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栄養

運動や肉体疲労に塩化マグネシウムを利用しましょう!

マグネシウム(Mg)は、最も重要なミネラルであるにも関わらず、最も枯渇しているミネラルとされています。Mgは体内の325種類以上の酵素を制御していて、そのうちで最も重要な酵素は、エネルギーの産生や運搬、貯蔵、利用を行う働きをしています。

Mgには多数の生理的な役割があって、神経作用の調整、心臓活性、筋肉収縮、血管緊張、末梢血流などに関与しています。Mgは、どこに利用しても細胞に新しい生命やエネルギーをもたらし、全身の薬にもなります。

Mgが体に満たされれば、感染症やインフルエンザと楽に闘うことができる、強力な免疫システムを持つことになります。Mgは白血球の数を増やすことなく、白血球の能力を強化させる作用があるとしています。

Mgは、天然のスタチンに例えられます。コレステロールは、細胞の生体膜や、ステロイドホルモン、ビタミンD、CoQ10、胆汁の原料などとして、種々の生命活動に不可欠な存在であるため、スタチンによってコレステロールの合成が遮断されると、時にガンを始め、実に多様な健康問題を招くことにつながります。

Mgは天然のトランキライザーとも呼ばれ、精神疾患の治療や中年期の記憶力低下の回復、ストレス対処には有効なミネラルであるといえます。

血中Mgの高値は、あらゆる死因による死亡リスクの4割減と関連していた他、循環器系による死亡リスクにおいても同程度でした。さらに、DNAの不安定を修復する働きもあり、ガンにおいては5割低下していました。

Mgは、月経困難症、早産の予防、期外収縮、妊娠高血圧症候群の緩和、さらに更年期の症状にとって必須です。

特に経皮的に使用した場合、自然な方法で徐々にDHEAが増えることが報告されています。DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)は「若返りの泉」と言われる生活の質全体を改善する天然のホルモン物質です。

とにかく、Mgは性的能力や免疫反応、脳機能、寿命との関連性が強固で、これらあらゆる要素において不可欠です。

そして、炎症を鎮めたりするのもMgで、アスリートは競技や練習後、局所にマグネシウムのスプレーをして効果的にMgを補給しています。

神経、血管、細胞膜などの全身の機能を高めるので、スポーツ栄養にとって最も重要なミネラルだからです。十分なMgは運動能力アップや、ケガや疲労の回復を増進します。

Mgを補給すると、運動能力試験において最大酸素摂取量と総運動量の増加がみられました。

特に、Mgの補給においては“塩化Mgの経皮療法”が優れています。高濃度の塩化Mgを飲食に利用する以外に、塩化Mgのスプレーや入浴剤などで経皮からの利用で運動のパフォーマンスアップを試して見て下さい。

[健康法/栄養]2023.06.11

骨質を担うコラーゲンにも「善玉」と「悪玉」があります!

骨の健康では良く「骨密度」という骨量が話題になりますが、骨の質も重要です。その「骨質」は強さとしなやかさを表し、主にコラーゲンの質によります。

そのコラーゲンにも実は「善玉」と「悪玉」とがあります。善玉コラーゲンは、弾力性を保ちながら骨を強くするのに対して、悪玉コラーゲンは骨を硬くするだけで陶器のようにもろくしてしまいます。

この善玉と悪玉の違いを決定づけているのが「ホモシステイン」という物質と「糖化」という現象です。

ホモシステインは、必須アミノ酸であるメチオニンが体内で代謝される途中の物質で、ビタミンB群の働きで別のアミノ酸になったりしますが、ビタミンB群が少ないと増加して行きます。一般的に血中ホモシステイン値が高いと動脈硬化になりやすく、心疾患にもかかり易いとされています。

そして、増えたホモシステイン自身は酸化されると、体内の酸化ストレスを高めて、その結果、糖とタンパク質が結合した糖化最終産物(AGEs)が産生されやすくなり、産生されたAGEsがコラーゲン分子の架橋を過剰に形成し、悪玉コラーゲンとして肌や骨のしなやかさや適度な弾性が失われて行きます。

