ナチュラル・ハイジーンは、2000年以上前にギリシャの賢人たちが実践していた「自然健康法の理論」を基本としています。
代表的な哲学者、ヒポクラテスは「あなたの食べるものはあなたにとっての薬である」と述べています。
ヒポクラテスやソクラテス、ピタゴラス、アルキメデスたちのライフスタイルと、1830年以来アメリカの医師と学者たちが研究し実践してきた成果を体系化したもので、呼吸法から運動・食事・断食・ストレス解消法にいたるまで、理想の「ライフスタイル」が網羅されています。
現代の文明社会に生きる我々にとって、とりわけ大きな影響を及ぼしている「食生活に関するナチュラル・ハイジーンの考え方」の一部を簡単にご紹介します。
「病気知らずの食生活」として、3つの原則をご紹介します。
[第1原則]何を食べるのか
「命の水を豊富に含む食べ物」を食べること
「命の水を豊富に含む食べ物」とは、新鮮な果物と野菜です。この二つを生のまま丸ごとたっぷり食べることです。
[第2原則]いつ食べるのか
「食べるにふさわしい時間帯」に食べること
人間の体には食事をするにふさわしい時間帯、排泄にふさわしい時間帯、吸収された栄養が体に回り細胞やそのエネルギー源となるに(代謝するのに)ふさわしい時間帯があります。そのサイクルに従ったライフスタイルを守ることが健康への第一歩となります。
【午前4時~正午】排泄の時間
体内の老廃物と食物カスの排出にふさわしい時間
【正午~午後8時】摂取と消化の時間帯
食べることと食べたものの分解・消化にふさわしい時間
【午後8時~午前4時】吸収と利用(代謝)の時間帯
栄養が体に同化するのにふさわしい時間
[第3原則]どのように食べるのか
「正しい組み合わせの原則」に従って食べること
以上の3つの原則、何を・いつ・どのように食べたら良いのかを具体的に説明します。
① 果物を、朝、好きなだけ食べる(朝は果物だけにする)「フルモニ」
人間は、基本的に果食菜食動物です。DNAの配列が人間とわずか2.3%しか違わないとされるチンパンジーの食事が「果物50%、野菜40%、根菜類5%、動物性食品4%以下」であることから、「私たち人間にとって最もふさわしい食習慣とは、果物と野菜中心の食事である」としています。
基本的に、果物は食後のデザートにしたりせず、また高デンプン質野菜や加熱調理したものと合わせたりしないようにしましょう。
② 昼食と夕食は「低脂肪・植物性食品のホールフード」の食事にする
ホールフードとは、未精製・未加工の自然丸ごと食品のことです。
1日の野菜の摂取目標量は、生野菜で450g、温野菜で450g、合計900gです。その他に豆類、全穀類や加熱したデンプン質野菜などで構成します。
③ 動物性食品(肉・魚・卵・乳製品)は原則として食べないか、極力減らす
どうしても食べたい場合は、肉より魚を選び、ごく少量をたっぷりのサラダと合わせてとるようにします。動物性食品は白米などの炭水化物食品とは合わせません。
乳製品は完全にやめることをお勧めします。1日でも早く病気から回復したかったら、動物性食品はとるべきではありません。
④ できるだけ、ローフード・ライフ(生のままの食生活)を守る
加熱すると酵素が失われるばかりか、さまざまな弊害が現れます。ビタミンの多くも破壊され、ミネラルはインオーガニック(無機物)の状態に変わってしまい、体が利用できなくなってしまいます。
⑤ 間食や過食はしない
「食べ物とはお腹が空いたときに適量食べるもの」という考えを強く持って下さい。お腹が空いていないのに、時間が来たからといって無闇に食べるべきではありません。
また、無意識に口にする食物は、あなたの体内の貴重な酵素やエネルギーを浪費させてしまいます。食事と食事の間を十分にあけると、消化器官の仕事がスピードアップして、未消化の物質で体内環境を汚染するようなことがありません。
(参)女性のためのナチュラル・ハイジーン、フィット・フォー・ライフ
栃木県にある小さな当院に、なぜ、そんなに遠くから患者さんが訪れるのでしょうか。
タイトルの緑内障を例に挙げてみましょう。
緑内障は、眼圧が高いことにより、視野が欠けていく、つまり、見える範囲がしだいに狭くなっていく病気です。
これに対し、西洋医学の標準治療で中心的に用いるのは、眼圧を下げる点眼薬です。
しかし、点眼薬を使っていても、なかなか眼圧が下がらないどころか、むしろ上がり、視野が狭くなっていく人はたくさんいます。
すると、ある時点で、レーザー治療や手術を行うことになります。どちらも眼圧を下げるための治療です。ところが、思うように効果が得られなかったり、いったん下がった眼圧が再び上がったりして、それらをくり返し行うことになるケースが多いのです。
しかも、レーザー治療や手術は、かえって目にダメージを与えるリスクを伴い、そうこうしているうちに病状が進むと、生活に支障をきたすようになり、最悪の場合は失明に至ります。残念ながら、この道をたどる人は、少なくありません。
その結果、現在、日本人の失明原因(中途失明)の第1位は緑内障になっています。
この事実が、今の標準治療だけでは、緑内障から目を守り切れないことを物語っています。
それは、現在の緑内障の標準治療には、進行の阻止や改善に欠かせない、大切な要素がすっぽり抜け落ちているからです。
それは、「生活習慣の見直し」です。
その目的はいくつかありますが、最も重要なのが「全身の血行をよくする」ことです。実際は、緑内障の患者さんが一般の眼科を受診して、「全身の血行をよくするように」などと指示されることは、ほとんどないでしょう。
