの構造が、肉体と魂の二重の構造になっていることです。
そして、多くの研究でさまざまな臨死体験と、生まれるときの記憶の記録から分かっているのは、この世の生は、肉体の器に本質の命(魂とも言えるでしょう)が合致して宿っていることです。つまり、肉体はこの世を生きるための乗り物であるということです。生まれるときは、母親のお腹の中で肉体が形成され、あの世から魂が降りてきて入り込んで生命になります。一方、死ぬときは必要のなくなった肉体から魂があの世に旅立ちます。
あの世が本来いる場所で、あの世からこの世の肉体に入り込む前から魂はこの世で生きるための肉体選び、つまり、母親選びをしています。
また、死ぬときには、肉体から離れて、お帰りなさいと祝福され迎え入れられているのです。
昔から、魂のことに関して世界中でいろいろ言われていますが、東洋思想では、魂と肉体が合致したのが“生”とし、役目があれば生、役目が終われば自然淘汰という“死”を与えられるとしています。ここでの役目は、現在ではいくら稼いでいるのかとか、どんな地位を築いているのかということでしょうが、そうではなく、たとえ五体不満足で寝たきりでも、両親や周りの人々への気付きという縁も役目としているのです。
また、陰陽を当てはめれば、肉体が器として、受容する立場として陰になり、主体が陽である魂としているのです。
特に、魂が各自、この世のテーマ(課題・学び)を体験するために、この世に生まれて来るとしています。そして、役目としての学びが終われば、お帰りなさいと祝福されて迎えられるのです。
このように、本来のこの世の生を科学的にも哲学的にも理解すると、戦争や犯罪に巻き込まれて死ぬことでなければ、看取ってくれる人々のいる病床(もしくは自宅)での死はそんなに過度に恐れることはないと理解できるのではないでしょうか。
私も、いつもなるようになる、その時はその時との考えで、私自身のペースで、施術を通して縁ある人々を幸せにすることをテーマに、日常を過ごしています。
未来は、願いで形造くられていくのを知っていますので、夢や希望を持ち、自然の流れに逆らわず、また焦らず、呼吸のリズムに合わせて過ごして行きたいと思っています。
(参)生きがいの創造、前世療法、「ママ、生まれる前から大好きだよ!胎内記憶といのちの不思議」
今の西洋医療のやり方を「アロパシー」と言います。アロパシーは、目先対処の治療のこと。
つまり、症状をとれば良いという医療で「対処療法」とも言います。この治療の根本的発想は、まさに、人間をロボットのように考え、部品交換的に行うアナログなやり方です。
必要な手術においては、非常に有効ですが、このような対処療法は、根本的な健康獲得とは全く無縁です。一時期は良くても、後々にむしろ大変な病気に襲われます。いわゆる副作用だらけになった挙句、新たなもっと重い病気がやってくるのです。その時にはもはや対処療法では治りません。
一方、根本的なやり方を「ナチュロパシー」と言います。原因を正し、食事を整え、腸の改善から治療するやり方です。悪い食事や悪いライフスタイルを改め、正常な排泄をして、血液循環を良くし、体内環境・細胞環境を良くすることから全身の体質を良くする方法です。
このナチュロパシーを使うやり方をしますと、時間はかかりますが、根本的に治っていくのです。このナチュロパシーのやり方に薬は使いません。薬そのものが原因と考えるからです。
薬はまさにアロパシー的なやり方です。
最近、アロパシーでは病気は治らないとして、ナチュロパシーに向かう人々が大変増えました。ナチュロパシーである「ナチュラルハイジーン」を学び実践する医師が大変増えてきたからです。
アメリカに「プラントリシャンプロジェクト」というナチュロパシーの大会がありますが、2013年から始まり、参加者は年々増加し、2018年には1000人を越えました。
その参加者の半分がアメリカ各地の医師たちで、この大会でナチュラルハイジーンのやり方を学び、アロパシーからナチュロパシーに転向し、患者さんを診るようになってきているのです。
イギリスも大きく医療がナチュロパシー的なやり方に変貌しました。
しかし、日本はまだまだアロパシー医学が全盛です。皆保険も味方をして、効率良く、目先の対処療法が行えるからです。このアロパシー医学により、体質がとことん悪くなるのですが、医者も患者さんもお構いなしに目先だけのやり方に徹しています。その後々の悲劇。
日本人は、そろそろアロパシーからナチュロパシー医学に移行しないと、皆が大変な病人だらけで、莫大な医療費を払わされ続けることになります。