事実、大腿骨頸部骨折した高齢者の骨には悪玉コラーゲンが多く、血中のホモシステイン濃度が高いことが分かっています。

ですから、コラーゲンの悪玉化を防ぐためには、ホモシステインの代謝に関わるビタミンB群の内の「葉酸、ビタミンB12」や「ビタミンB6」を補うことが重要です。また、酸化ストレスを抑え、正常なコラーゲンの生成を促すビタミンCやポリフェノールなどの抗酸化物質の摂取を心がけて行きましょう。

ちなみに、腸内細菌も「葉酸、ビタミンB12」、「ビタミンB6」などのビタミンを作ってくれています。ですから、腸内環境を整えて、細菌の力を最大限借りることも大事です。

 

(参)老化を止める

[健康法/栄養]2023.04.26

VIPなビタミンDの能力

現代日本人は、日光浴で簡単に作られるはずのビタミンDが不足しています。

特に、美白が良いと思う傾向やコロナ禍による外出抑制などにより、この傾向はより増加しています。

このビタミンDは、他のビタミンと違って、細胞膜を通過して、中枢部である細胞の核に働きかけ、さまざまな細胞の働きを指揮するような役割を担っています。ビタミンDの受容体は、脳、前立腺、乳腺、大腸および免疫細胞など、全身の200以上の細胞に存在しているため、単に、骨の代謝を良くしたり、血中のカルシウム濃度を高めたりするだけではなく、免疫系を活性化したり、細胞増殖の抑制やアポトーシス、細胞分化の誘導、血管新生などにも関与しています。

これらの働きを見ると、実はビタミンDの本質は“ホルモン”と言ってもよいほど、全身の細胞に大きな影響を与えています。そのため、近年ではさまざまな分野で研究が進んでいます。

そのビタミンDの主な働きは次のものです。

 

・カルシウム代謝の正常化

・骨・歯・筋肉の健康

・免疫力の増強(新型コロナウイルスの感染防止)

・がん・感染症・自己免疫疾患などの予防

・動脈硬化・心臓疾患の予防

・糖尿病の予防

・うつ病・社会不安障害の予防

・認知症予防

・筋力低下予防

・死亡率低下・アンチエイジング

 

特に、日本人の死因1位の“がん”にも効果的であり、ビタミンDには発がんを抑制する働きがあることも知られています。乳がんや肺がん、大腸がんでの発症リスクの減少が実験により分かっています。また、白血病に関しても、ビタミンDの血中濃度が低いと、病状が収まる確率が低く、入院日数も長いことが分かっています。

さらに、ビタミンDには抗炎症作用があり、炎症がさまざまな生活習慣病を引き起こしていることを理解していると、ビタミンDが死亡リスクにつながる病気を予防できる特効薬と言えます。

そして、ビタミンDは日光浴により、体内で80%作られます。

太陽の光はタダです。ですから、週2~3回、10分から30分ほど、日光浴をしながらウォーキングをしてみましょう。

特に、がんの方は様々な面で日光浴兼ウォーキングがメリットをもたらしてくれます。筋肉を落とさないよう、適量のタンパク質を取りながら、無理しない程度にやって行きましょう。また、最近の研究では、ビタミンDが新型コロナウイルスの感染予防に役立ち、また、死亡のリスクを下げることも分かっています。

プラズマ療法でも感染性ウイルスの弱毒化をサポートする症例があり、また、エネルギーを補い、疲労を取り除き、体調を整えるサポートをしてくれます。ぜひ、上手く利用しながらビタミンDを増やして行きましょう。

 

(参)最高の栄養

[がん/健康法/栄養]2022.12.28

寒い時期程、しっかりと日光を浴びましょう!