しかし、本当は、それが緑内障治療の基本中の基本です。
生活習慣や目の血流不足(酸素不足)が緑内障の病状を大きく左右することは、最新の研究によっても明らかにされています。
よほど急を要する場合を除き、しっかり生活改善を行うと、レーザー治療や手術を行わなくても、進行を抑えることは可能で、症状を改善できる場合も多いのです。
また、白内障では、簡単な日帰り手術ができるようになりましたが、最近の研究では、手術を行うと、加齢黄斑変性の発症率が3倍になることが分かってきました。
黄斑変性症は、目も網膜の中心にある黄斑という部分が変性し、視力が落ちる病気で、進行すると失明に至る病気で、現在、日本人の失明原因の4位になっています。
白内障も黄斑変性症も、体の血行をよくしたり、酸化を防いだりすることで、進行の抑制や改善ができるのです。
糖尿病や高血圧などは、「生活習慣病」と呼ばれ、治療の基本は生活改善ですが、緑内障・白内障・黄斑変性症も、実は同じで、「目の生活習慣病」といえます。
他に、糖尿病から起こる糖尿病網膜症、さまざまな目の病気で起こる眼底出血、黄斑前膜、高血圧や動脈硬化を基盤として起こりやすい網膜中心静脈閉塞症なども、目の生活習慣病としての側面が大きい病気・症状です。
改めて言うまでもなく、目は体の一部です。全身が健康なのに、目だけがこうした病気になることは、まずありません。
血行不良や冷え、腸内環境の悪さ、体の酸化や糖化という現象、これらを招く食べ過ぎや運動不足など、全身的・習慣的な要因から、多くの目の病気が起こっているのです。全身を不健康なまま放置して、薬や手術で目だけをいじっても、治りにくいのは当然です。
治療の主体はあくまで生活改善にあります。
また、受け身の治療ではないので、患者さん自身の意欲が必要になる方法です。
目の生活習慣病の改善法を、視力回復プログラムとしてまとめました。
・小食 ・食事 ・腸の正常化 ・運動 ・血流改善 ・睡眠 ・心
当プラズマサロンでも、抗酸化と血流改善のプラズマ療法と同時に、これらの指導を丁寧に、くり返し指導しております。
本質的な生活改善は、がんにも目にも良いのです。
(参)緑内障・白内障は朝食抜きでよくなる
人間を始めあらゆる生物は、否が応でも歳をとるごとに老化して行きます。
この老化とは、酸化したと言うことで、酸化は活性酸素によって起こった現象です。
酸化をしない人などいないのですが、酸化が少なく、ゆっくりと酸化しながら歳を取ると、大した病気もせずに、老衰で亡くなることになるでしょう。一方、病気をする人は、ある時に酸化をする何かが強く働くため病気をすると言えます。
酸化をする何かとは、悪い食事であり、悪いライフスタイルであり、強烈なストレスであるのです。このような、活性酸素を多く出し、酸化を強くする生活は、あらゆる病気やガンや難病の根本になります。また、西洋薬のほとんどが酸化を助長するものなので、気を付けなくてはなりません。
それため、人はもし健康を望むなら、酸化のしにくい食事やライフスタイルが必要で、酸化のしにくい精神生活が必要なのです。
さて、人間の寿命は、酵素を体内通帳から少しずつ使って生きて行くようなものとされています。
一生で、一定量の酵素があり、日々の生活の不足分を補って使うため、これを「酵素貯金」と言います。
そのため、酵素は外から取ると、日々少しずつでも失われて行く酵素は補えるため、酵素だけは、外部からの補充が極めて有利に働くのです。ですから、酵素が多く含まれた食材が健康の秘訣になります。
酵素の多い食材としては、第一に生野菜とフルーツが挙げられます。人間は、本質的に穀物採食動物です。このことは、歯型ではっきりしています。人間は、基本的には、フルーツが合う歯型であり、穀物採食が合う歯型です。肉食動物は、酵素の存在する生肉を食べると極めて健康になるが、人間は、生野菜とフルーツを多く取ると健康になるように出来ているのです。
酵素が存在し、体内で有利に働くその他の食材としては、発酵食品です。納豆や漬物、キムチ、生の味噌などです。また、生野菜をおろすことは、生野菜をそのまま取る以上に酵素が取れます。
低速ジューサーで生野菜やフルーツのジュース&カス(繊維)を飲むことも同様です。
酵素やファイトケミカルやビタミン、ミネラルの多い食物により、死ぬまでボケず、病気もせず、大変長寿でピンピンコロリと行けるようになるのです。
ですから、アメリカは、プラントベースでローフードのヴィーガン食が流行り始めたのです。
また、病気治しに絶対欠かせないのも、こう言った酵素やファイトケミカルその他スカベンジャー物質です。
とにかく、生の野菜やフルーツや漬物、キムチ、納豆くらい体に良い食材はないことを知って頂きたいと思います。
(参)森愛の響き
今の西洋医療のやり方を「アロパシー」と言います。アロパシーは、目先対処の治療のこと。
つまり、症状をとれば良いという医療で「対処療法」とも言います。この治療の根本的発想は、まさに、人間をロボットのように考え、部品交換的に行うアナログなやり方です。
必要な手術においては、非常に有効ですが、このような対処療法は、根本的な健康獲得とは全く無縁です。一時期は良くても、後々にむしろ大変な病気に襲われます。いわゆる副作用だらけになった挙句、新たなもっと重い病気がやってくるのです。その時にはもはや対処療法では治りません。