【病気の根本原因を取り除かずに、症状や痛みを無くすことだけに目を向けていると、やがて高い代償を払って苦しむことになる。:T・C・フライ(自然健康治癒学博士)】
根本原因は、やはり食物の良し悪しでしょう。食物が悪いと、腸は腐敗し、腸の中にはアンモニアが増え、そのアンモニアは必ず吸収され、血液を汚し微小循環を悪化させます。
その時に出現するのが活性酸素で、あらゆる病気につながるのです。
このような明確な病気の成り立ちがあるので、根本原因である悪い食物を改めなくてはいけないのです。
アロパシーのやり方では、そんなことはお構いなしで、ただ目先対処の治療、つまり、薬の投与に専念します。薬投与では、根本原因を解除していませんので、一時的に良くなっているように見えても、必ず、後々悪化します。
慢性の病気は、まさに根本原因から治す必要があります。
まず、体に悪い食物をしばらく中止させ、ライフスタイルを改善させます。その後、断食(ファスティング)を何日かします。腸の中を空にし、腸の腐敗をまず取ります。その上で、ヴィーガンを開始します。そうすると、血流はきわめて改善します。余計な活性酸素もなくなり根本的に病気が治ることになります。これがナチュロパシー的な本質的な治し方になります。
T・C・フライ博士は、このようなことをやりなさいと述べているのです。
さて、現在の日本は、相も変わらず「病名診断即薬」というパターンを当たり前に繰り返しています。
しかし、この薬漬けは人間にとって良いことは一つもありません。
人間は本当に薬なしで良いのです。薬がなぜ人間の体に良くないのかは、それは薬がピュアな化学構造を持つ異物だからです。
そして、そのピュアな化学物質により、ホメオスターシス(恒常性)が失われることと、薬の働きが酵素阻害剤としての害(毒物としての害)があることです。
人間は食物を食べて生きていますが、この食物は実に複雑な要素が混じり合って出来ています。これは、人間の体には優しく負担を強いることはありませんが、ピュアな化学物質は人間の体に負担を強いて、ホメオスターシスを破綻に導きます。それが、副作用であり、余病(新しい病気)につながります。
また、どんな薬も酵素阻害作用を利用して薬効効果を出すものです。しかし、酵素というものは、失われる程、病気になり寿命が短くなります。体の絶妙なバランスを担っている酵素の働きを、安易に止めるような薬を使うべきではないのです。
以上により、当サロンでは、ナチュロパシー的な施術と生活習慣や食生活のアドバイスにより健康をサポートしております。
(参)森愛の響き
現代、日本では、不妊を心配したことがある夫婦の割合は35%、実際に不妊の検査や治療を受けたことがある夫婦は全体で約18%、患者数は約50万人とも推計されています。
なぜ、こんなにも妊娠しづらくなってしまったのかは、現代の生活習慣の影響は大きいと言えます。睡眠を含めた生活のリズム、ストレスや電磁波、放射線、ワクチンも含めた薬剤等も考えられますが、何より私たちの体を構成するための食事の影響は計り知れません。
添加物や遺伝子組み換え食品もありますが、ここでも糖質の過剰摂取があります。
今回は、この糖質過剰摂取の観点から不妊症を考えて見ましょう。
適切なインスリン様成長因子(IGF-1)が卵胞の成長に必要であるため、糖質過剰摂取による全身的なインスリン抵抗性はもちろんのこと、卵胞などの局所的なインスリン抵抗性がミトコンドリア機能障害を起こして、不妊へとつながるのです。また、子宮内膜の局所的なインスリン抵抗性は、着床障害の一部の原因とも考えられます。
さらに、糖質過剰摂取によりAGEsが増加し、酸化ストレスも高まり、炎症も促進され、不妊のリスクが高まるのです。
不妊治療を行っている157人を対象にした研究では、AGEsが多いグループは、AGEsが少ないグループよりも採卵個数が40%以上少なく、受精も40%前後少なく、妊娠の継続率も80%以上少ない結果がでました。
不妊の原因になりやすいPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)は、全身のインスリン抵抗性が根底にありますが、無排卵性不妊症の70%はPCOSに関連しています。また、PCOSではせっかく妊娠しても流産が通常よりも3倍も多くなっています。
また、PCOSと子宮内膜症との合併は珍しくはありませんが、どちらも炎症を起こしやすいことを考えれば、その炎症による卵管癒着をもたらし、卵管障害による不妊の原因にもなります。