冬至も過ぎ、日本海側では冬将軍の到来により大雪に見舞われています。関東・山梨では雪こそ降りませんが、非常に厳しい寒さになって来ました。

しかし、このような時期程、太陽の光をしっかり浴びることが大切です。

それは、私たちの体内でビタミンDを作るのに、日光の紫外線が必要なためです。実は、ビタミンDは食事からが約20%、皮膚における合成が約80%とされていて、食事よりはるかに日光が必要なのです。

ちなみに、食事の摂取源には酵母、キノコ等や魚類、卵などの動物体があります。一方、体内合成の材料は、よく悪玉にされているコレステロールになります。(本来は、悪玉ではなく必要なもので、薬剤で下げるべきものでもありません)

さて、私たちに必須のビタミンDを自身で作っていくには太陽の光をしっかりと浴びることが大切ですが、この寒い冬の時期は日光の量も少なくなり、また、寒さのため肌の露出も少なくなります。そのため、どうしてもビタミンDが不足しがちな時期なのです。

実は、現代日本人は若い人ほど血中カルシジオール(活性型ビタミンDの前駆物質)の濃度が低いというデータがあります。さらに、日本人女性の67%がビタミンD欠乏状態にあると示唆されています。特に、コロナ禍により部屋に閉じこもりがちな生活とマスクによる露出の減少です。

ビタミンDが不足すると、次のような疾患の罹患率や症状が上昇します。それは、冬季うつ、がんの発生、末梢動脈疾患、高血圧、免疫力低下による感染症、自己免疫疾患などです。

ビタミンDの不足は、コロナにかかり易くなるばかりか、重症化しやすいというデータも出ています。

ですから、日中少しでも天気の良い日は、充分量のビタミンDを生合成させるよう、週に2回、10分~30分以上日光浴をしてみましょう。

 

[健康法/栄養]2022.12.24

タンパク質はしっかり摂りましょう!

私たちの体を構成する主要なタンパク質は、体重の約20パーセントを占めています。そのタンパク質は、筋肉やお肌のコラーゲン、毛髪や爪のみならず、血液のヘモグロビンや体内の多くの酵素の原料になっています。分かっているだけでも、約10万種類ものタンパク質が存在しています。

そして、私たち体内のタンパク質は20種類のアミノ酸からなっています。不思議なことに、アミノ酸は自然界に約500種類も存在するのに、たった20種類です。

さて、私たちが食事で摂る3大栄養素である糖質、タンパク質、脂質の内、唯一タンパク質だけは保存が効きません。毎日、摂取しなければならない栄養素です。

ですから、きちんと毎日タンパク質を摂取しないと様々な不具合を生じてしまいます。筋肉がやせ細っていくだけではありません。

筋肉量のみならず、骨も弱くなり、肌も荒れて来ます。各種ホルモンの原料でもあり、精神機能にも影響を与え、各種ストレスに弱くなります。また、免疫成分も主にタンパク質であり、タンパク不足は感染症に対して抵抗力の弱い身体になります。

ですから、タンパク質はしっかり摂ることが大切です。

ここで、その食材はと言いますと、肉より魚、魚より野菜・大豆が健康に良いと思います。肉の中では、獣舎より放牧されたグラスフェッドの肉、四つ足よりは鶏肉が良さそうです。また、魚はマグロなどの大きい魚より手のひらサイズの小魚、イワシ、アジ、サバ、サンマなどの青背の魚が良いでしょう。そして、植物では大豆やブロッコリーが優れています。大豆は、がん予防に効果のある食品群、デザイナーフーズ・ピラミッドの頂点に位置する食品でもあります。大豆のイソフラボンは、大腸がんや乳がんなどのリスクを減らすという研究もあります。

そして、タンパク質をしっかり摂ると言っても、一日の摂取カロリーの20パーセント以下にはしたいものです。というのも、20パーセント以上ですと、がんの発症が上がるとされています。また、腸内環境も悪化しやすくなります。

最期に、しっかりタンパク質を摂ることで健康を保っている人の期待を以下に挙げて見ます。

 

・貧血しにくい ・血圧が正常に保たれやすい ・ホルモン分泌が正常に保たれやすい ・細菌やウイルスに感染しにくい ・内臓障害が起こりにくい ・内臓が下垂しにくい ・筋肉が劣化しにくい ・姿勢が悪くなりにくい ・リウマチになりにくい ・出血が止まりやすい ・骨折しにくい ・虫歯になりにくい ・疲労しにくい ・公害や薬害にやられにくい ・シワになりにくい ・老化を減速する ・消化不良を起こしにくい ・食欲不振になりにくい ・傷の治りが早い ・ストレスに強い

 

(参)高タンパク健康法

[栄養/]2022.12.21

食欲の秋、メタボに気をつけましょう!