一方、根本的なやり方を「ナチュロパシー」と言います。原因を正し、食事を整え、腸の改善から治療するやり方です。悪い食事や悪いライフスタイルを改め、正常な排泄をして、血液循環を良くし、体内環境・細胞環境を良くすることから全身の体質を良くする方法です。
このナチュロパシーを使うやり方をしますと、時間はかかりますが、根本的に治っていくのです。このナチュロパシーのやり方に薬は使いません。薬そのものが原因と考えるからです。
薬はまさにアロパシー的なやり方です。
最近、アロパシーでは病気は治らないとして、ナチュロパシーに向かう人々が大変増えました。ナチュロパシーである「ナチュラルハイジーン」を学び実践する医師が大変増えてきたからです。
アメリカに「プラントリシャンプロジェクト」というナチュロパシーの大会がありますが、2013年から始まり、参加者は年々増加し、2018年には1000人を越えました。
その参加者の半分がアメリカ各地の医師たちで、この大会でナチュラルハイジーンのやり方を学び、アロパシーからナチュロパシーに転向し、患者さんを診るようになってきているのです。
イギリスも大きく医療がナチュロパシー的なやり方に変貌しました。
しかし、日本はまだまだアロパシー医学が全盛です。皆保険も味方をして、効率良く、目先の対処療法が行えるからです。このアロパシー医学により、体質がとことん悪くなるのですが、医者も患者さんもお構いなしに目先だけのやり方に徹しています。その後々の悲劇。
日本人は、そろそろアロパシーからナチュロパシー医学に移行しないと、皆が大変な病人だらけで、莫大な医療費を払わされ続けることになります。
【病気の根本原因を取り除かずに、症状や痛みを無くすことだけに目を向けていると、やがて高い代償を払って苦しむことになる。:T・C・フライ(自然健康治癒学博士)】
根本原因は、やはり食物の良し悪しでしょう。食物が悪いと、腸は腐敗し、腸の中にはアンモニアが増え、そのアンモニアは必ず吸収され、血液を汚し微小循環を悪化させます。
その時に出現するのが活性酸素で、あらゆる病気につながるのです。
このような明確な病気の成り立ちがあるので、根本原因である悪い食物を改めなくてはいけないのです。
アロパシーのやり方では、そんなことはお構いなしで、ただ目先対処の治療、つまり、薬の投与に専念します。薬投与では、根本原因を解除していませんので、一時的に良くなっているように見えても、必ず、後々悪化します。
慢性の病気は、まさに根本原因から治す必要があります。
まず、体に悪い食物をしばらく中止させ、ライフスタイルを改善させます。その後、断食(ファスティング)を何日かします。腸の中を空にし、腸の腐敗をまず取ります。その上で、ヴィーガンを開始します。そうすると、血流はきわめて改善します。余計な活性酸素もなくなり根本的に病気が治ることになります。これがナチュロパシー的な本質的な治し方になります。
T・C・フライ博士は、このようなことをやりなさいと述べているのです。
さて、現在の日本は、相も変わらず「病名診断即薬」というパターンを当たり前に繰り返しています。
しかし、この薬漬けは人間にとって良いことは一つもありません。
人間は本当に薬なしで良いのです。薬がなぜ人間の体に良くないのかは、それは薬がピュアな化学構造を持つ異物だからです。
そして、そのピュアな化学物質により、ホメオスターシス(恒常性)が失われることと、薬の働きが酵素阻害剤としての害(毒物としての害)があることです。
人間は食物を食べて生きていますが、この食物は実に複雑な要素が混じり合って出来ています。これは、人間の体には優しく負担を強いることはありませんが、ピュアな化学物質は人間の体に負担を強いて、ホメオスターシスを破綻に導きます。それが、副作用であり、余病(新しい病気)につながります。
また、どんな薬も酵素阻害作用を利用して薬効効果を出すものです。しかし、酵素というものは、失われる程、病気になり寿命が短くなります。体の絶妙なバランスを担っている酵素の働きを、安易に止めるような薬を使うべきではないのです。
以上により、当サロンでは、ナチュロパシー的な施術と生活習慣や食生活のアドバイスにより健康をサポートしております。
(参)森愛の響き
断食は、全身の細胞の汚れを大掃除して、元気な細胞に生まれ変わらせてくれる唯一の方法です。フランスでは断食を「メスのいらない手術」と呼んでいて、病気の治療としても高く評価されています。
酵素を用いた断食のさまざまな効能により、病気の予防や改善に大きな効果があります。
・潜在酵素が温存される
・腸をはじめ、内臓を休ませることができる
・腸内がきれいになる
・血液がきれいになり、血流がよくなる
・免疫力が上がる
・体に溜まった毒素が排泄される
・体のコリや痛みが取れる
・呼吸器、循環器の働きがよくなる
・眠りが深くなり、目覚めがよくなる
具合が悪い時こそ、断食(ファスティング)が効果的です。
具合が悪いからと、すぐに薬に頼ると、自らの治癒力(自然治癒力)を低下させるばかりか、さらに体内環境を悪くします。
無理して栄養を摂ろうとするよりも、食べないで安静にしていることが健康を取り戻す本来の方法です。
消化には膨大なエネルギーが必要で、フルマラソンに匹敵するほどと言われています。
消化器官に負担をかけなければ、体内酵素も体を回復させるほうへ力が発揮されます。
年末年始の食べ過ぎ、飲み過ぎによる体調改善のために、ぜひ酵素断食(ファスティング)をして見ましょう。
次回は、第4回ファスティングとして、1月20日(月)~22日(水)の3日間行います。
ぜひ、一緒に体験してみませんか?