さて、男性の不妊症については、約60~70%が原因不明とされています。しかし、原因不明の男性不妊では、インスリン抵抗性が認められています。
744人の不妊男性からのデータを分析したところ、不妊男性の約15%が、未診断の糖尿病予備軍と判定されました。
勃起不全(ED)もインスリン抵抗性との関連性が指摘されています。EDの男性の半分以上にインスリン抵抗性を認めています。
当然、糖尿病ではEDのリスクが高く、糖尿病のない人と比べると3.5倍にもなるのです。糖尿病は、精子の質、機能にも影響を与えます。
このように、女性側にも男性側にも糖質過剰摂取による高血糖、AGEsの増加、インスリン抵抗性などによる不妊が起きていると考えられます。
不妊治療には、まずファスティングや糖質制限が重要だと考えられます。
数は少ないが、不妊のPCOSの5人の女性が、1日20g以下の糖質制限食を24週間行ったところ、空腹時インスリン値は50%以上低下し、男性ホルモンのテストステロンも30%も低下しました。そして、この研究期間中に2人が妊娠しました。
スイーツ好きの若い男女は多いが、そのスイーツは血糖値を上げ、AGEsを増加させ、インスリン抵抗性を生み、体を傷つけ、子孫を残すための非常に重要な体内環境を狂わせているのです。
さて、妊娠の経過が進んでいくにつれ、母体は自然とインスリン抵抗性になっていきます。正常妊娠でもインスリン感受性が60%低下します。それは、ブドウ糖を自分の体で溜め込まず、胎児に優先して送るためだと考えられています。進化の過程では糖質過剰摂取はほとんどなかったため、肝臓によるブドウ糖の産生は30%増加し、母体のインスリン抵抗性を増加させることにより、胎児にエネルギーを送るメカニズムを獲得したのです。
妊娠中に初めて発見される耐糖能異常である「妊娠糖尿病」の女性では、妊娠後期にインスリン感受性が有意に低下しますが、それは妊娠前にすでに存在していたインスリン感受性の低下を反映しています。
つまり、何もなかったのに妊娠したから妊娠糖尿病を発症したのではなく、元々気付かないうちにインスリン抵抗性を有していた人が、妊娠してさらにインスリン抵抗性が高まったために妊娠糖尿病になると考えられます。
妊娠糖尿病の人が、出産後、2型糖尿病になったり、心血管疾患を発症したり、乳ガンなどのいくつかのガンのリスクが増加するのも、根本原因が同じなので当然です。
さて、肥満の母親から生まれる子どもには、先天的な障害が多くなっています。高血糖、高インスリン血症が母親の肥満を招き、胎児の形態異常を誘発しやすくしていると考えられます。
アメリカで行われた研究によると、1型糖尿病の母親から生まれる子どもにおける主要な形態異常の相対リスクは、非糖尿病の母親から生まれる子どもと比較して7.9倍であり、主要な中枢神経系と心血管系の形態異常の相対リスクは、それぞれ15.5倍と18倍でした。妊娠後期にインスリンを必要とする妊娠糖尿病の母親から生まれる子どもは、非糖尿病の母親の乳児よりも、心血管系に大きな欠陥がある可能性が20.6倍も高くなっていました。
母親の血糖値が高いと、先天性心疾患を発症する可能性が最大5倍高くなります。高血糖に曝されると胎児の心臓の細胞は成熟が遅れるか、そのまま成熟できないかで、いずれにせよ未成熟の細胞が多く生成されてしまいます。
また、妊娠糖尿病では、早産、帝王切開や肩甲難産が増加し、巨大児が増加します。
アメリカの約42万人を分析した研究では、母親が1型糖尿病、2型糖尿病、妊娠糖尿病であると、糖尿病がない母親と比較して、自閉症児が増加していました。特に、妊娠初期の段階での高血糖や高インスリン血症が自閉症と関係していると考えられました。
生まれてすぐに赤ちゃんは母乳を摂取しますが、糖尿病の母親の母乳を飲んだ赤ちゃんは発語が遅れるという報告があります。また、新生児が糖尿病の母親の母乳をたくさん飲むほど、肥満のリスクが高まり、幼児期の耐糖能障害を引き起こすことが研究で示されています。
お腹の中でも母親の糖質過剰摂取の影響を受け、生まれてからも母乳で影響を受ける可能性があります。糖尿病や肥満の母親から生まれた子どもは、通常より出生体重が重いことが多く、小児期にはメタボリックシンドローム、インスリン抵抗性を発症するリスクが高くなります。糖質過剰症候群は母親だけの問題だけでなく、自分の子どもにまで伝わってしまうのです。
ここで、母乳についてですが、母乳の利点は非常に大きいものです。人工乳や果汁などには乳児の腸は対応できません。人工乳は、母乳とは大きく異なり、異物です。生後6ヶ月までは、可能な限り母乳で育てた方がよいと考えています。