暑い夏がまだ続いていますが、朝の空気は秋らしくなって来ました。

暑いと、どうしても胃腸の働きも低下して、食欲も落ちてしまいます。ですが、少し暑さが和らぎ、秋になると胃腸も元気になります。

自然は本当にうまく出来ていて、食欲の戻るこの季節に秋の豊饒の実りが待っています。

さまざまな果物や穀物が食卓を飾ります。

フルモニをしている私の朝食は、八十八歳の父が作るシャインマスカットや時期のリンゴやナシなどです。

ところが、普段食にこれらを追加して食べ過ぎると問題が起こります。

地元の内科では、糖尿病の数値が軒並み上昇しています。

フルーツは、朝食の代わりか、普段食のカロリーを考えた上で追加する程度が理想です。

それは、果糖の問題があるからです。

果糖は、あらゆる臓器で代謝されるブドウ糖とは違い、ほぼ肝臓でしか代謝されず、しかも、糖化であるメイラード反応をブドウ糖より7倍速く発生させてしまいます。

つまり、果糖は体中の細胞をより速く老いらせ、老化現象、がん、認知機能の低下など、さまざまな退行変性プロセスを引き起こしかねません。

そして、果糖がメタボリック症候群の主要原因になっていることを示唆する研究がたくさんあります。

メタボリック症候群は、インスリン抵抗性を引き起こし、代謝機能を妨げます。中性脂肪を増加させたり、血圧を上げたり、心臓発作や脳卒中のリスクを高めます。さらに、不妊症、糖尿病、がん、認知症のリスクも高めるのです。

ちなみに、果糖以外ではトランス脂肪酸やアルコールがメタボのリスクを高めます。

そして、果糖は現在“異性化糖”が問題を大きくしています。

この異性化糖とは、主にトウモロコシから作られる高フルクトース・コーンシロップのことで、含まれる果糖が50%未満のものは「ブドウ糖果糖液糖」、50%以上90%未満のものは「果糖ブドウ糖液糖」、90%以上のものは「高果糖液糖」と呼ばれているものです。

清涼飲料水以外にも、さまざまな食品に使われていて、現代人は口にしない日はないくらい浸透しています。生活習慣病の元凶の一つだと認識しています。

ですから、食品を購入するときには、裏側の表示を見る癖をつけて下さい。

ただ、フルーツの果糖は自然のビタミンやミネラル、酵素が豊富で、代謝への負担をこれらがサポートするので、質的には良いものです。柿やリンゴは医者を遠ざけるとも言われています。摂るタイミングと量を考えて、フルーツはおいしく楽しみましょう。

 

(参)果糖中毒、女性のためのナチュラル・ハイジーン

 

[栄養/]2022.09.14

感染症対策に”亜鉛”もお忘れなく

なぜか、この暑い時期にも変な感染が流行っています。

暑いと、体のさまざまな機能が低下してしまいます。胃腸の機能が低下して食欲も湧きません。必然的に、免疫力が低下して、さまざまなウイルスや細菌に感染してしまいます。

今回は、以下のような症状がある場合は、ビタミン・ミネラルの不足の中で特に、亜鉛(Zn)の不足を考えてみて下さい。

・頻繁な感染、風邪、インフルエンザにかかりやすい。感染症が重症化しやすい。

・疲れやすい。食欲不振。

・視力が落ち、薄暗がりでよく見えない。

・皮膚炎、ニキビができやすい。肌荒れ。

・傷の治りが遅い。

 

亜鉛(Zn)は体内に約2g存在していて、200以上の酵素の活性化に役立っています。成長や新陳代謝の促進(DNAの合成)、味覚や嗅覚の正常化、食欲の正常化、脳の機能維持、女性ホルモンの分泌を促進されることによる女性の美しさ保持、細胞の老化やがんの抑制(抗酸化酵素)、免疫力の維持、男性器の健康保持、抗糖尿病作用、抗肥満効果、妊娠時における胎児の成長の正常化、鉛や有害金属から生体を保護(解毒作用)、ビタミンCとの協力によるコラーゲン合成、ビタミンAの代謝の促進など、生体内で数多くの働きをしています。