現代、日本では、不妊を心配したことがある夫婦の割合は35%、実際に不妊の検査や治療を受けたことがある夫婦は全体で約18%、患者数は約50万人とも推計されています。
なぜ、こんなにも妊娠しづらくなってしまったのかは、現代の生活習慣の影響は大きいと言えます。睡眠を含めた生活のリズム、ストレスや電磁波、放射線、ワクチンも含めた薬剤等も考えられますが、何より私たちの体を構成するための食事の影響は計り知れません。
添加物や遺伝子組み換え食品もありますが、ここでも糖質の過剰摂取があります。
今回は、この糖質過剰摂取の観点から不妊症を考えて見ましょう。
適切なインスリン様成長因子(IGF-1)が卵胞の成長に必要であるため、糖質過剰摂取による全身的なインスリン抵抗性はもちろんのこと、卵胞などの局所的なインスリン抵抗性がミトコンドリア機能障害を起こして、不妊へとつながるのです。また、子宮内膜の局所的なインスリン抵抗性は、着床障害の一部の原因とも考えられます。
さらに、糖質過剰摂取によりAGEsが増加し、酸化ストレスも高まり、炎症も促進され、不妊のリスクが高まるのです。
不妊治療を行っている157人を対象にした研究では、AGEsが多いグループは、AGEsが少ないグループよりも採卵個数が40%以上少なく、受精も40%前後少なく、妊娠の継続率も80%以上少ない結果がでました。
不妊の原因になりやすいPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)は、全身のインスリン抵抗性が根底にありますが、無排卵性不妊症の70%はPCOSに関連しています。また、PCOSではせっかく妊娠しても流産が通常よりも3倍も多くなっています。
また、PCOSと子宮内膜症との合併は珍しくはありませんが、どちらも炎症を起こしやすいことを考えれば、その炎症による卵管癒着をもたらし、卵管障害による不妊の原因にもなります。
さて、男性の不妊症については、約60~70%が原因不明とされています。しかし、原因不明の男性不妊では、インスリン抵抗性が認められています。
744人の不妊男性からのデータを分析したところ、不妊男性の約15%が、未診断の糖尿病予備軍と判定されました。
勃起不全(ED)もインスリン抵抗性との関連性が指摘されています。EDの男性の半分以上にインスリン抵抗性を認めています。
当然、糖尿病ではEDのリスクが高く、糖尿病のない人と比べると3.5倍にもなるのです。糖尿病は、精子の質、機能にも影響を与えます。
このように、女性側にも男性側にも糖質過剰摂取による高血糖、AGEsの増加、インスリン抵抗性などによる不妊が起きていると考えられます。
不妊治療には、まずファスティングや糖質制限が重要だと考えられます。
数は少ないが、不妊のPCOSの5人の女性が、1日20g以下の糖質制限食を24週間行ったところ、空腹時インスリン値は50%以上低下し、男性ホルモンのテストステロンも30%も低下しました。そして、この研究期間中に2人が妊娠しました。
スイーツ好きの若い男女は多いが、そのスイーツは血糖値を上げ、AGEsを増加させ、インスリン抵抗性を生み、体を傷つけ、子孫を残すための非常に重要な体内環境を狂わせているのです。
さて、妊娠の経過が進んでいくにつれ、母体は自然とインスリン抵抗性になっていきます。正常妊娠でもインスリン感受性が60%低下します。それは、ブドウ糖を自分の体で溜め込まず、胎児に優先して送るためだと考えられています。進化の過程では糖質過剰摂取はほとんどなかったため、肝臓によるブドウ糖の産生は30%増加し、母体のインスリン抵抗性を増加させることにより、胎児にエネルギーを送るメカニズムを獲得したのです。
妊娠中に初めて発見される耐糖能異常である「妊娠糖尿病」の女性では、妊娠後期にインスリン感受性が有意に低下しますが、それは妊娠前にすでに存在していたインスリン感受性の低下を反映しています。
つまり、何もなかったのに妊娠したから妊娠糖尿病を発症したのではなく、元々気付かないうちにインスリン抵抗性を有していた人が、妊娠してさらにインスリン抵抗性が高まったために妊娠糖尿病になると考えられます。
妊娠糖尿病の人が、出産後、2型糖尿病になったり、心血管疾患を発症したり、乳ガンなどのいくつかのガンのリスクが増加するのも、根本原因が同じなので当然です。
さて、肥満の母親から生まれる子どもには、先天的な障害が多くなっています。高血糖、高インスリン血症が母親の肥満を招き、胎児の形態異常を誘発しやすくしていると考えられます。
アメリカで行われた研究によると、1型糖尿病の母親から生まれる子どもにおける主要な形態異常の相対リスクは、非糖尿病の母親から生まれる子どもと比較して7.9倍であり、主要な中枢神経系と心血管系の形態異常の相対リスクは、それぞれ15.5倍と18倍でした。妊娠後期にインスリンを必要とする妊娠糖尿病の母親から生まれる子どもは、非糖尿病の母親の乳児よりも、心血管系に大きな欠陥がある可能性が20.6倍も高くなっていました。
母親の血糖値が高いと、先天性心疾患を発症する可能性が最大5倍高くなります。高血糖に曝されると胎児の心臓の細胞は成熟が遅れるか、そのまま成熟できないかで、いずれにせよ未成熟の細胞が多く生成されてしまいます。