世界保健機構(WHO)では、6ヶ月までは完全母乳で赤ちゃんを育て、その後も2歳までは母乳を与えることを推奨しています。良い母乳を与えるための良い母体を作ることが重要なのです。
酸化や糖化といった体内環境を意識して、体に入れる食事に気を配って過ごして行きましょう。
(参)「糖質過剰」症候群
清水泰行医師は、根本的な原因が「糖質過剰摂取」につながる様々な病気をまとめて「糖質過剰症候群」と呼んでいます。
糖質は、体を構築するものでもなければ、生き延びるために必須のものではありません。
しかし、栄養素の中で、直接血糖になるのは糖質のみです。
糖質過剰摂取を続けると、インスリンがたくさん分泌され、脂肪が増加し肥満になってしまいます。
高血糖がなぜ悪いのかは、糖質過剰摂取では血糖値が急上昇する「グルコーススパイク(血糖値スパイク)」が、酸化ストレスを増大させたり、炎症反応を増加させ、血管を傷つけたりするからです。
さらに、高血糖が起きると、ブトウ糖の一部はポリオール経路という反応を起こします。これはブドウ糖がソルビトールになり、その後、果糖に変換される反応です。このポリオール経路が亢進すると、反応に必要な補酵素(NADPH)がどんどん消費されます。この補酵素(NADPH)は、酸化型グルタチオンを還元型に戻すのに必要です。グルタチオンは体内の重要な抗酸化物質であり、還元型が減少すれば、抗酸化力が低下してしまいます。
つまり、グルコーススパイクにより、活性酸素を除去する力も弱まってしまうのです。
糖は非常に反応性が高く、体内ではタンパク質とくっついて、糖化反応(メイラード反応)を起こしてしまいます。その反応の最終的な状態である終末糖化物質(AGEs)というものができることにより、機能障害などの有害作用を引き起こしたり、酸化ストレスを増加させたり、炎症反応を起こしたりします。
ちなみに、血液検査で測るHba1cというものがありますが、これはヘモグロビンタンパクと糖がくっついて糖化したものです。
体のほとんど全ての細胞、組織、酵素などは、タンパク質と脂質でできています。つまり、体の中で糖化しないものはないと言っても良いわけです。ですから、高血糖はどのような機能障害をも引き起こす可能性を持っているのです。
さて、血糖値が高くなると、すい臓からインスリンが分泌されます。
ところが、現在の食生活においては、大量のインスリンを分泌しないと血糖値を下げられないほどの糖質量を摂取していて、高インスリン血症になっています。
この高インスリン血症もまた、活性酸素を生み出し、酸化ストレスを増大させます。さらに、インスリンは、弱いながらも細胞増殖や成長作用を持ち、また、インスリン様成長因子(IGF)という、インスリンに似た強い細胞増殖や成長作用を示す物質を増加させるので、大量にあると、必要以上に細胞が増殖したりします。
その一つが、「ガン」になるのです。
また、加齢と言われている根本の多くは、AGEs(終末糖化物質)の蓄積、それに伴う酸化ストレスの増加やミトコンドリアの機能障害であり、ある程度は抗えないものですが、糖質制限によりかなり軽減できるものです。
現在では様々な病気が存在しています。糖尿病、狭心症や心筋梗塞などの心臓病、脳卒中、ガン、脂質異常症、認知症、うつ病、骨粗しょう症、片頭痛など様々です。
今の医療では、その多くの病気の原因は、それぞれにあると考えられています。しかし、それぞれの病気の間には関連が認められていて、原因の原因をずっと追っていくと、それらの原因が大本の原因である「糖質過剰摂取」一つにつながっていきます。そこから考えていくと、多くの病気はつながりがあり、どうして様々な病気が併発することが多いのかが簡単に理解できます。
では、ここで最も分かりやすい糖質過剰症候群として、肥満と糖尿病、メタボについてご説明します。
糖質を過剰に摂取すると、体内ではインスリンが過剰に分泌されます。インスリンは、血液の中のブドウ糖を筋肉や脂肪細胞に取り込ませる役割があります。その結果、筋肉や脂肪細胞に取り込まれたブドウ糖は、エネルギーとしてすぐに使われないと、グリコーゲンや脂肪に変換されて蓄えられてしまいます。それが蓄積されて、肥満となるわけです。
また、糖質により血糖値が上がるが、糖質の摂取過剰はこの血糖値を持続的に高値にする。血中のタンパク質の一つ、ヘモグロビンタンパクの糖化も増加し、糖尿病の診断が下されることになります。
最後のメタボリックシンドロームについて、この診断基準は以下にまとめます。