亜鉛は、カキ、ウナギ、肉類、ショウガ、全粒穀物、大豆、ホウレン草、トウモロコシなどに多く含まれています。

亜鉛は、精白穀類やファーストフード食、加工食品の偏食、インスタント食品の過食、清涼飲料水やアルコールの多飲、大量に汗をかくスポーツなどで不足をもたらします。現代人は容易に不足しやすい環境に置かれているので、ほとんど全ての人は、亜鉛を意識して摂って行く必要があるミネラルです。

視力低下、長期ストレス、アレルギー、聴力障害、味覚障害、栄養不良、易感染性、アルコール多飲、脆い爪、傷の治りが悪い、薬物利用者、がんなどの人は、特に亜鉛不足を考えてみましょう。

また、亜鉛は貯蔵するための仕組みがしっかりと備わっていないので、ファスティング中は亜鉛不足にならないように補給を続けることが必要です。

ちなみに、風邪などの感染症の場合には、プラズマウォーターが弱毒化するとされていて、多くの症例がありますので、ぜひお試し下さい。

”マグネシウム”をしっかり摂りましょう!

金偏に美しいと書いて、マグネシウムと読みます。それは、美肌にも役立っているからです。

体内の約96%は、炭素、水素、酸素、窒素で構成される炭水化物(糖質)、タンパク質、脂質、ビタミン類などの有機物と水分からできていますが、残りの約4%を構成しているのがミネラル類(無機質)です。ミネラル類の中で体内量の多いものを多量ミネラルといい、99%以上占めています。細胞の機能を維持するナトリウムとカリウム、丈夫な骨や歯を作るカルシウム、マグネシウム、リンがこれに当たります。今回は、その中のマグネシウムのお話しです。

マグネシウム(以降Mgと表記)は、骨の強化で有名なカルシウムのブラザーミネラルとしての働き以上に多彩な働きをする別格のミネラルです。

Mgは体内の325種類以上の酵素を制御していて、そのうちで最も重要な酵素は、エネルギー(ATP)の産生や運搬、貯蔵、利用を行う働きをしています。

Mgは主に体内の組織細胞で機能し、ATPと結合して身体の活力を生むエネルギーの源を作り出しています。

ATPとMgは、遺伝子の活動作用にも参与しているほとんど全ての酵素系でも不可欠の共同因子として働いています。十分な量のMgがなければ、DNA合成が不活性化するといいます。そのほか、細胞の新陳代謝に関するものでは、細胞成長、細胞増殖が、Mgによって制御されています。肌の潤いに役立つヒアルロン酸の産生を促進することも確認されています。

Mgは体内の神経を活動させる電流を統合調整しています。Mgには多数の生理的な役割があって、神経作用の調整、心臓活性、神経伝達、筋肉収縮、血管緊張、血圧、末梢血流などに関与しています。カルシウムの細胞への出入りを制御、調整しているのもMgであり、これが筋肉活動を支配しています。そのため、Mgがなければ、筋肉や神経の機能が危険にさらされ、エネルギーが低下します。そして、筋肉衰弱、骨軟化、不安神経症、心臓発作、不整脈、さらには突然発作、けいれんに至ることもあります。あらゆる体内の動きは電気伝導によって生まれていますが、体内電流の伝導体がカルシウムであり、血液中のカルシウム・チャネルを通って細胞に入りますが、このチャネルはMgが制御しているのです。

カルシウムが過剰に細胞に入ったままになると、心疾患、喘息、頭痛、その他多くの症状が発生します。Mgはいわば、自然が作ったカルシウム・チャネルのブロッカーなのです。(人工的なものは降圧剤として利用されています)

血管を拡張したり、炎症を鎮めたりするのもMgです。Mgで満たされた体は、風邪やインフルエンザなどの感染症と楽に闘うことができる、より強力な免疫システムを持つことになります。