また、妊娠糖尿病では、早産、帝王切開や肩甲難産が増加し、巨大児が増加します。
アメリカの約42万人を分析した研究では、母親が1型糖尿病、2型糖尿病、妊娠糖尿病であると、糖尿病がない母親と比較して、自閉症児が増加していました。特に、妊娠初期の段階での高血糖や高インスリン血症が自閉症と関係していると考えられました。
生まれてすぐに赤ちゃんは母乳を摂取しますが、糖尿病の母親の母乳を飲んだ赤ちゃんは発語が遅れるという報告があります。また、新生児が糖尿病の母親の母乳をたくさん飲むほど、肥満のリスクが高まり、幼児期の耐糖能障害を引き起こすことが研究で示されています。
お腹の中でも母親の糖質過剰摂取の影響を受け、生まれてからも母乳で影響を受ける可能性があります。糖尿病や肥満の母親から生まれた子どもは、通常より出生体重が重いことが多く、小児期にはメタボリックシンドローム、インスリン抵抗性を発症するリスクが高くなります。糖質過剰症候群は母親だけの問題だけでなく、自分の子どもにまで伝わってしまうのです。
ここで、母乳についてですが、母乳の利点は非常に大きいものです。人工乳や果汁などには乳児の腸は対応できません。人工乳は、母乳とは大きく異なり、異物です。生後6ヶ月までは、可能な限り母乳で育てた方がよいと考えています。
世界保健機構(WHO)では、6ヶ月までは完全母乳で赤ちゃんを育て、その後も2歳までは母乳を与えることを推奨しています。良い母乳を与えるための良い母体を作ることが重要なのです。
酸化や糖化といった体内環境を意識して、体に入れる食事に気を配って過ごして行きましょう。
(参)「糖質過剰」症候群
ガンの死亡率は、医療の進歩により減少傾向にありますが、罹患率はどんどん増えています。
ガンのエサは通常は主に糖質です。
全てのガンを最終的に完全に殲滅することは難しいかもしれませんが、糖質をできる限り減らせば、ガン細胞はかなり弱ると考えられ、かなりの長期間ガンと共存できる可能性があります。場合によっては他の治療との併用で、ガン細胞が消えることも期待できます。
ですから、糖質制限をしたならば、プラズマ療法やCEAT(ガン活性消滅療法)によって、より短期間にガンが消えることでしょう。
しかし、何よりもガンを発症しないことが最も大切です。
ガン細胞は、ブドウ糖を使って、「嫌気的解糖」という非常に効率の悪いエネルギー生産を行っています。それでいて、ガン細胞はどんどん増殖するので、通常の細胞の何倍ものブドウ糖を必要とします。ですから、糖質過剰摂取はガン細胞から見ると大歓迎なのです。
ちなみに、ガンを検査するPET検査は、ガン細胞がブドウ糖を好んで大量に取り込むことを利用した検査になります。
前回お伝えした、高血糖や高インスリン血症、HDLコレステロール値の低下は、発ガンリスクを増加させます。これらは、全て糖質過剰摂取で起きています。
2018年、ノーベル医学・生理学賞を本庶佑、京都大学特別教授が受賞しました。それは、免疫を担うT細胞の表面にある「PD-1」というタンパク質と、ガン細胞の表面にある「PD-L1」が結合すると免疫にブレーキがかかり、免疫機能が抑制されることを発見し、この結合を阻害する物質、ニボルマブ(商品名:オプシーボ)によりガン細胞に免疫細胞が攻撃できるようになるというものでした。
実際は、この結合を阻害する部分が他にも存在しますし、賢いガン細胞はすぐに別のルートで免疫を逃れるようになるので、結局は、オプシーボなどの免疫チェックポイント阻害薬は高価なだけで、今までの抗ガン剤と同様に副作用も多く、効き目も5%程度なので、若手の医師はあまり使わなくなっています。
とにかく、糖質の過剰摂取は、高血糖により(PKM2活性の低下が起こり、それによりマクロファージのPD-L1の発現量が増加し、そのPD-L1とT細胞のPD-1がくっついてしまい)、免疫が妨げられるのです。
今までをまとめると、糖質過剰摂取は、高血糖、糖化、酸化(活性酸素増大)、インスリン様成長因子増大、免疫低下によりガン細胞が増殖するのです。
さて、ここでいくつかの疾患とガンとの関係をご紹介します。
まず、帯状疱疹ですが、これは子どものころに感染した水痘(水ぼうそう)のウイルスがそのまま体の中に潜んでいて、大人になってから、体調や免疫力の低下により、皮膚に痛みを伴う皮疹を起こす病気です。
この背景となる免疫の低下も、このPD-1の過剰な発現がT細胞の免疫機能を低下させることに関連していると考えられます。T細胞の力でウイルスは休眠状態になっていましたが、PD-1の発現増加に伴い、T細胞の力が低下してしまい、解き放たれてしまうのです。
このPD-1の過剰な発現は、糖質過剰摂取による高血糖でしたね。
台湾のエビデンスでは、帯状疱疹にと診断された後、1年以内にガンに罹患するリスクは、58%増加しました。
また、アメリカのエビデンスでは、糖尿病患者の帯状疱疹のリスクは3倍以上でした。
結局、糖質過剰摂取が免疫機能を低下させているのです。
食事が西欧化すると、ガンの発症が急激に増加しています。
このとき、食事の変化で起きたことは、3大栄養素の中の糖質の増加だけです。もちろん、脂質の質が悪くなったり、その他ビタミンなどの摂取量が低下した可能性も否定はできません。