1. 腹部肥満:ウエストサイズが男性は85cm以上、女性は90cm以上
2. 中性脂肪値150mg/dl以上 HDLコレステロール値40mg/dl未満
(いずれか、または両方)
3. 血圧:収縮期血圧(最高血圧)130mmHg以上 拡張期血圧(最低血圧)85mmHg以上 (いずれか、または両方)
4. 空腹時血糖値110mg/dl以上
1の腹部肥満を必須項目として、2~4のうち2項目以上当てはまるとメタボリックシンドロームとなります。
腹部肥満は内臓脂肪の蓄積であり、糖質の過剰摂取で起こります。中性脂肪も糖質過剰で上昇し、HDLコレステロールは糖質過剰摂取で低下します。
血圧に関しても、糖質過剰摂取でインスリン分泌が多くなるほど、交感神経系は活性化され、インスリンとインスリン様成長因子(IGF-1)はレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系というメカニズムを活性化することにより、血圧を上昇させます。
また、糖質過剰摂取では血管の拡張性が低下し、高血糖は動脈硬化を促進することでも血圧は上昇します。
以上のように、肥満と糖尿病、メタボが糖質過剰症候群の一つと理解されましたが、ガン、認知症、心血管疾患等についても今後ご説明させて頂きます。
必須でない糖質になるご飯、麺、パン等の過剰摂取は、特に意識して行きましょう。
(参)「糖質過剰」症候群
一般的に「腸に良い」といわれる食事は、SIBOを持つ人には逆効果だと理解しているでしょう。それは、発酵食品を摂取することでは、SIBOは本来細菌の少ない場所に異常に細菌が増殖しているわけで、そこに善玉菌ではあるけれど、たくさんの細菌をさらに投入し増やすことになるからです。また、食物繊維を良かれと思いたくさん摂取したとしても、それが消化し難いことで小腸に細菌が停滞し増殖してしまいます。
そもそも、まずSIBOにならない方法を以下に列挙します。
① 適度な胃酸を保つ
② 胆汁の分泌を良くする
③ 小腸の消化管運動(MMC)を良好に保つ
④ 大腸から小腸への逆流を防ぐ
以上考えられるわけですが、①から③まではどのように食事に気を付け、睡眠も含めて生活のリズムを整えていくことになるでしょう。
④に関しては、バウヒン弁(回盲弁)の機能を維持することになり、お腹のマッサージということになるでしょう。
このバウヒン弁(回盲弁)の位置は、まず右上前腸骨棘(腰の骨の前の出っ張っている所)からおへそに補助線を引き、その線を3等分します。その外側3分の1の部位から腹部の奥に向かってゆっくり指を滑り込ませてみます。深層に達すると、この触診点から0.5~1cm以内の部位でヘーゼルナッツ大の柔らかな塊に触れます。これがバウヒン弁です。
このバウヒン弁の働きを良くするために、この部分を振動させたり、押したり離したりして刺激を与え、バウヒン弁の可動性を高め血行を改善します。
また、大腸のマッサージや腹筋のトレーニングにより、便を押し出す排便する力が強くなり、腸の調子が良くなります。
次に改善法をお伝えします。
先程の①~④もSIBOにならない方法と同時に改善法になります。
それ以外では、SIBO食を実行する、抗菌作用のある成分を使う、腸管の運動を促進させる、再発を防ぐことになります。
まずは、抗菌作用のある成分を使ったり、細菌のエサにならないように「FODMAP食」を避けるSIBO食を実行したりすることが大切です。その後、腸管の働きを取り戻しながら、再発防止を心掛けることになります。
ここで大切な、細菌のエサになりやすい「FODMAP食」をご紹介します。
これは、SIBOを始め、お腹の調子が悪い人が気を付けるべき食事であり、この低FODMAP食は科学的根拠の高い食事法で、ハーバード大学、イエール大学、コロンビア大学などがその効果を証明する論文を発表している食事法です。
それでは、「FODMAP」の用語を解説します。
F(Fermentable):発酵性の以下の4つの糖質を指します。
O(Oligosaccharides):ガラクトオリゴ糖(GOS)とフルクタンです。
ガラクトオリゴ糖はレンズ豆、ひよこ豆などの豆類に含まれます。
フルクタンは小麦や玉ねぎ、ニンニクなどに含まれます。
D(Disaccharides):二糖類で牛乳、ヨーグルトなどのラクトース(乳糖)です。
M(Monosaccharaides):単糖類で果糖のフルクトースです。
A(And)(そして)
P(Polyols):ソルビトールやキシリトールなどのポリオールで、マッシュルームやカリフラワーなどに含まれます。