Mgは、天然のスタチンに例えられることがあります。コレステロールは、細胞の生体膜や、ステロイドホルモン、ビタミンD、CoQ10、胆汁の原料などとして、種々の生命活動に不可欠な存在であるため、スタチンによってコレステロールの合成が遮断されると、実に多様な健康問題を招くことにつながります。よく知られている横紋筋融解症の副作用のみならず、時にガンを引き起こすこともあります。スタチンがステロイド合成酵素を標的とし、その代謝プロセスを徹底的に破壊してしまうのとは対照的に、Mgは同じ酵素に作用するものの、より自然に、よりマイルドに働きかけます。体内にMgが十分に存在すれば、コレステロールの合成量は、生命活動に不可欠な機能を満たすためだけにとどまり、過剰になることはありません。

今医療費の上昇で国を挙げて医療費の削減に努力していますが、その中でスタチンは真っ先に中止を検討できる薬剤として挙げられています。安易に継続するのは害が多いので、主治医と相談してみると良いでしょう。

Mgは、最も重要なミネラルであるにも関わらず、最も枯渇しているミネラルでもあります。ストレスや発汗、アルコールの過剰摂取で簡単に排出されます。

我々の体は、未だに、カルシウムは維持できますが、Mgは体内で維持できません。ですから、積極的にMgを取っていきたいものです。

Mgを用いた治療は、細胞や免疫システムの機能を改善し、酸化的損傷から細胞を保護するように作用することによって、全身の栄養不足に対応します。

Mgは、どこに利用しても細胞に新しい生命やエネルギーをもたらし、局所的な薬にもなれば、全身の薬にもなります。Mgが食品、もしくは薬として広く補給、利用されれば、何兆円もの医療費を軽減し、何百万人もの命を救うことができるでしょう。

Mgは特に経皮吸収が良いことが分かっています。入浴剤として評判の「マグネシウムバスソルト」はお勧めです。一日の疲れをとるため、スポーツの疲労の軽減と回復のため、美容健康のために、ぜひご利用ください。塩化Mgを経皮的に使用した場合、自然な方法で徐々にDHEA(デヒドロエピアンドロステロン)が増えることも報告されています。「若返りの泉」とも言われているDHEAによるアンチエイジングとしても、ぜひお勧めです。

食品では、海藻類、穀物、大豆、ゴマなどから摂れます。「まごわやさしい」食事ですね。マグネシウムをこれから意識してみましょう。

 

[ブログ/栄養]2022.07.10

ビタミンB群は頭を良くします

母親がビタミンB群、鉄等を妊娠中にしっかり摂っているとIQ(知能指数)が高くなることが分かっています。

4歳児189人のテストでは、妊娠中、ビタミンB群、鉄を摂っていた場合は、摂っていなかった場合と比べてIQが8高くなりました。

一般的に、大きな努力をしてもIQを5上げるのは大変なことであり、10高まれば人生に大きな影響が出ると言われています。子供に「勉強しなさい!」と言わなくても、妊婦が積極的にビタミンB群を摂ることは最も効率の良い「頭の良い子に育てる方法」とも言えます。

また、IQに限らず、胎児のうちから十分なビタミンB群が与えられることによる恩恵は、母子ともに大きなものがあります。特に、ビタミンB群が十分ある環境で育った赤ん坊は、新生児の初期から6時間程度連続して眠れるので夜泣きが少なく、不機嫌や人見知りも少なく、笑顔が多く穏やかなので、親もとても育てやすいのです。

しかし、妊娠中ビタミンB群が少なかった場合でも、その後母親がしっかりビタミンB群や鉄等を含め栄養改善に努めることで、体調を改善し、良い母乳により、子どもの成長にプラスになって行きます。

ちなみに、「三つ子の魂百まで」ということわざがありますが、3歳までに1万冊の絵本を読み聞かせる実践によって、4人の子ども全員を東京大学理科三類(医学部)に入学させた例もあります。頭は栄養で出来ていますから、炎症を抑えた食事とビタミン・ミネラル・オメガ3の脂質をしっかり摂る食事、それと親の読み聞かせは学力の土台作りになります。ストレスに強い心身を養い、これからの変化の激しい時代を乗り切る基本になるでしょう。