ここで、糖尿病とガンの関係ですが、糖尿病でインスリン注射をしている人にガン発症が多くなっています。インスリン使用でのガン関連の死亡率は約2倍になります。
肥満もガンと強く結びついています。
過体重や肥満は、少なくとも13種類のガンのリスク増加と関連しています。13種とは、髄膜腫、多発性骨髄腫、食道腺ガン、甲状腺ガン、閉経後乳ガン、胆のうガン、胃ガン、肝臓ガン、すい臓ガン、腎臓ガン、卵巣、子宮および大腸直腸ガンです。
ガンによる死亡リスクは、男性の肝臓ガンは、高度の肥満があると4.52倍にもなり、女性でも腎臓ガン4.75倍、子宮ガン6.25倍です。
アメリカでの全てのガンの40%は、過体重および肥満関連のガンであり、男性で24%、女性で55%です。
ガンを全て糖質過剰症候群と言うことはできず、胃ガンや肝臓ガンではウイルスがガンの原因であるとされています。しかし、胃ガンや肝臓ガンの糖尿病や肥満と関連を見ると、やはりここでもそれらの原因と同時に糖質過剰摂取が起きてはじめて、ガン化する可能性があることがわかります。
アメリカ人の糖尿病のない人では、単純ヘルペスウイルス1型、水痘ウイルス、サイトメガロウイルス感染とは関連がなかったが、ピロリ菌に感染すると糖尿病の発症は2.7倍になっています。ピロリ菌が起こす炎症により、インスリン抵抗性が増加し、そこに糖質過剰摂取が相まって、糖尿病、胃ガンを引き起こすと考えられます。
九州久山町の研究において、胃ガンの人の分析で、空腹時高血糖に加え、ピロリ菌の感染のある人の場合は、どちらもない人と比較すると、胃ガンの発症リスクが、中等度の空腹時高血糖(95~104)で3.5倍、高度の空腹時高血糖(105以上)で4.2倍にもなりました。
このことは、Hba1c(ヘモグロビンエイワンシー)による分析でも同じであり、ピロリ菌に感染していてもHba1cが6未満の人では、Hba1cが6未満かつピロリ菌に感染していない人と比較しても有意差はなかったが、Hba1cが6以上でピロリ菌感染のある人では、胃ガンの発症が4倍にもなりました。
つまり、胃ガンや肝臓ガンなどの感染が関わるガンは、糖質過剰摂取がなければ、ガンにならない可能性が高いわけです。そして、他のガンだけでなく、感染が関わるガンも、糖質過剰症候群と考えられるのです。
繰り返しますが、ピロリ菌に感染していても、糖質の過剰摂取をやめ、抗酸化の野菜などを中心にとる食生活なら胃ガンを恐れることも無いですし、副作用の強いピロリ菌の除菌等をする必要も無いわけです。
本来、ピロリ菌も我々の周りにいる常在菌ですから、居るから殺すというような単純な発想ではなく、地球上の生命同士、仲良くしていきたいものですね。
(参)「糖質過剰」症候群
清水泰行医師は、根本的な原因が「糖質過剰摂取」につながる様々な病気をまとめて「糖質過剰症候群」と呼んでいます。
糖質は、体を構築するものでもなければ、生き延びるために必須のものではありません。
しかし、栄養素の中で、直接血糖になるのは糖質のみです。
糖質過剰摂取を続けると、インスリンがたくさん分泌され、脂肪が増加し肥満になってしまいます。
高血糖がなぜ悪いのかは、糖質過剰摂取では血糖値が急上昇する「グルコーススパイク(血糖値スパイク)」が、酸化ストレスを増大させたり、炎症反応を増加させ、血管を傷つけたりするからです。
さらに、高血糖が起きると、ブトウ糖の一部はポリオール経路という反応を起こします。これはブドウ糖がソルビトールになり、その後、果糖に変換される反応です。このポリオール経路が亢進すると、反応に必要な補酵素(NADPH)がどんどん消費されます。この補酵素(NADPH)は、酸化型グルタチオンを還元型に戻すのに必要です。グルタチオンは体内の重要な抗酸化物質であり、還元型が減少すれば、抗酸化力が低下してしまいます。
つまり、グルコーススパイクにより、活性酸素を除去する力も弱まってしまうのです。
糖は非常に反応性が高く、体内ではタンパク質とくっついて、糖化反応(メイラード反応)を起こしてしまいます。その反応の最終的な状態である終末糖化物質(AGEs)というものができることにより、機能障害などの有害作用を引き起こしたり、酸化ストレスを増加させたり、炎症反応を起こしたりします。
ちなみに、血液検査で測るHba1cというものがありますが、これはヘモグロビンタンパクと糖がくっついて糖化したものです。
体のほとんど全ての細胞、組織、酵素などは、タンパク質と脂質でできています。つまり、体の中で糖化しないものはないと言っても良いわけです。ですから、高血糖はどのような機能障害をも引き起こす可能性を持っているのです。
さて、血糖値が高くなると、すい臓からインスリンが分泌されます。
ところが、現在の食生活においては、大量のインスリンを分泌しないと血糖値を下げられないほどの糖質量を摂取していて、高インスリン血症になっています。
この高インスリン血症もまた、活性酸素を生み出し、酸化ストレスを増大させます。さらに、インスリンは、弱いながらも細胞増殖や成長作用を持ち、また、インスリン様成長因子(IGF)という、インスリンに似た強い細胞増殖や成長作用を示す物質を増加させるので、大量にあると、必要以上に細胞が増殖したりします。
その一つが、「ガン」になるのです。