これら「FODMAP食」の「糖質」は、小腸で非常に吸収されにくい特徴がありますが、発酵性の「短鎖炭水化物」であり、腸内の細菌にファーストフードを提供することになり、急速にガスを発生させお腹を膨らませることになるのです。
ネットで、高FODMAP/低FODMAP食品一覧表が調べられますので、ぜひチェックして見てください。
パン、麺、小麦より米、蕎麦、りんごよりバナナ、牛乳よりコーヒー、紅茶、キノコよりこんにゃくなど参考になります。
(参)小腸を強くすれば病気にならない
まず、SIBOの典型的な症状は以下のとおりです。
・慢性的な下痢や便秘を繰り返す
・腹痛
・お腹がゴロゴロする(腹鳴)
・食事をしたあとに、お腹がパンパンに張る
・げっぷ、胸やけ、食べ物が食道にもどる
そして、SIBOの主な原因(およそ90%)は消化管の運動障害と慢性膵炎だとお伝えしましたが、今回は整理してその原因を説明します。
◆SIBOを引き起こす10の原因
①小腸の消化管運動(MMC)(※)の障害
糖尿病やパーキンソン病、甲状腺障害、膠原病などの全身性の疾患で腸の動きが悪くなり、小腸に飲食物の残りかすが停滞し、それを栄養分にする細菌が増殖します。
(※)MMC(伝ハン性消化管収縮運動)は小腸の壁に微生物が取り付くのを防いでいます
②大きなストレスやそれに伴う間食などの生活習慣
ストレスは交感神経を興奮させるので、小腸のぜん動運動が低下します。また、ストレスにより腸内で炎症が起き、免疫力が低下します。
③抗生物質
抗生物質を服用すると、目的の体内に入る前に善玉菌も含め腸内細菌を殺してしまい、腸内のフローラのバランスを崩してしまいます。その結果、悪玉菌が以前より繁殖しやすくなったり、腸管免疫の働きを低下させてしまいます。
④胃薬(特に胃酸を抑える薬)による胃酸減少
胃酸が減少することで、小腸の細菌を殺すことが出来なくなり、その結果、過剰な細菌が産生するガスによってSIBOを悪化させます。小腸内のガスの増加で、よけいに逆流性食道炎を引き起こすことがあります。
⑤免疫力の低下
さまざまなストレスや食事内容(タンパク質不足など)によって免疫力を落とします。この時、小腸内の細菌数をコントロールしている、「ディフェンシン」という免疫グロブリンや抗細菌・抗ウイルス作用を持つタンパク質を含有する粘液の分泌の低下を起こしています。
⑥炭水化物の消化不良、食べすぎ、飲みすぎ
炭水化物の中でも小腸で吸収が悪く、なかなか吸収されない糖質類「FODMAP(フォドマップ)」(※)は、その糖質をエサとして細菌が増殖することになります。
(※)発酵性のオリゴ糖、乳糖、果糖、ポリオールの4つの糖質のこと
⑦重金属
鉛、アルミニウム、カドミウム、有機水銀、ヒ素などを蓄積している人は、腸管の働きが悪くなります。これらの重金属は、これらを利用して細菌が「バイオフィルム」という隠れ蓑を作り、抗生剤やプロバイオティクスから身を守ります。
⑧食中毒や急性胃炎などの感染症のあとに発生
食中毒や急性胃炎などの感染症により、小腸のぜん動運動を起こす腸のペースメーカーであるカハール細胞が破壊されたり、ぜん動運動の原料であるビンキュリンタンパク質が減少したりすることがあり、それにより小腸の消化管運動(MMC)が障害されます。
⑨大腸のバウヒン弁(回盲弁)の障害
虫垂炎や様々なお腹の手術、潰瘍性大腸炎、クローン病、繰り返す腸閉塞などによりバウヒン弁がうまく閉じない状態になると、大腸から小腸に細菌が逆流してしまいます。
⑩胆のう除去、胆汁不良や膵炎
胆汁は胆のう内で十分に濃縮されることではじめて抗菌作用を発揮します。胆のうを切除すると、胆汁は十分に濃縮されずに小腸に分泌されることになり、細菌を殺菌する能力が格段に落ちてしまいます。
また、膵炎では炎症により細菌が増加すると同時に、消化酵素が不十分で消化管内に未消化物を増加させてしまいます。
以上の原因により、小腸内に異常に細菌が増殖してしまうわけですが、同時に腸にいくつかの重大な疾患を合併することが多くあります。そのSIBOと関連する病気には、過敏性腸症候群、機能性ディスペプシア、クローン病、セリアック病が知られています。これらの疾患についてはいずれ解説したいと思います。
さて、次回にはSIBOにならない生活術や改善法をお伝えしたいと思います。
(参)小腸を強くすれば病気にならない
現代の食生活などにより、小腸内に細菌が異常繁殖することで腹部膨満感や下痢、便秘などの消化器症状を起こしてしまう方がとても増えています。その病態を小腸内細菌異常増殖症(SIBO)といいます。