さて振り返りますが、ビタミンB群には、ビタミンB1、B2、B6、ナイアシン、パントテン酸、B12、葉酸などが含まれます。体内で代謝がスムーズに進むためには、それを促す“酵素”が必要です。酵素そのものはタンパク質なので、タンパク質をしっかり摂ることが必須で、さらに酵素がまともに機能するためにはビタミンB群が必要なのです。

代謝とは相互に関係し、影響し合う流通網のようなもので、1カ所でも滞るとその影響で重大な障害をもたらす場合があります。

ビタミンB群は脳・神経系で特に需要が高く、子どもにおいてはB群を十分に摂れたかどうかで、脳神経系の発達具合、さらには知能指数(IQ)にも歴然とした差が出るのです。ですから、うつや発達障害に限らず、学業やスポーツのパフォーマンス向上にもビタミンB群は十分に摂って行きましょう。

ここで、ジャンクフードや精製された糖質類の過剰摂取は、ビタミンB群を消耗しますから、控えて行きましょう。

ちなみに、感染予防においてお勧めの“チョコラBBプラス”もビタミンB群です。受験時や人込みに出たりしてどうしても感染するリスクを下げたい場合や暴飲暴食してしまった時にも有益なので、ぜひご利用してみて下さい。

 

(参)食事と栄養で心の病が治るワケとコツ、月刊致知2022・2月号

[栄養]2022.03.09

ビタミンB6のお話し

ビタミンB6は、他のビタミン同様、様々な代謝の補酵素として働いています。

特に、ビタミンB6は100以上の補酵素として、すべてのアミノ酸の代謝に関与しています。糖原性アミノ酸からの糖新生、アミノ基転移、DNA合成、尿素の生成、ヘモグロビン合成、ホモシステイン代謝の正常化等に働いています。

また、細胞の新陳代謝を促し、発育促進、生殖機能の活性化などの働きをしたり、免疫機能を維持するのに必須です。妊娠中のつわりや、月経前後に現れるイライラや落ち込みなどの、女性特有の症状を軽減する働きもあります。

さらに、神経伝達物質の合成にも関わっています。

ビタミンB6の欠乏症として現れやすいものとしては、貧血、口角炎、口内炎、舌炎、脂漏性皮膚炎、多発性末梢神経炎、痙攣、てんかん発作などとされています。

本来、ビタミンB6は欠乏しにくいビタミンで、活性化されるのにビタミンB2が必要なので、同時かもしくはビタミンB2のほうが不足しやすく、その時には先にビタミンB2の欠乏症が現れます。

菜食主義者、アルコール愛飲家、喫煙者、薬品摂取者は欠乏のリスクが高くなります。

また、ビタミンB6は腸内細菌でも作られるので、抗生物質を服用した場合は、不足しがちになります。

ちなみに、分子栄養学的に、逸脱酵素のASTとALTとの関係で、ALTがASTより2以上の差で低い場合にビタミンB6不足と考えます。

さて、ビタミンB6の不足によって起きやすい症状には次のものがあります。

  • タンパク質合成の低下によるもの・・・食欲不振、体質虚弱、リンパ球や抗体の減少、易感染性、がん免疫低下
  • 神経伝達物質合成低下によるもの・・・神経の過敏、痙攣が起きやすい
  • ヘモグロビン合成低下によるもの・・・貧血
  • アミノ酸代謝異常によるもの・・・動脈硬化、糖尿病、ナイアシン不足

特に、鉄芽球性貧血症、動脈硬化や心臓病の予防、脳の正常な働きの維持、妊婦や授乳婦の健康維持には、ぜひ積極的にビタミンB6を補って下さい。

もともとビタミンB6は皮膚炎を予防することから発見されて、過剰なアレルギー応答を抑えたり、免疫機能を正常化に維持するのに役立ちます。

感染症、花粉症、がんなどには、やはり栄養を見直して、必要なビタミンはしっかりと摂って行きましょう。

[栄養]2022.02.23