また、加齢と言われている根本の多くは、AGEs(終末糖化物質)の蓄積、それに伴う酸化ストレスの増加やミトコンドリアの機能障害であり、ある程度は抗えないものですが、糖質制限によりかなり軽減できるものです。
現在では様々な病気が存在しています。糖尿病、狭心症や心筋梗塞などの心臓病、脳卒中、ガン、脂質異常症、認知症、うつ病、骨粗しょう症、片頭痛など様々です。
今の医療では、その多くの病気の原因は、それぞれにあると考えられています。しかし、それぞれの病気の間には関連が認められていて、原因の原因をずっと追っていくと、それらの原因が大本の原因である「糖質過剰摂取」一つにつながっていきます。そこから考えていくと、多くの病気はつながりがあり、どうして様々な病気が併発することが多いのかが簡単に理解できます。
では、ここで最も分かりやすい糖質過剰症候群として、肥満と糖尿病、メタボについてご説明します。
糖質を過剰に摂取すると、体内ではインスリンが過剰に分泌されます。インスリンは、血液の中のブドウ糖を筋肉や脂肪細胞に取り込ませる役割があります。その結果、筋肉や脂肪細胞に取り込まれたブドウ糖は、エネルギーとしてすぐに使われないと、グリコーゲンや脂肪に変換されて蓄えられてしまいます。それが蓄積されて、肥満となるわけです。
また、糖質により血糖値が上がるが、糖質の摂取過剰はこの血糖値を持続的に高値にする。血中のタンパク質の一つ、ヘモグロビンタンパクの糖化も増加し、糖尿病の診断が下されることになります。
最後のメタボリックシンドロームについて、この診断基準は以下にまとめます。
1. 腹部肥満:ウエストサイズが男性は85cm以上、女性は90cm以上
2. 中性脂肪値150mg/dl以上 HDLコレステロール値40mg/dl未満
(いずれか、または両方)
3. 血圧:収縮期血圧(最高血圧)130mmHg以上 拡張期血圧(最低血圧)85mmHg以上 (いずれか、または両方)
4. 空腹時血糖値110mg/dl以上
1の腹部肥満を必須項目として、2~4のうち2項目以上当てはまるとメタボリックシンドロームとなります。
腹部肥満は内臓脂肪の蓄積であり、糖質の過剰摂取で起こります。中性脂肪も糖質過剰で上昇し、HDLコレステロールは糖質過剰摂取で低下します。
血圧に関しても、糖質過剰摂取でインスリン分泌が多くなるほど、交感神経系は活性化され、インスリンとインスリン様成長因子(IGF-1)はレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系というメカニズムを活性化することにより、血圧を上昇させます。
また、糖質過剰摂取では血管の拡張性が低下し、高血糖は動脈硬化を促進することでも血圧は上昇します。
以上のように、肥満と糖尿病、メタボが糖質過剰症候群の一つと理解されましたが、ガン、認知症、心血管疾患等についても今後ご説明させて頂きます。
必須でない糖質になるご飯、麺、パン等の過剰摂取は、特に意識して行きましょう。
(参)「糖質過剰」症候群
先日、12月13日、厚労省が、遺伝性の乳ガン、卵巣ガン発症の患者さんの健康な乳房の予防切除を公的医療保険の適用対象とすることを決めました。
専門家等は、予防切除によって新たな発症や死亡のリスクの低減や治療の選択肢の増加は大きな前進と評価しているが、本質的にはどうでしょうか?
2013年に女優のアンジェリーナ・ジョリーさんが、ガンを発症する前の両方の乳房を予防切除したこともあります。
今回は、生まれつきBCRA1又は2という遺伝子の異常によってガンのリスクが高まる「遺伝性乳ガン卵巣ガン症候群(HBOC)」の患者さんが対象になりましたが、もう少し深く理解してみましょう。
まず、「遺伝性乳ガン卵巣ガン症候群(HBOC)」について、現在日本では、新規遺伝性乳ガンは年間9万人の内3~5%(約2700~4500人)、新規遺伝性卵巣ガンは年間1万人の内約10%(約1000人)発症しています。
このHBOCの特徴は、以下の通りです。
・若年で乳ガンを発症しやすい
・トリプルネガティブの乳ガンを発症しやすい
・乳ガンと卵巣ガン(卵管ガン、腹膜ガンを含む)の両方を発症しやすい
・男性で乳ガンを発症しやすい
・家系内にすい臓ガンや前立腺ガンになった人がいる
・家系内に乳ガンや卵巣ガンになった人がいる
ここで、BRCA(1、2)遺伝子については、誰もが持っています。本来、これらの遺伝子は、細胞に含まれる遺伝子が傷ついたときに正常に修復する働きがあります。しかし、このBRCA遺伝子に生まれつき変異があり(1の変異パターンは約600種類、2は約300種類あります)、さらに本来の機能が失われると、乳ガンや卵巣ガンにかかりやすいことが分かっています。
そして、このHBOC(遺伝性乳ガン卵巣ガン症候群)の場合、もう一つの乳ガンにかかる可能性は40~90%、卵巣ガンにかかる可能性は10~60%と高率なので、確かにHBOCの患者さんやBRCA遺伝子に変異を持っている方はとても不安でしょう。
ですから、早めの検診で予防しましょうと言っているのです。
しかし、今ガンが増加している中で、早期発見でこのBRCA遺伝子の変異のある方に、マンモグラフィーやその他電離放射線は、よりガン化のリスクを増加することを理解すべきです。