本来、小腸には大腸と比べて細菌の生息数は非常に少ないわけですが、現代の生活習慣などにより異常に細菌が増えてしまっているのです。
そのために、お腹がパンパンに張ったり、下痢、便秘、げっぷ、胸やけなどさまざまな胃腸症状を引き起こしています。さらに、SIBOはお腹の不調に限らず、肌荒れ、栄養失調(ビタミンや鉄欠乏など)、肥満・やせ、アレルギー疾患、さらに神経系および精神疾患の不調(うつ、不眠など)なども引き起こしてしまうのです。
それは、腸が全身の臓器や脳・心とまでネットワークでつながっているからです。
さて、このように小腸に増殖した細菌には大きく分けて2つのタイプがあります。
一つは、小腸内で「水素ガス」を発生しやすく、下痢の症状を引き起こすタイプと、もう一つは、「メタンガス」を発生しやすく、便秘を引き起こすタイプです。
水素を発生するタイプのSIBOはやせ型の体型ですが、メタンを発生するタイプのSIBOは肥満型の体型が多く、腹囲が大きく、有意にBMI(肥満度)が高いことが判明しています。
ちなみに、SIBOかどうかを診断するには水素ガスとメタンガスの両方を測定しますが、メタンガスが発生するタイプの方がやや治療が難しく、再発が多いとされています。なぜなら、メタンガスを出す古細菌は抗生物質に耐性を持つことが多いからです。
さらに、SIBOが起こるとビタミン・ミネラル他さまざまな栄養素が増えた小腸内細菌に奪われてしまい、上記のようなさまざまな全身症状を引き起こします。
主に増える「通性嫌気性菌」は腸の粘膜に接着し、腸管毒素により腸粘膜にダメージを与えます。その結果、いくらものを食べても吸収されずに、タンパク質がボロボロ便の中に漏れてひどい低タンパク血症をもたらす「蛋白漏出性胃腸症」との関係性も指摘されています。
また、症状が長引くと「免疫システム」にも異常が起こります。
さて、SIBOは腸の健康を取り戻すことで解決できるわけですが、ここでとても大切なことがあります。それは、発酵食品や整腸薬などの善玉菌を入れたり、食物繊維の豊富な野菜・果物などを多く摂ったりするような一般的に腸を整えるのに良いとする行為が、逆にSIBOを悪化させてしまうことが多くあることです。
つまり、異常に増えすぎてしまっている小腸内細菌をこれらの行為により、さらに増やしてしまうということです。その結果、さらにお腹がパンパンに膨れるなどの不調を引き起こします。
ですから、SIBOを良く理解し、その原因を知ることがとても大切です。
主な原因は、消化管の運動障害と慢性膵炎であり、これらで90%を占めるという報告があります。それ以外では、高齢であること、潰瘍性大腸炎、クローン病などの炎症性腸疾患、痛み止めの薬の使用、小腸に憩室をもっていることなどがSIBOのリスクとなります。
一般的な食事指導で繰り返しお伝えしている「甘い物を控えましょう」の糖質は、消化器系の運動を鈍らせ、小腸内の細菌をさらに増やし育てる行為になります。
甘い物が好きで、食べるとすぐお腹が張る人、下痢や便秘などの胃腸の不調を抱えている人は、このSIBOがあると思っていいと思います。
また、別にSIBOの改善法をお伝えしますが、やはり糖質過剰は怖いですね。
特に、精製された糖質はひかえて行きたいものです。
(参)小腸を強くすれば病気にならない
現代人の多くが口腔内に炎症を持っています。
それは、歯医者さんに行くと歯と歯茎の間のポケットに棒を差し込んで(フローピング)、その深さを測ることがあります。すると、歯周病のある人には出血が見られます。
つまり、ポケットの奥に炎症、潰瘍が出来ているということです。
そういう方は、歯磨きの時に出血があります。
歯肉や歯周組織に炎症が生じると、炎症サイトカインが産生されて全身を回るほか、血管透過性が増し、歯周ポケットから口腔内の細菌が体内に侵入します。
このように炎症があると、体内で火事が起こっているようなもので、さまざまな全身疾患につながるリスクが分かっています。
さて、現代の人の胃酸の強さはpH4前後と、ひと昔前のpH2くらいからはるかに酸性度が弱くなっています。この原因は、食品添加物などの化学物質を多く含む食事、偏った食事、胃酸を抑える薬品のせいだと考えられています。
このように、胃酸の力が弱いとピロリ菌だけではなく、口腔内にいた一部の細菌なども胃酸では殺菌できなくなっています。その結果、口腔内細菌は胃を通過して腸にまで到達してしまうことが分かっています。