というのも、もともとBRCA遺伝子は傷ついた遺伝子の修復に関連する遺伝子です。その遺伝子(DNA)の二本鎖切断を起こす主な原因のX線やγ線などの電離放射線は当然致命的になります。BRCA遺伝子変異を持たない場合であっても、検査時に浴びるX線によって、発ガン率が何倍にも高まることが知られています。ですから、頻繁なこれらの検診はとても危険なものですし、BRCA遺伝子変異の場合にはマンモグラフィーは致命傷となります。
本来、BRCA遺伝子の重要度は高くはないと考えられます。本来の正しい食生活や生活習慣を送っていれば、めったに発現することはありません。
また、傷ついた遺伝子が多く発現してくれば、当然、アポトーシスによって排除されるはずです。
「遺伝子の損傷がガン化の直接原因ではない」ので、まずは体内環境の悪化を防ぐことが第一義なのです。
そのためには、増ガン物質として知られる加工肉や乳製品、精製された糖質等をひかえることなどと食事を整えることが必要です。性ホルモンの代謝異常も大きな悪影響を及ぼしているので、そのこともふまえて、ブロッコリーなどのアブラナ科の野菜をしっかりとることやオメガ3の油をしっかりとることが大切です。
また、乳管上皮細胞が主にガン化することを考えると、小胞体ストレスや乳房を締め付けるいわゆる補正下着、タイトなブラジャーの着用をやめることなども出てきます。
まとめると、遺伝子変異云々よりも先ずは「なぜ、ガン化しなければならなかったのか?」を考えることが重要なのです。先天的にしろ後天的にしろ、遺伝子変異は直接のガン化の原因ではありません。また、小手先の対処療法ではガンの完治は出来ません。人間の知恵よりも、細胞の知恵のほうが格段に優れています。
ガンは周囲の体内環境が適正になれば、ガン幹細胞は正常に戻ります。
ですから、本質的な対処に専念すべきなのです。
また、アポトーシスを最大化するにはプラズマ療法が現時点では唯一の最高のものです。
そして、早期発見と称して実はとても危険な検診よりも、がん活性消滅療法(CEAT)が現時点では最良な早期発見法、対処法になります。
ガンの予防や治療のファーストチョイスに、早くプラズマ療法やCEATが来る世の中になる日を実現すべくこれからも頑張っていきたいと思います。
(参)特定非営利活動法人日本HBOCコンソーシアム
インスリン様成長因子(IGF-1)は、胎児や成長期の子供には必要なホルモンの一つですが、成人が動物性タンパク質や乳脂製品(牛乳、チーズなど)を多く摂ると、体には過剰にIGF-1が出現します。
IGF-1は主に肝臓で作られ、GH(下垂体成長ホルモン)によって促されるもので、乳幼児には欠かせないものですが、もうすでに成長してしまった大人にとっては、この物質の過剰は体に極めて良くない現象を起こすことが知られています。
というのもIGF-1は、骨や骨格筋などの成長や分化に関わる一方で、細胞のガン化を誘導する働きがあります。
特に、乳がん、子宮頸がん、前立腺がん、肺腺がん、肝臓がん、卵巣がん、精巣がん、甲状腺がんなどの「ホルモン依存性がん」といわれるガンのほとんどが、このIGF-1の体内増加で起きるということです。
さらに、IGF-1はその他のガンの増殖にも関係しているばかりか、心臓病や脳血管疾患にも密接な関係があるとされています。
ですから、IGF-1を多く生成する食物を減らすことこそ、ガンの予防にとても大切になりますし、ガンになったとしたら、IGF-1を多く生成する食物を少なくともとらないことがとても大切になります。
そして、このIGF-1を多く生成する食物が牛乳、チーズ等の乳脂製品と肉である動物性タンパク質になります。
動物を殺傷するという倫理的なことは別に、肉類を食べ過ぎるのは、タバコを吸うのと同じくらい体に悪いと指摘されています。
ある研究では、肉類やチーズ、牛乳などの動物性食品を大量に食べると、ガンや糖尿病の発症が増加することが分かっています。
酵素栄養学を伝える鶴見先生は、ガンになったら動物性タンパク質と乳脂製品を最低でも1年間は一切とらない指導をしています。
ここで、大豆食品などの植物性タンパク質はどうかと言いますと、納豆や味噌、豆腐といった大豆食品も動物性タンパク質と同等にIGF-1を生成するのですが、IGF-1を結合させて排泄させる結合タンパク質も増加するので、IGF-1の悪い作用は打ち消されることになります。
事実、世界一の大規模研究のチャイナスタディ等においても、大豆の発酵食品を中心にタンパク源を摂っている人ほど、乳がん、その他のガンが少なくなっています。
ところで今の日本は、どちらかというと牛乳は健康に良いという誤った情報を流し続け、テレビのグルメ番組では、おいしそうにチーズや肉料理を見せつけています。
ですから、巷では健康に良いと思い、毎日乳製品をせっせととり、またタンパク質を摂れと肉食え、肉食えの現状です。
放射線の垂れ流し同様に、このままでは、ますますガンが増加していきます。
もう一度繰り返しますが、動物性タンパク質、乳脂製品の過剰摂取はIGF-1の生成を増やし、ガンの発症を増加させるものです。
ですから、ガンの予防としてIGF-1を増やすこれらの食品を嗜好品と位置づけて付き合って行きましょう。
(参)食物栄養大全、家族みんなが病気にならない食べ方事典
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