そして、いわゆる悪玉菌が増殖するなどの腸内細菌のバランスをおかしくしてしまい、小腸に細菌が繁殖してしまうSIBO(小腸内細菌増殖症)にかかったり、免疫システムに障害をきたします。
その結果、先程の口腔内の炎症が全身に及ぼすことと相まって、さまざまな全身疾患を引き起こすことが分かってきました。
例を挙げれば、糖尿病、脳血管疾患、心臓病、関節リウマチ、肺炎、慢性閉塞性肺疾患、周産期合併症(早産)、慢性腎臓病などです。
さらに、歯周病によって歯を失うと、肥満・メタボリックシンドロームも引き起こされて行きます。
歳を取ると、体の潤いが低下してきて、口腔内も例外ではありません。さらに、安定剤など薬剤の服用によっても唾液の分泌が低下してしまうのもがあります。
また、ストレスにより交感神経が優位になると、消化器系の運動低下も含め、唾液の分泌が低下し、口腔内の洗浄力が低下してしまいます。
このように口腔内環境は、咀嚼やかみ合わせも含め、食事、ストレス、薬剤に大きく関連しています。
ですから、普段の食事においては、炎症を起こさないよう食材や油の選び方、また添加物にも意識していくと同時に、歯間も含め歯のブラッシングをしっかりして行きましょう。
また、ブラッシングの後に抗炎症作用のあるオメガ3の油である亜麻仁油を口に含んで、クチュクチュするのも口腔内の衛生には非常に有用です。
ぜひ、お試しください。
糖化した食品を食べ続けると、ありとあらゆる病気になります。
ガンを始め、骨粗鬆症、心疾患、脳血管疾患、膠原病、認知症、パーキンソン病、神経疾患、白内障、腎臓病、耳鼻疾患などです。
では、なぜ糖化した食品を多く摂ると病気になるのでしょうか。
それは、細胞内の糖化と血管内の糖化に分けてみることが出来ます。
まず、細胞内の糖化は、ミトコンドリアや細胞核の破壊につながります。ミトコンドリアは生命エネルギーの産生器官であり、これが破壊されるとエネルギーが作れなくなります。また、糖化物質は酸化物質であり、細胞内の汚染はガン化につながります。
もう一つの血管内の糖化は、血液の循環を悪くします。いわゆるドロドロ血と言われるような状態を引き起こし、赤血球の変形能を悪くして毛細血管のゴースト化にもなります。また、糖化物質は酸化物質のため活性酸素により血管壁を傷つけたりします。
これらの影響で、さまざまな疾患を引き起こしていくのです。
ちなみに、糖尿病は網膜症、腎症、壊疽という三大合併症を引き起こして行きます。その最大の原因は糖化物質が血液の循環を悪くするからです。そうすると、末梢の毛細血管は流れなくなり、その臓器や組織には、栄養や酸素は行かず、活性酸素の餌食になり破綻して行きます。それが、目の網膜であり、腎臓であり、下肢の末端なのです。
前回、フライドチキンや唐揚げを毎日1個でも13%死亡率を上げ、フライドポテトは週に2回でも2倍に死亡率を上げることを言いましたが、先日、鶴見隆史先生と船瀬俊介先生のお話しの中でさらに衝撃的な話をお聞きしました。
それは、2018年カルフォルニア州法で、スターバックスなどのコーヒー店に「コーヒーには発ガン性があります」との表示を義務付けることが決まったとのことです。つまり、マクドナルドやスターバックスやその他ファーストフード店やファミリーレストランの店頭に「コーヒーには発ガン性があります」と表示されているということです。
確かに、コーヒーは焙煎という加熱調理により糖化物質が出来ます。そのことに対しての関心がとても高くなっているということです。ある意味、食品のメリットとデメリットを深く考えて行くことにもなり、その線引きをいろんな面で考えて行かなければならなくなっています。
そして、高温加熱調理によって多くのものに糖化物質を発生させて摂取している現代人は、ますますガンのリスクが増加しています。
その一方で、糖化物質をほとんど含まない生の野菜を中心にとるヴィーガン(卵や乳製品を含む、動物性食品をいっさい口にしない「完全採食主義者」)は、ここ10年で10倍に増えています。
来年、東京オリンピックが開催され多くのヴィーガンが来日します。グルタミン酸ナトリウムが神経毒と知る欧米人も含めヴィーガンの外国人に対して、これから東京都内ではヴィーガン対応可のレストランが増加していくでしょう。
30年間ヴィーガンだというポールマッカートニーからオリンピック選手村にヴィーガン食レストランを作ってねと言われた小池都知事と、東京オリンピックの大手スポンサーである味の素の対応も見どころになりますね。
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